ペアくだまき~昴&日光編~

今回のくだまきペアは昴&日光です。

昴&日光は大江山を越えた一族です。
山越え後の厳しい時期をはじめに牽引したペアでもあり、いわば俺屍本番ともいうべき時代の最初の世代ということになるでしょう。
ではさっそく基本情報を見ていきます。

基本情報

職業剣士
時期1021年5月~1023年1月
享年1歳8ヶ月
夜半×地蔵堂円子
素質点1602
愛用武器豪剣五ツ釜→竜神刀
来訪コメント-
悩み抜け毛
遺言「俺の命も魂も、お前たちにやる。受け取るがいいッ…」
期待されていた遺伝子をほぼ表出させられなかった不運体質の男子。日常においてもどこか女難の相が漂い、貧乏くじを引いてばかりのある種の主人公気質。
表層的には戦いも鬼も、責任を負うことも忌避する弱い人間だが、根底には決して揺るがぬ自分らしさを強く持っており、そのぱっとしない素質や頼りない性格に反して、周囲からは本人もあずかり知らぬ人望を寄せられている。

鬼朱点戦メンバーのひとり。呪いが解けなかったことを悔やみ黄川人を呪うが、それでも自分を見失うことのない持ち前のポジティブさを真昼に信頼され、当主襲名。
下積み時代の苦しい空気をその風のような資性で和らげ、扱いづらい日華や良夜ともうまく付き合う。
最期は「何者かになる」ことを求めて敦賀ノ真名姫と戦い勝利。満足の中、周囲にこれからを託す。
日光
職業拳法家
時期1021年7月~1023年4月
享年1歳9ヶ月
真昼×七天斎八起
素質点4786
愛用武器胡蝶の手袋
来訪コメント-
信条一攫千金
遺言「ごめんよ、私で終わらせたかったんだけど…でもあんたたちなら きっとやれるから」
からっとした江戸っ子気質の少女。要領がよい天才肌で、のらりくらりと苦難をかわす。
特にお金をこよなく愛し、お金だけは裏切らないという価値観を持っているが、この性質は徹底した刹那主義に由来している。長命にも永遠にもさしたる興味はなく、鬼朱点を倒しても解けることのなかった呪いに憤ることもない、人間らしからぬ刹那的な自分をどこかおかしいのではないかと感じ、自嘲している。
だからこそどこまでも人間らしく感情豊かな昴に、実は深く憧れの念を抱いており、頼りなくもポジティブで欲深い彼に心から救われている。

「何者かになるため」と真名姫に挑んだ昴とともに辛勝。彼の行為によって間接的にまた人生の意味を貰った。

日光飛天脚を創作。

時期が序盤の方だっただけに、今見ると文章が淡泊だな。笑
掘り下げももっと出来たのではないかな~と今では思っているんですが、それを補って余りある華々しい活躍をラストは魅せてくれました。それはおいおい

ちょっと前向きなだけの普通の男の子

全世代に昴がいたら大抵のことは何とかなったんじゃないの?というくらい私は昴の人間関係の潤滑油としての才能を信用しきっているのですが、昴本人は悩むこともあれば弱気にもなる、普通の少年なんですよね。
別に英雄でもないし、確かに鬼朱点討伐隊には編成されていたけど、多分あの頃の昴はただ真昼様の言う事を黙って聞いてさえいればそれでよかった。昴の強い意志というのはあの頃はなかったように思います。だからこそ昴は「何もない自分」というのにすごく悩んでいたわけで…
実際特に強くもなんともなく、ぱっとしない素質、ぱっとしないごく普通の性格…昴って結構地味な男だと思うんですよね。

でも昴には圧倒的な功績がある。
それは真名姫を倒したことではなく、真名姫戦に日光を連れて行ったことであり、最後に日光に生きる意味を与えたことです。
日光にとって昴は間違いなく光、小さな星なのであり、実際日光だけでなく良夜と日華の関係も昴がいた頃はもう少しましだったように思います。昴にはきっと、その場にいる人を幸せにする力があるんですね。
昴はたぶん普通に、自然体で生きて、昴なりに当たり前のことを言っていただけだと思うんですけど、その当たり前がなかなか見つけられず難しい人生を選びがちだった仲家において昴のその「最初から当たり前を持っている」「当たり前を他者に分けられる」っていうのはもう才能だったわけです。たぶん(弱気になるな)

昴の心風が当時バカ高かったのがとても気に入っています。なんていうか昴本人は変わり者でもなんでもないんですけど、仲家に新しい風を吹かせるような…そういう存在だったんですよね。

だから昴が全世代にもしいてくれたら、きっと当たり前の「こうしたらもっと生活は楽しい」を説いてくれたんじゃないかな…って。
長い旅路の中で、他人の言葉や影響を受けながら仲家がようやっとのことで辿り着いたものを、昴はおそらく自分ひとりで悩み、自分で決断し、自分で答えを出して、日光に手を差し伸べられた。昴のすごいところってそこだと思うんですよね。
だから私はもうなんか昴に対してめちゃくちゃ全幅の信頼を置いています。
一家に一台昴を置こう

とはいえまあ、もちろんすごい存在かっていうと全然違うんですけどね。普通に呪いが解けなかったことがショックでめちゃくちゃ泣くし、日光に励ましてもらったりもしたし、何もない自分に悩んだり、弱い自分に焦燥感を覚え、相方に憧れたりちょっと嫉妬したり。そういうのももちろんあった。あったんですけど…昴にはそういう壁を乗り越える力、そして死ぬかもしれない強大な敵に挑んででも意味を残したいという強い気持ちと、それを実現させる勇気があったのですよね。
そういう意味で「弱い普通の少年だけど前向き」なんですよね。
なんかこう書くと小夜とかが昴に近いのかなって気がします。血筋一緒だしね。

日光はなんか儚い

これ、何でこうなったのかなーってずっと考えてたんですけど、やっぱり日光の素質の高さを浮世離れしたように扱ってたのかな。私が
日光は根本的にはネアカですしあんまり悩まないように出来てるし、特に何かに躓いて凹んだりすることのない順風満帆な人生を送ってきたと思います。なんだけど、それって多分世界には自分しかいないとして生きてきてたってことなんだよね。
刹那主義って書いたけどそれも間違ってなくて。所詮他人ごとだから関係ない。桂がいつか言ってたけど「どうせ終わるものに心を砕きすぎることはない」っていうのを、地でやってたのは多分日光なんですよね。(桂は口ではそう言うけど多分自分のありたい理想を言葉にしてただけで実際の本質は全然そんな感じじゃなかったと思う)
多分、鬼朱点倒して呪いが解けなかった時も「あー、ダメだったんだ」くらいにしか考えてなかったと思う。生への執着が多分薄いんだな。
もちろん希死念慮があるってわけじゃないんだけど、なんてゆうかな…「どうせ生きて死ぬんだから、その間楽しくいられればそれだけでいい」という。多分自分の人生に対して求めるものが少ないんだと思います。
対して昴は自分の人生に求めるものがめちゃくちゃ多い人で、たとえば名声を得たいし、おいしいものいっぱい食べたいし、長生きしたいし、女の子のちょっとスケベなとこ極力見たいし、自分に胸を張りたいし、一族史にいっぱい自分の名前を載せたいし、なんならもっと京以外の世界も見てみたいし…みたいな。
日光は多分、お祭りごとは大好きだったけど、自分は京という狭い世界で生きて死ぬのだろうな、という意識でいたと思うんだよね。別にもうそれは諦めでさえなくて、「それが当然で、自分はそういうものだから」という。
だからこそ日光は良夜にシンパシーをちょっと感じてたんだよね。

余談なんですけど昴の交神の時に万珠院紅子様を選んだのは完全に私の趣味であり、良夜がああいう性格だったのも多分万珠院紅子様の存在を強烈に意識していたからだと思うんですが、昴がなぜ紅子様を選んだのか…っていう視点で考えると、多分、日光にちょっと似てたんだと思う。
顔とかは全然似てないんだけど…普段明るくて影を全然見せない日光の姿に、それでも昴は少し何かを感じてたのかもしんないね。

だから日光は昴が好きだったんだよね(恋愛的な意味じゃなくて普通に好感度の意味でね)
自分にないものをたくさん持ってて、きっと自分よりも世界が鮮やかに見えている昴にずっと憧れてたんだよね。昴、日光より圧倒的に弱いのに…すばひかの最高なとこってそういうとこなんだよな…
あと日光はめちゃくちゃ強いんだけど、そのわりには超ヒロインしてるんだよね。昴の主人公力が強いのだろうな…

VS真名姫

そんで真名姫戦の話になるんですが、もうこれなんですよね

おそらくこの回避がなければ普通に二人は負けていたわけで…というかプレイヤーもまあ負けるだろうなって思って挑んだ戦いだったんで、すばひかはこの瞬間プレイヤーの予想を超えていったんですよね

この回避、昴側は”絶対に勝ってやる”という単純な意地を感じてめちゃくちゃいいし、日光も日光で”昴と一緒に避けてくれるんだな…”っていう…昴のこの戦いに懸ける想いを汲んでくれてるような感じがして、めちゃくちゃいいんだよな…
仲家の名勝負ベスト3に入りますね…ほんまに…

この勝負、真名姫の技力削り切って攻勢に入った時の日光の進言が一貫して「攻撃・花乱火・飛天脚」だったのがもうめちゃくちゃ最高で。
花乱火は日光の代名詞ともいえる得意な技火による術、飛天脚は直前に編み出した日光本人の奥義なんですよね。最高

これは寿命月の戦いだったので、この直後に昴は亡くなってしまうんですけど、

いいよな…。
昴の命や魂なんか別に…氏神として招かれるような質もないし、価値もないんだけど、昴当人は明らかに自分の魂に誇りを持てる人生を築いたんだな、って感じられるのがもうめちゃくちゃいいし、”やる”って言ってんのもいいんだよね。自分の生きざまを託せるほどになったんだよな…

その後の日光の遺言も超良くて

スタッフロールの時も言ったけど、日光は自分のこと別に優しくないと思ってそうだし、なんなら自分の長所もあまり感じてないと思うんですけど(自己肯定感がないというわけではまったくないんですが)、でもこういうことを言えるあたりやっぱり優しいんだよ…。温かい人なんだよ日光は…

終わりに

すばひかは良いよね、ってことですね(簡潔すぎる)

色々管巻いたけど、すばひかって単純にヒロインを助けるヒーローの構図だから王道でいいんですよね…。でもただ日光は助けられるだけの存在じゃなくて、昴が弱った時に支え、背中合わせに戦える女の子なので、すばひかは主ヒロであると同時に、むちゃくちゃ支え合える関係なんですよね…。

すばひかがずっと一族のおうちにいてくれたら仲家はもっと…クッ…