2022年11月8日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
2022年11月2日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
とても貧乏で、万引きをしないと生きていけないような家族。しかし彼らは幸せだった。
ある日、父は近所で1人の幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れ帰ることに。
そうして日々を過ごすうち、歪な形でつなぎ留められていた家族の形は、やがて瓦解していく。
ゾンビパンデミックが起こってしまった韓国・ソウル。
ゲームオタクの主人公はマンションの部屋に閉じこもり、わずかな情報を使って生き残りサバイバルをはじめる。
#suspense #drama
超・信用しているヒメアノ~ルの監督さん!!めっちゃ面白かった…!!!!!
どんよりした鬱映画という体ではじまる本作。実際に中盤まではずっとそうなんだけれど、なぜか思った以上に爽やかな読後感…。ほんとにほんとによかった…。
最初はモンスターペアレントである主人公の父に「ヤバいおっさん」以上の感情を抱けないのだけど、彼も遺されてしまった悲しみを怒りで癒やすしかできない遺族であるということが、終盤に加速していくに向かって伝わってくる。
最終的には、こんなに厳しくて怖くて他責思考の父親が本当に愛おしくなって、これから先の未来の幸せを願いたくなってしまう。
女子中学生の死によって人生をめちゃくちゃにされてしまったスーパーの店主にも事なかれ主義で済ますような悪いところがあって、だけど彼がテキトーに運営してたスーパーが遺してくれた思い出に救われた人もいて、そんな人にやっぱり店主も救われる。
登場人物のみんなに加害者と被害者の側面があって、万華鏡みたいに彼らへの感情が変わっていく。そして最後にはみんなが愛おしくなる……
マジでめっちゃ辛くて悲しい映画だけど、この辛さを乗り越えた先には感動が待ってる。
その感動は決して「悲劇が喜劇に転化する感動」ではなくて、辛いもののすべてが掬われるわけじゃないんだけど、でもなんか悲しい記憶に折り合いを作るために頑張ろうって思える作品。
吉田恵輔監督作品の中で1番好きだ~~~