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おくりびと

ひょんなことから納棺師の見習いとなった元チェリストの主人公。
日々とまどいながらも様々な死と出会い、見つめ、やがて成長していく。

本当の名作。おくりびとに出会えた喜びに、感謝… #drama

納棺師にフォーカスした映画なんだけど、「死」のおぞましさとか根源的恐怖とかそういうのではなくて、一種の「門出」でもある「死」を、尊厳を持っておくりだす人々の、敬意と愛に溢れた映画。
この「納棺師」という職業に徐々に誇りを持っていく主人公と、「死」を「けがれ」として軽蔑する妻の広末涼子との対比がよくて、妻側の視点と相互理解の描写があることによってこういった職業に対するさまざまな見方を補完しているなぁ~と。

月並みな言い方になっちゃうけど、「死を貴ぶこと」は同時に「生への賛歌でもある」んだよね。いつかの”卒業”のために、生を責任を持って正しく全うするべきで、終始穏やかで優しい語り口調で生命の在り方を謳う本作であるのになんかちょっと姿勢が正される。自分の命だって本当は神聖で、貴ばれるべきものなんだ、って思えるというか。

死生を扱う作品だからとても重いテーマのはずなんだけど、全然そう感じさせないのも本当にすばらしい…。
そもそも「死生」という現象自体に重さなんてものはないはずなんだよね。「そこに当たり前にあるもの」が「死生」であるはずなんだということを、優しい描き方で再定義してくれる。

マジで素晴らしい作品。邦画っていいなと思う。
だから私は邦画が好きなんだよな。
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