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悪魔を見た

婚約者を何者かに惨殺された国家情報院の捜査官である主人公。
独自に捜査を開始した彼は、犯人の正体を突き止め、襲撃に及ぶ。
そして昏倒させるとGPSカプセルを飲み込ませて立ち去ってしまう。
完全な復讐を追い求め、主人公は鬼と化していく。

復讐に狂った主人公が犯人を追い詰めるバイオレンス映画……かと思いきや、若干違う。
#violence #thriller
ていうのもこの犯人、どんなに復讐されても全然メゲない。足の腱を切られても、拷問の限りを尽くされても、最後まで「お前は俺に負けたんだよ!」と煽り散らかす始末。
逆に主人公の正体を突き止め返し、婚約者の家族の命まで奪ってしまう。
そして主人公は犯人の友人からは「狙う相手を間違えた」、刑事たちからは「復讐なんてしなければこんなことにはならなかった」と非難されてしまう結果に。
こんなに気持ち良くない復讐映画ってあるんだ…

実際犯人が全然メゲないので復讐が効果的に機能してる感じは全然なくて、観てる間だいぶ気持ちよくなかった
復讐がテーマの作品にありがちの主人公無双系では決してなくて、犯人VS主人公の怪獣映画が感覚的な表現として近かったかもな…。アクションも謎に多かったし。

だからこそ主人公は本当に止まることができなくなって、ついには罪のない犯人の家族まで巻き込んだ凶行に及ぶ。
すべてが終わったあとの主人公の、泣いてるんだか笑ってるんだかわからん慟哭の演技すごかったなあ。道中だいぶダルい作品だったけど、主人公の最後の慟哭がすごくて、そこだけでも観る価値あったかもしれない。

鬱耐性は結構ある方だと思ってたけど、だいぶ胸糞だったなぁ~~~
悪女(2023)

ニュースキャスターの主人公はある日父に再婚相手を紹介される。彼女は父よりずっと若く、お世辞にも美人とは言いがたい肥満の女。
これを疑った主人公は、彼女の正体と真意を探り始めるが、同時に彼女と付き合った男たちが三人も立て続けに練炭自殺したという報道が流れ、疑惑を強めていくようになる。

台湾映画なんだけど、あらすじやサムネからも分かるように、明らかに日本の死刑囚・木嶋佳苗をモチーフにした映画
木嶋佳苗は「決して美人ではないにも関わらずそのスキルによって多くの男を篭絡し保険金殺人を行った」と言われていて、この映画に登場する「父親の婚約者」もこの木嶋死刑囚をモデルにしてるんだけど、この映画が描いているのは「その女の怪しい魅力と恐ろしさ」とはちょっと違う。

私も後から知ったんだけど、木嶋死刑囚って実は証拠を抑えて死刑囚になったわけじゃなくて、状況証拠しか揃ってなかったらしい。
多分この映画はここにフォーカスしてて、どう考えても怪しい女だけど、実は本当に殺人なんかしてなかったのでは?って描かれ方をしてる。ここがまず面白い

反対に、彼女の正体を追うにつれ悪女堕ちしていく主人公との対比構造がこの映画のメインの部分になってる。
どちらかというと仕事人間だった主人公が女の言う「男にとって理想的な女性像」に触れ、彼女を嫌悪しつつも、それをロールモデルにするうち本物の悪女になっていく。
本当の悪女は果たして主人公と女、どっちなのか…っていうストーリー。
(この映画的に言わせると、主人公の方が悪女だよってことなんだと思うけど)

ただ、女の怖さよりも男のクソさの方がどっちかっていうと目立つ構成になってるように感じた。そこも良かったよね。
登場する男みんな勝手すぎるんだよな。主人公の婚約者や、途中から付き合い始めた検事は勿論のこと、父親も盲目すぎるだろっていう…

惜しむらくはあんまりその「悪女の魅力」が伝わってこなかったことかな。
木嶋死刑囚をモデルにしている女、もうちょっと深堀して魔性さを描けたんでないかな~とは感じてしまう。
そっちにめっちゃフォーカスした描き方でもありだったんじゃないかなと思うけど、まあこの映画はそうではない部分に焦点を当てたってことで。
#thriller #suspense
NOPE

亡き父から牧場を受け継いだ主人公。父の事故死は飛行機部品落下による衝突死とされたが、主人公はこの事故の際に一瞬目にした飛行物体を忘れられずにいた。
主人公の妹はこの飛行物体を撮影して、バズり動画を世に放つことを思いつく。それは真の最悪の奇跡の到来の序章に過ぎなかった…。

全然面白くなくてびっくりしたんだけど、世間での評判はそれほど悪くないようで、え!?となっている。
私自身も友人たちと3人で鑑賞して、「全然面白くなかった」って結論に至ったくらいだから、私の感性が狂ってるってわけじゃないと思うんだけどな…。マジで?

お話としてはUFOを描いたホラー#horror #SF
UFOっていうとなんか古典的すぎるような感じもあるんだけど、この映画における「UFO」の造形そのものはすごい気合入ってて好みだった。

ただ及第点に到達してないポイントが多すぎる……と、私は感じた
キャラクターの行動原理がわかんないし、脈絡なくて愛着湧かないし……あとなんかセリフ回しがピンとこなくて話が全然頭に入ってこなかったんだけど、これは吹き替え版観たからかもしれない。

あと主人公無表情すぎない?今どんな感情なの?演技の指示ミスってないか?
ついでにいうと音楽も「今そのチョイスする?!」みたいな違和感をずっと拭えなかったし、UFOの造形の美しさに対して基本的な部分全部足りてないように感じたんだけど…
でも謎なのが、結構この映画を評価してる人も多いっぽくて、なんなら「どうしてアカデミー賞取れなかったんだろう」とまで言ってる人も見かけたっていうこと。そんなに感想割れることある!?!?

あとで調べてみたところこの映画には結構なテーマ性が込められてるらしくて…暗喩が多いのかな。
私たちウォッチパーティ繋ぎつつ作業しながら観たもんだったから全然ピンとこなかったけど、しっかり直視してたら感想も全然違った…?のか? そうか…?
伝わらない暗喩なんてないのと同じだろって私は思いますけどね…(暴言)

でも実際評価がかなり二分されてる作品っぽいので、この感想観て気になった方いらっしゃったら全然観てほしいかも。感想聞きたい。
バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ

人気ゲーム「バイオハザード」を、新たなキャスト&スタッフで映画化。
クレア・レッドフィールドを主人公に、新たな切り口でラクーンシティを描く。

シンプルに面白くなくてシークバー飛ばしちゃった映画。 #horror
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演版のバイオとは違ってゲーム版のバイオを忠実に再現した…と謳われていた本作なんだけど、まず再現の仕方がシーンの切り貼りすぎ。ここだけ丁寧に再現しとけばいいってもんじゃないんだよ。俳優もびっくりするほど似てないし。

キャラ改変の仕方はなかなか面白いなと思ったんだけど(クリスとクレアがアンブレラが運営する孤児院の出身で、その孤児院では孤児を利用したウィルス実験が行われていた…って設定とか)、せっかくのその改変が全然生かされてない。「設定があるだけ」で、それを利用した人間ドラマが全く展開されない。

あと詰め込みすぎじゃない?あちこちで言われてると思うんだけど、この映画、初代・2・ベロニカの要素が詰まってて、その全てが描き切れずに雑に消化されちゃってる
かといってアクション面の緊迫感にも欠けてるし、再現も中途半端で、しかもTウィルスがなんなのかっていう具体的な説明もないから結局なにが起きてラクーンシティが壊滅してしまったのかがよくわかんないし、誰向けなのかわかんない映画。原作ファンもゾンビ映画好きも喜ばない。
マジでおもんなかった。観なくていいし、これ観るくらいならミラ・ジョヴォヴィッチ主演版の1・2を観るべき。
クローゼット

母を交通事故で亡くしたトラウマに悩まされる一組の父娘。
親子関係を改善するために新居へ引っ越す二人だったが、そこで様々な怪奇現象に悩まされることになる。
やがて行方不明になってしまう娘。万策尽きた父の前に現れたのは、怪しげな祈祷師の男だった。

洗練されたビジュアルから繰り出される手垢付きまくった古典的ホラー
ビジュアルは美しいのに演出はチープ。私はだいぶ退屈に感じてしまって面白いとは思えなかったけど、こういう古典ホラーが好きな人はたまんないのかもしれない…?
#horror

ほんとに画作りはとてもきれいで、韓国らしい美意識を感じた。
じっとりホラーを期待するより祈祷師悪霊退散アクションを想像して見た方が楽しめるかなあと思う。物理で解決するし

あとシーンシーンがぶつ切りで、色々な展開が唐突に感じちゃうのもちょっとマイナスだった。話自体はスキなくしっかり作られてるのがわかるんだけどなぜ脈絡なく感じてしまうんだろう…

そしてこれは価値観の問題かもしれないんだけど、家族のために身を粉にして働いているお父さんが、虐待を行う親と同列の罪だと語られるのもなんか個人的には…あんまり納得できなかったな…。
「仕事での成功を追い求めすぎた結果、娘を疎ましく思う」という気持ちが罪なのだ、って理屈はまあわかるし、子供が傷ついている結果は変わらないっていうのも分かるんだけど、じゃあ子育ての中でつい子供に苛立ってしまう人として当然の心の揺れ動きも罪なんか?って思ってしまうな…畳む

いや理屈はほんとわかる わかるんだけどね
哭悲/THE SADNESS

台湾で発生したアルヴィンウィルス。ただの風邪だと思われていたウィルスだったが、突然変異によって理性を失い、暴徒と化してしまう特性を持っていた。
パンデミックによって混乱に陥ってしまった街で、再会を誓い合う男女。生き残るため奔走する彼らの運命は?

明確に嫌いだった。私もかなりこれはびっくりしてて、自分は残虐な作品だったら大体大好きな単純な脳みそのオタクだと思ってたので、この手のやつで嫌いだって思う事あるんだ……って…。
#violence #horror

ゾンビ映画の亜種みたいな感じの作品なんだけど、実態は結構違ってて、「人々には知性や想像力が残ってる」っていうのがミソ。ただ「他人を攻撃する行為へのリミッター」が外れてるだけなんだよね。
だから残虐行為のレパートリーがめっちゃ豊富で、ただゾンビみたいに人を食うだけじゃなくて、縛って殴ったり、レイプしたり、湯だった油を頭にぶっかけたり、もうとにかく色々やってる。

このバイオレンス描写のバリエーションはなかなか面白かった。
面白かったんだけど、私が明確に嫌いだわ~ってなった理由は途中から描かれていく問題提起描写。

ウィルスによって残虐な殺人鬼に変貌してしまった人々と、健常者との間に境目はあるのか?というのがこの作品のテーマになっている。
要はどんな人間の中にも残虐性は存在していて、正義のためであったり、自分を正当化する理由さえあればウィルスなんかなくたって残虐行為はできちゃうよね?一緒だよね?っていうお話になっているんだけど、私はもうこれめちゃくちゃ嫌いだわ~ってなってしまった。一緒なわけねえじゃん

じゃあすべての人間は殺人鬼になれるのかって。んなわけねえだろ!!
そのメッセージが提起されだしてからもうすべてが知らね~~になってしまって、ラストの描写も ハァ…そっすか……で終わってしまった…。

クソ映画では全然ない、映像すごかったし、そのメッセージも含めてこの映画が楽しめる人もたくさんいると思う(マジでめっちゃグロいので、そもそもグロが好きな人向けではあるけど)。
でも私は納得できなかったし嫌いだった…なんか、絵柄はめっちゃ好きなのになぜか抜けないエロ漫画読んでる気分だった…。(…)
ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル

ひょんなことから居残り掃除をさせられることになってしまった4人の高校生。
彼らは倉庫の中で「ジュマンジ」というカセットが入った古いレトロゲーム機を見つける。
お遊びで起動し、プレイヤーキャラクターを選択すると、4人は全員ゲーム機の中に吸い込まれてしまう。
ゲームの世界で目覚めた4人の姿は、選んだキャラクターのアバターに変化していて…!?

あの不朽の名作、ジュマンジの続編。 #action #kids #comedy
続編といってもすごく繋がってるわけではないので、これ単体でも見れる。前作のジュマンジを知ってるとちょっとニヤっとできたりする。

私は前作のジュマンジの方が圧倒的に好きだったのだけれど、この続編もなかなか面白かった!
前作のジュマンジはボードゲームで、サイコロの目にょって現実世界に様々な異常事態が発生するというストーリーだったのだけど、この「ウェルカムトゥジャングル」はその名の通りジャングルに異世界転生(?)。
ジュマンジの中の時空が歪んでいたり、ゲームをクリアできないと一生そこに閉じ込められてしまうというようなベースは共通なんだけど、舞台が現実世界とゲーム世界となのでそもそもシステムが全然違ってたりする。
あと前作のジュマンジは子供も大人も入り乱れてゲームに参加することになるけど、こちらの作品は全員同年代の子供が主人公だったり。

4人の高校生は、実際の自分にはないものを沢山持っているアバターを被って冒険することになる。
アレルギーだらけの病弱なギークはムキムキ軍曹になるし、セクシーだけどちょっと頭の弱い女の子は太っちょのおじさんになってしまう。
でも、そのアバターを介して動いているうちに、「現実の自分を演じているだけでは気付くことができなかった、自分自身の魅力や価値・可能性に気付いていく」という王道ながらもアツいストーリーで、ここがまずよかった。
会話も小気味よくてくだらなくて笑えるし、軽く観れてとても爽やかな読後感。よかったー

あと俳優さんってすげーなって思った。
太っちょのおじさんが本当にセクシーな女の子に見えるし、勉強ばかりのイモっぽい女の子は、セクシーな美女のアバターを被っててもあまりに振舞がイモすぎる
とても情けないドゥエイン・ジョンソンも楽しめる。
雪山の絆

アンデス山脈の奥深く、人里離れた山地に飛行機が墜落
過酷なサバイバルに直面した生存者たちは、生きて家族のもとに帰るため、極限の試練を生き延びる。

実際に起きた飛行機墜落事故を描いた作品。
ドキュメンタリーとしての色がかなり強くて、脚色なしに事故に真正面から向き合っている。 #drama #survival

非常に申し訳ないんだけど、私はかなり…かなり退屈に感じてしまった…。
自然の、人間が太刀打ちすることなんて敵わない圧倒的で雄大な恐怖も良く描けていると思うし、「この映画はこれが正解」だと思うんだけれど、あまりに映画的な見せ場を作ることを捨てすぎている
センセーショナルで心を掴まれるのは実際に飛行機が墜落する序盤のシーンだけで、残りは全部雪山でのサバイバルに苦しむ人の綿密で静かな描写。
進みも戻れもしない、長い長い膠着。ゆっくりと脱落していく人々。
それが2時間半もあるものだから、イヤ~~~~~…ちょっと飽きちゃった……。

ただ上述したようにこの映画は「そういうふう」に作ってある。リアリティを追求していて、この物語は決してフィクションじゃないっていうことを強調しているから、マジでこれが正解なんだと思う。
決してつまらない映画ではない…と思う。これが実話なんだって思うとガチで震えるし。
びっくりするほどの長尺も、そもそもこの事故が72日間も人食に手を染めてまで生き延びた人たちの物語ってことを踏まえると、必要な時間だったと思うし。

けど「映画的な面白さ」を期待してはいけない。壮大な再現ドキュメンタリーだと思って鑑賞するべきだと思った。
FALL

事故で夫を亡くした主人公を立ち直らせようと、親友が地上600mのテレビ塔へのクライミングを計画。
2人が頂上まで到達した直後、梯子が崩れ落ち、地上に戻れなくなってしまう…!

鉄塔から降りられなくなった女二人のサバイバル映画。
マジで作業のお供程度に軽く見始めたんだけど予想外にかなり面白かった

本当に徹頭徹尾(鉄塔だけに)塔の上でどうやって生き抜くか、助けを呼ぶかしかやってない、ほんとにそれだけの映画なんだけど、観客を最後まで飽きさせない工夫が盛りだくさんの良構成映画!
ハラハラあり、女の燃え滾る友情あり、でっかいおっぱいありで嬉しくなった…
ちょっと鉄塔に行くまでの導入が強引すぎるきらいはあるけど、そのへんはご愛敬かとおもわれる。
騙されたと思って観てみてほしい。
#horror #survival
ミーガン

両親を失って意気消沈の女の子のもとに最新人工知能を搭載した人形の女の子「ミーガン」がやってくる。
ミーガンの少女への愛はやがて、周囲すべてのものに仇なす暴走をはじめる…!

めちゃくちゃライトに楽しく観れるエスターって感じだった。全然ホラーではないと思う。こわくなさすぎる。
金ローとかでゲハゲハ笑いながら観るのがベストの作品。

ミーガン役の子がリアルダンサーらしくて、芸術(ダンス)技能をめちゃめちゃ活かしてる。なんならリアルダンサーであることを打ち出した過ぎて急に脈絡なくダンス踊りはじめる始末。
踊るミーガンかわいすぎる!Tiktokとかでバズったらしいよね。
#horror
ファースト・マン

人類史上初めて月面着陸を果たした宇宙飛行士、ニール・アームストロング。
彼の半生と、月を目指す者たちの苦悩の道のりを描く。

「ラ・ラ・ランド」の監督が撮った伝記映画。実在した人物である「ニール・アームストロング」と、あの「アポロ計画」を題材にした英雄譚。
あんまり観ないジャンルの作品だったんだけど、観てよかったなぁ~~~~~~~~~~~~!!!!!!面白かった…
#SF #drama

この映画のすごいところは「全然ワクワクしない」ところ。
月を目指す宇宙飛行士の物語って一文で表現してしまうとすっごく雄大で果てないロマンの映画みたいに感じるんだけど、この映画は全然違うところにフォーカスが当てられていて、どの国が最初に月面着陸を成功させるかっていうアポロ計画の軍事的な側面であったりとか、そもそも有人飛行自体がまだ安全性を担保できていないことによる命の軽さを強く映している。
だからめちゃくちゃ息苦しい映画なんだけど、それでも月面着陸成功時のあまりの…表現しがたい達成感とカタルシスは格別なんてもんじゃなくて、このために多くの人の命やコストが犠牲になったかもしれないけれど、それでも…それでもロマンは止めることができないという、人々の想いと歴史の貴さを、圧巻の演出と構成で描いている、とても素晴らしい作品!!!!

ラ・ラ・ランドとはまったく違う切り口とノリで描かれている映画なんだけど、演出の鋭すぎるセンスには共通点を感じたかも。
あの、月の地をはじめて踏むときのカメラ…演出…音…… ヤバい。ほんと。鳥肌たったもん
LAMB

アイスランドの田舎で暮らす羊飼いの夫婦が奇妙な生物を取り上げた。
羊から生まれたにもかかわらず人間の胴体を持つ生命。
アダと名付けられたそれに、夫婦たちは狂わされていく。

#horror #thriller
期待してたんだけど、若干肩透かしだった作品。
好きな人はきっと好きだと思うんだけど、私にはちょっとテンポとカタルシスが足りなかった…

ありえんくらいアダかわいすぎる。そりゃみんな狂う。
しかも最後までアダ自体は純粋無垢でかわいいままだからね。
正直「アダ自体が実はとんでもない生命体で…」みたいなのを期待してたんだけど、そういう裏切りは全くなかったし、アダはパーンの子供で結局生まれた場所に連れ戻されてしまう。畳む

そのラストにいたるまでの「ひねり」があまりになさすぎて、ずっと平坦な一本道を歩かされて終わっちゃったなあ~っていう印象。
トレーラーの不気味さがピークだったかも。
アラジン

「アラジンと魔法のランプ」をコミカルに映した、1992年公開映画「アラジン」の実写化。
面白かったなーー!!!!ディズニーの実写化作品ではダントツの1番なんじゃない?
#fantasy #musical #romance

基本的にはストーリーをそのまま踏襲しつつも、もっとポップで豊かで世界の広がる良改変の数々。
あと「アラジンを実写化した時に期待したい美術」をちゃんと繰り出してくるのがいい。具体的に言うと煌びやかでカワイイアラブの街並みや、華やかでエキゾチックな服飾。
「目に楽しい」をとても重視してるのがわかる。とにかく派手でイイ。
リブートされた音楽もステキだった。ヒップホップ調のフレンド・ライク・ミー、みんな好きだろ!!!

ポリコレ大地獄時代のディズニー作品のひとつであるので、この「実写アラジン」も例に漏れずジャスミンの在り方にフォーカスされてる部分があったりするんだけど、上手い範疇に収まってるんじゃないかな。

全体的にコメディタッチに描かれてるんだけど、それが「アラジン」のもともと持ってるテクスチャーに合ってて、違和感のない作品になってると思う。良かった。
まあ私はそれでも美女と野獣の方が好きだったんやけれど。
リトル・マーメイド

童話・人魚姫をディズニーらしい視点で再構成した名作、「リトル・マーメイド」の実写作品。
黒人がアリエルを演じることで話題になった本作。映画館で観ましたよ。
先に言うと私はこの実写版リトルマーメイド、許容派です。

まずハリーベイリーの歌声は本当に素晴らしい。
歌うとマジで彼女がアリエルにしか見えなくなる。これ本当。
歌声で選んだ…?ほんとぉ~?と穿ってたけど、実際それだけの実力は確かだと思ったし、あの「歌い出すとアリエルにしか見えなくなるマジック」を確かめるためにこの作品を観てほしいはあるかも。

反面歌ってない時は全然アリエルには見えない…っていう意見もとてもわかる。表情が硬いのも相まって。
喋れないアリエルは愛嬌がわりと命なのに、その愛嬌を演じるのが下手なので、余計アリエルに見えないんだよね。
ここを吹き飛ばすにはやっぱり白人で素直に実写化すべきだというのも最もなところで。

けど私がこの実写版リトルマーメイドを評価してるのは、総合的には「黒人でなきゃこの実写版は新訳リトルマーメイドたりえなかった」ってちゃんと思えたところにあります。

エリックやトリトンのバックボーンがかなり補足されてるんだけど、互いの世界が互いの世界に対して偏見を抱いていて、エリックとアリエルの働きかけによってふたつの世界が一つになるって言う話が原作よりももっと強化された改変になってるんだよね。
だからこそエリックを白人の俳優さんが、アリエルを黒人の女優さんが演じることへの暗喩的な意味づけがあって、そこで私は個人的に「いいじゃん」ってなった。
改変によってうまく配役部分のメタ的な理由とストーリーが作用しあってるように感じたから、美女と野獣にあったような「とりあえず黒人やLGBTキャラねじこむ」という雑さが解消されているように思えて好感を持てた。

アニメ版のリトルマーメイドで言われ続けてきた問題のひとつに、
「どうして人間のエリックは何も捨てずに済んで、アリエルはヒレも海の世界も家族も多くのものを捨てなきゃいけないのか」ってのがあって。
大幅なエンディングの演出改変にも、その辺の問題をすごく意識してるなと感じた。
エリックとアリエルが海原に漕ぎ出してエンドっていう演出は、そのあたりがもっとグラデーション化した表現になっていたなって。
「次のコーラルムーンにはまたやってくる」ってセリフもアリエルが決して捨てているわけではないってことの表現だよね。畳む


とても気を遣って実写化してるのがよく伝わってきた。
黒人を主人公に据えることによる、「カリブ海舞台」っていう改変も私は好きだった。
時代背景をおもうと違和は拭えないって言うのもまああるんだけど、単純にカリブ海らしいテイストの市場のビジュアルはアニメ版とはまた違ったワクワクがあった。

「白人を主人公にしてたらもっと興行収入は取れた」っていうのは…残念ながら事実だと思うんだけど…でも私は「新訳」としてこの世に打ち出された「実写版リトル・マーメイド」を評価したいなあ。
#musical #fantasy #romance
私の頭の中の消しゴム

無邪気な社長令嬢は、建築家志望の孤独な青年と恋に落ち結婚する。
幸せな日々を過ごすが、彼女は若年性アルツハイマーを発病。
病魔は彼女の記憶とともに、幸せな日々もむしばんでいく。

超・有名韓国映画。教養として観るかと思って鑑賞したんだけど、やっぱ良かったね。
#romance #drama
「私の頭の中には消しゴムがあるの」はとてもとても有名なセリフで、この映画が初出なんだけれど、若年性アルツハイマーの恐怖をロマンスの美しさでくるみつつ描いてて、実際泣ける。

泣けるんだけど、ヒロインが妻子持ちと不倫してたっていう導入に若干の引っ掛かりを覚えてしまう…!気にしすぎ!?
あと実際にアルツハイマーにかかわる人たちからしてみると「美化しすぎ」とかあったりするのかな、なんて思ったり。
2004年の作品だから、現代的価値観で見ると若干の危なっかしさも感じたりしたかな。

それでも泣けることには変わりない…。名シーンいっぱいある。
ヒロインがどんどん記憶を忘れてしまうことを取り上げて「毎日恋ができる」って返すヒーローのセリフにはやっぱりときめくし、
「許すには、憎しみにひとつ心の部屋を与える」…これも名セリフだぁ~!!
返校 言葉が消えた日

大ヒットホラーゲーム「返校」実写化作品。
戒厳令下の台湾、白色テロに翻弄される高校生たちの悲劇の物語を描く。

ゲーム版の「返校」が大好きで鑑賞したんだけど、やっぱゲーム版かな、の印象はぬぐえなかった。
#horror #thriller
初見だと少々説明不足に感じるし、ホラーとしての演出がむしろノイズになってしまう部分さえあったり。
原作のポエティックな雰囲気が好きなので、終盤の展開はウーンと思うところもなくはないけど、映画として盛り上げどころを作るならまあベターな落とし所なのかなという感じ。

ゲームが名作なので、映画版のストーリーもとても良かった…とは思う。勉強にもなるしね。
一見とっつきづらそうに感じる舞台設定を、ロマンスに落とし込んでわかりやすくしてるシナリオも大好き。
でも触れるなら絶対ゲーム版がいいと思います。マジの名作です。
エクストリーム・ジョブ

韓国。犯罪組織の麻薬密輸情報を入手した麻薬取締班の主人公たちは、潜伏操作のためにアジトの前にあるチキン屋を買い取ることに!
しかし意外な才能を秘めていた主人公たちの評判は瞬く間に広がり、チキン屋はまさかの大評判となってしまい…!?

麻薬捜査班がチキン屋を営業するというめっちゃオモロイあらすじのコメディ。
#comedy #action
私は普段絶対観ないジャンルのものだったんだけど、友人と一緒に鑑賞。

韓国はコメディ映画もできちゃうんだねえ!
アジア映画だからかギャグのノリが日本人の感性にも合ってシンプルに笑えた。これはアジア映画ならではの利点。
チキンもめちゃめちゃ美味そう。お肉食べたくなる。
欠点を挙げるとしたらもっとチキンパート欲しかった。後半は乱闘ドタバタアクションがメインになっていくので、もっとお店でのてんやわんやや美味そうなチキンが見たかったかな…。
乱闘部分はおそらく少林サッカーもパロっていて、全体的にくだらなくてとても良い。
シャッターアイランド

孤島シャッターアイランドには、精神を患った犯罪者を収容する病院がある。
とある女性患者が病院から姿を消してしまったという話を聞きつけ連邦保安官の主人公が捜査のために島を訪れるが…。

何も知らずに観たんだけど面白すぎてひっくり返った。名作やんけ!!!!!
#drama #suspense

謎の根幹がかなり肝要になってくる映画なので「何も知らずに視聴する」がベストなんだけど、ある程度知っちゃっててもわりと楽しいかも。っていうのは、わりと「主人公や島に隠された秘密」には、観ていくうちに自然と辿り着ける構想になっているから。
ここの「衝撃の秘密」も勿論面白いんだけど、この映画を名作たらしめているのは本当にラストの3分くらいで最後に主人公が残す驚愕のセリフにあるかなと思ってる。

これはあとで知った話だけど、「シャッターアイランド」という単語自体がアナグラムになっていて、作品の秘密を示唆しているらしい。作りが細かい!
この作品の中で扱われている最大級のテーマ、おぞましい技術は、実際にあったんだなあ…と、人間の業にまで唸らせられてしまった。
生きている

ゾンビパンデミックが起こってしまった韓国・ソウル。
ゲームオタクの主人公はマンションの部屋に閉じこもり、わずかな情報を使って生き残りサバイバルをはじめる。

#horror #action #survival
それなりにおもしろかった。
「マンションで籠城するゾンビ映画」がテーマになってて、SNSや現代テクノロジーを使ってなんやかんやする展開がこの映画のウリ。
ゾンビ映画としてはだいぶこじんまりしてるけど、そのぶん現実的に仕上がってると思った。
暇な日にサラッと観るにはいいかんじのゾンビ映画。

籠城ものの割に主人公とヒロインが最後までずっと綺麗なので、せめて無精髭生やしたりすこしビジュアルの荒れで日数の経過を表現してほしかった…笑
呪詛

かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けた主人公。
そして6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、彼女は手段をとらぬ行動に出ていくことになる。

台湾製のホラー映画。ネトフリ限定配信となっています。

終始ハンドカメラを使ったモキュメンタリー構成になっているのだけど、これが観客まで巻き込んでくる構成と見事にリンクしていてすごい…!!ほんとにめっちゃ怖かったし震えあがった…。
台湾製だからビジュアルがアジアンテイストで、日本人の持つ原始的恐怖にも共鳴すると思う。
ずっと息つく暇がない怖さだし、嫌悪感と悍ましさ・ある種の畏怖を想起させる美術は素晴らしい。
「怖い」ホラーはたくさんあるけど「悍ましい、触れたくない、知りたくなかった」って思わせるものは久々に出会ったので、大興奮の一作だった。
#horror
整形水

外見にコンプレックスがあった女は、「整形水」という不思議な液体を入手する。
それは自由に容姿を変えることができる奇跡の水だった。
そして女は、誰もが驚くような美女に変貌する。

美に執着して狂っていく女を描いた作品。
#anime #horror #suspense
ビジュアルがいいなーと思って観始めたんだけど、正直そこまでだったかな…。

昔なつかしの「週刊ストーリーランド」で放映される一コーナーを頑張って1時間半に伸ばしたみたいな映画。
あらすじから「女の歪み」を期待したのだけど、予想外の方向性に話が転がっていった。これを評価するかどうかは個人の趣向によると思うが、私は「そ、そっちか~」になってしまった…。
もっとルッキズム問題を膨らませて話を展開していけば評価も変わったろうに、単なるホラーで終わってしまったところも残念ポイントだった。
ラ・ラ・ランド

女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る主人公。
一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを演奏したいという夢を抱く男。
ひょんなことで出会った2人は恋に落ち、そして互いの抱く夢を追いかける

めちゃめちゃ評価されてる名作ミュージカル。超良かった…。
#musical #romance #drama
まずミュージカルパートの質があまりに高すぎる。ハイセンスなビジュアル、心が浮き立つ音楽の数々!
どのミュージカルシーンも必見なんだけど、中盤にある、カットなしの長回しで撮られたタップダンスシーンは見事のひとこと。

ストーリーもすごくいい。
一見ラブロマンス作品なんだけど、この映画のテーマは夢を追う人の物語
葛藤、諦め、切なさが美しいメロディとダンスの中にたっぷり盛り込まれている。
夢のために捨ててはいけないもの、捨てなければいけないもの
最終的にふたりは、恋と夢、どちらを取るかの決断を迫られる。

このほろ苦いラストも輝きをはなっている。
きっと「夢を追いかけたことのある人」になら、ラスト10分の「if」は響くと思う。
そしてもう1度この映画を鑑賞した時、冒頭の渋滞した高速道路で繰り広げられる歌の歌詞に共感するに違いない!
本当に観てよかった………。
A.I.

人間の仕事をロボットがこなす時代に生まれた、愛の感情を組み込まれた少年型ロボット。
人間の夫婦のもとで暮らしていた彼だったが、あるきっかけで捨てられてしまう
愛情の行き場を失った少年は、失意のうちに旅に出る。

なんか昔好きだったな…という記憶とともに鑑賞したんだけど、やっぱよかった。
これも救われなくて悲しくて、ある種の鬱映画ではあるよね。
#SF #drama #fantasy

ピノキオなどの童話をイメージして作られた作品とか聞いたことがあるんだけど、確かに童話的。
でも溜息出ちゃうくらい悲劇。結局主人公のデイビッドは救われたのか。あれが本当に救いだったのか…
どんな人がひどい目に遭ってもシコれるけど、無垢なものがひたむきに頑張っても報われない姿はさすがに心に来る。

久々に鑑賞してみると、「スッゲー辛くてキツイシーン」がジゴロ・ジョーの存在によってちょいちょい味変されているのを感じてよかった。
魔法にかけられて

いじわるな女王に井戸に突き落とされてしまったプリンセス。
その井戸はなんと現代のニューヨークに繋がっており、彼女は妻のいない弁護士とその娘と奇妙な生活を営むことになる…!

普段絶対観ないジャンルの作品なんだけど勧められて視聴。
結論から言うと本当に観てよかった。ディズニーで1番好きかも…。

アニメパートと実写パートの融合の見事さはさることながら、「ディズニーがプリンセスものでやりがちなお約束」を自らギャグとしてパロるシーンも満載で笑え、ファンタジーと現代を皮肉りつつも同時に賛歌までしちゃうというマジの高等技術。
美術は隅々まで凝って美しくてハッピー。

何よりストーリーが良すぎる
夢見がちな少女(ファンタジーの住人)と、現実に疲れた弁護士(現実の住人)が互いを想うようになるにつれて、ふたりがファンタジーに、現実に向かって歩み寄っていく。
それが演技やストーリーだけじゃなくて音楽や美術面でも表現されてるのが本当に素晴らしくて、けれどふたりにはそれぞれファンタジー世界に残した王子様と、現実で再婚を検討していた恋人がいて……その切なさについ泣けてしまう。

アニメパートと実写パートがある映画というのは知ってたんだけど、ちゃんと「そう表現しなければならない」ことに意味が強くあって、現実に生きる人たちと、紡がれてきたファンタジーの伝統をどちらもとても大切にしている。
神映画でした。いろんな人に見てほしい…
#comedy #romance #musical #anime #fantasy
ターミナル

ニューヨークの国際空港。母国クラコウジアからやってきた男はニューヨークに降り立つ直前に足止めされてしまう。なんとクラコウジア政府がクーデターのために事実上消滅してしまったというのだ。
入国ビザは取り消し、戻ることも進むこともできない。
男は国際空港で寝泊まりしながらも、持ち前の人徳で空港の人々と交流を持つようになっていく。

め~~ちゃ好きな作品。ラストはちょっとの苦みがあるけど、総合してハッピーなロマンスコメディ。
#romance #comedy #drama

クラコウジアの通貨も使えなくなっちゃうもんで、四苦八苦しながら工夫して空港内でなんとか食を得ようとするんだけど、その工夫がめっちゃ楽しい。
ベッドも空港にあるわけなんかなくて、待合室の長椅子をくっつけて勝手にベッドにして寝るんだけど、そういう生活になんかちょっと奇妙な憧れを抱いちゃう。
持ち前の明るさと優しさで主人公はどんどん従業員の人と仲良くなっていって、やがて恋をするのだけど、彼女を振り向かせるために従業員と協力して、ありあわせのシチュエーションを作って…って、そういう「あるものをなんとかそれっぽく繋ぎ合わせて工夫して良いものにしていく」姿が、素朴だけどなんかイイなって感じるんだよね。

空港の人たちにもどんどん愛着がわいて、ただの空港がなんかステキな場所に思えちゃう。
すべてが上手くはいかないこともあるんだけど、でもこんな愛嬌のある主人公ならきっとこれからも素敵な人生を送れちゃうんだろうなって思える、ハートフルで優しい映画。

清掃員たちが一流のコンシェルジュに扮してヒロインをおもてなしするシーンがあるんだけど、あそこがもうめ~~~~~~ちゃ子供の頃から好き…。
パラサイト 半地下の家族

韓国。キム一家が暮らしているのは半地下の貧乏アパート。
糊口をしのぐ生活を送る底辺家族の息子はひょんなことから上流一家・パク家の家庭教師として忍び込む機会を得る。
味を占めた彼らは悪知恵を働かせて次々に雇用人としてパク家に”パラサイト(寄生)”していく…!

本当の傑作。マジで見たほうがいい。
ジャンルとしてはブラックコメディ。けどスリラー要素満載、かつ社会派の側面も併せ持つ作品でもある。
#comedy #thriller #drama

韓国は実はかなり傑作の多い国で、今キテる国として評判だったりもする。
パラサイトはまさにその筆頭!
コメディチックな前半部から急転直下、スリラー映画に変貌する予想もつかない展開!それがシームレスに続き、「パラサイト」にしかない独特のジャンルを形成しています。マジで面白い。
あまりに高すぎるエンタメ性と同時に、韓国における格差にまで切り込んじゃう。そらカンヌ獲りますわな。

パラサイトは「本当に面白い映画」なので、ぜひ2回は視聴してほしい。
ていうのも画づくりでも妥協してないことが2回目だとよくわかるんすよね。
たとえば「貧乏一家のキム」と「上流一家のパク」との間には絶対に隔たりができるようにカメラワークされていたりする。ガラスの壁とか柱によってね。
「パク家は下から上」「キム家は上から下」に映すように撮られていたりして、これも明確に「格差表現」として作用してたりする。マジでエグい。

もちろん「貧困層」は、それそのものはキツい存在ではあるんだけど、貧困社会の中で生きるキム家をあくまで笑える存在として描いている。けれど後半では「努力などではどうしようもない、生まれついての隔たり」をありありと見せつける。
最初がコメディなのでぬるっと乗せられちゃうんだよね。けどその乗ったジェットコースターって「衝撃的なスリラー的結末」に帰結してるわけで。

本当に観てほしい。観てー!!!観てみてみてみてみてみてみー!!!!!
プラットフォーム

目覚めると、巨大な穴が空いた部屋の中にいた。
そこは塔になっていて、上の階層から順に食事が“プラットフォーム”と呼ばれる台座に乗って運ばれてくる。食事は上からの残飯を摂るしかない。
奇妙で出口のない塔を舞台に繰り広げられる、ワンシチュエーションホラー。

不思議な設定に惹かれて鑑賞。
#horror #SF #survival
面白い部分も多々あったんだけど、もっとやれたのではないか?という印象が拭いきれなかった映画。

謎だらけの「プラットフォーム」はミステリアスな魅力に満ちていて、そこに乗った残飯のあまりの不味そうさ・気持ち悪さも百点満点。
ただ緩急に富んでいる映画ではなくて、最後まで淡々と描かれ、そして多くの謎もさして解明されることなく終わってしまう。

どうやらこの作品はキリスト教をモチーフにしてるらしくて、神話と環境問題を暗喩した作品のようなんだけど、それを後で調べて知ったところで「へーそうなんや」以上の感想が見込めないっていうのがちょっとな…。
映画自体が設定の魅力を最大限活かしきれないまま終わっちゃってる印象なので、そこに隠された意味を知って再鑑賞してもそこまで「こういうことだったのか!」っていう気持ちよさが得られないんだよね。
ただこれは私が日本人だからかもしれない。キリスト教圏の人からしたらもっとこの映画は深い作品に映るんだろうか…?
ペット 檻の中の乙女

動物保護センターに勤める男。ある日同級生の女性を見かけて気にするように。
しかし相手にされず、彼は彼女をつけ回し、ついには誘拐・監禁してしまう。
だが囚われた女性の方も黙ってはおらず、思わぬ反撃に出ていく…!

#horror #suspense #thriller
エロい同人誌だった。(は?)
一見ヤバい男に翻弄される女の物語かと思ったら女の方がむしろヤバかったみたいな映画。

最初は女視点で鑑賞していくことになるけど、やがて男に同情してしまう。
まさかの展開に裏切られる監禁スリラーで、結構面白かったです。
新感染 ファイナル・エクスプレス

韓国の各地でゾンビパンデミックが発生。そんな中、ソウルからプサンへ向かう高速鉄道の車内でもパンデミックが勃発。
ゾンビと化した乗客。時速300キロ以上で移動する「密室」が、乗客たちの生き残りをかけた戦場と化す。

バカみたいな邦題から繰り出されるマジモンの傑作
私は名作とされてるゾンビ映画のすべてを観たわけではないんだけど、でもこの「新感染」はその最高峰に位置してる作品なのではないかと思ってる。

何も、衝撃的な展開や他にはないものがあるわけじゃないんだけど、すべてが及第点以上っていうのがこの映画の秀才なところ。
派手に散らかるゾンビ!カッコいい男たち!!守られる女!!余計なことしかしない迷惑なオジさん!!!
「ゾンビ映画」に求める全てが新感染にはある。マジで超面白い。大好き

「父子」に焦点を当てたストーリーも良い。王道ド真ん中のことしかやってないんだけど泣ける。王道ってだからいいんだよなって思わせられる。
ラスト、生き残った乗客が自分たちは感染していないということを証明しなければならない場面があるんだけど、その方法も……。もう……ハァ~~~~~~~~~~~~~~~~~……………

私ってこれから先、新感染より面白いゾンビ映画に出会えるのかな…………。
#action #survival #horror
ノートルダムの鐘

15世紀パリ。ノートルダム大聖堂の鐘楼には心優しくも醜いカジモドという鐘つき男が住んでいた。
年に1度のお祭りに惹かれ外界に姿を現したカジモドは、美しいジプシー・エスメラルダと出会う。

ディズニーの名作の一柱。「ディズニールネサンス」と呼ばれる、いわゆる黄金期のディズニーの作品の中ではちょっと影に隠れがちな映画になると思うんだけど、とても面白い。
子供の頃見たことがあったんだけど、ちゃんと覚えてなかったので、アマプラでレンタルして鑑賞。
#anime #drama #musical

フロローってこんなにキモエロかったの?!!?
一部で狂信的な支持を得ているフロローだけど、確かにこういうタイプのヴィランってディズニーにはめちゃくちゃレアな存在だよな…。
エロかったな…。何もフロローだけじゃなくて、なんかノートルダム全体が… エロかったな…。

恋を成就させないっていうのもレアなラストだよね。
当時別件のBLにハマっていて、そのBLCPとエスメラルダ&フロローの感情のやりとりがあまりにも似ていたので、「俺たちのBLCPじゃん!!!!」てフォロワーと一緒に騒ぎながら鑑賞した覚えがあります。
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