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御明SS

 ねえ。そうだよね。
 きみに似合うのはその青空と青春の音で、わたしに似合うのはこの影差す暗い回廊なの。

しるべにもならない金の色(葛城・韋銅)

 照らすものがない夜の中で俺は少しだけ泣いた。お前には金がある、地位がある。何より愛があるのに、なぜあのように行き場をなくして立ち尽くすのかわからなかった。いらないなら代わってほしかった。俺はこの町が大嫌いだったが、お前は違うのだろう。俺が明日捨て行くものを、お前は後生抱えることが出来るのに、なぜ、神は持たざる人間を取り違えるのだろう。

貞淑ではない花(杏さつ/バイサマ微バレ)

 永長さつきは体が弱かった。生まれついて病原に弱い彼女は…