movie memo

映画感想を載せる場所

最後まで行く

ヤクザから裏金を受け取っていた刑事の主人公。
危篤の母のもとに急いでいたが、その途中で車の前に現れたひとりの男をはねてしまう。
慌てた主人公は遺体をトランクに入れて立ち去り事故の隠ぺいを試みる。
しかしその事故はさらに大きな事態に繋がっており、主人公は数奇な事態に巻き込まれていくことになる。

クソバカギャグクライムスットコサスペンス映画。
#crime #suspense
コメディタグつけようか迷うくらいスットコお笑い映画だった。
不運が積み重なってギャグみたいな展開になっていくのとか、演出の感じとか、邦画っぽくないノリの映画だなーと思ったら韓国映画のリメイク作品らしい。納得

岡田准一が巻き込まれていく事件の渦中に存在している綾野剛という別のライバル刑事がいるんだけど、こいつがマジでめっちゃエロい。いいんか?そんなことして
あんまり語りすぎるとネタバレになっちゃうんだけど、このふたり・岡田准一と綾野剛のバチバチ珍道中がめっちゃ面白くて、コミカルでわかりやすく簡単でサクっと観れて、あとエロくて、あんま期待せずに観たけど面白かったな……
あと俳優さんめっちゃ豪華。観たことある人ばっかり出てて気合入ってたなぁ~


「最後まで行く」ってタイトルも超いい!!出し方もオシャレだなぁ~~!!!
俺も最後まで行きてぇ~~~~~~~~~ッッ!!!!!!!!
デビルマン

永井豪作の名作コミック「デビルマン」実写化。
高校生、不動明はデーモンのひとりに身体に侵入され、精神は人間のままのデビルマンになってしまう。デーモン軍団とデビルマンの戦争の結末は?

ついに観ましたよ!あの伝説のクソ映画・デビルマン!!
#action #fantasy #thriller
結論から言うと思ってたよりはずっと楽しめたけど、ハードル下げに下げきってたからかもしれないし、友人とガヤガヤ観たからかもしれない…。わからない…。

私は原作未読なので、原作ファンからしたら怒られるようなことを言っているかもしれないけど、ストーリーからは一応原作をなぞろうという気概はそれなりに感じた。
骨子で描きたいところもまあ伝わってきたし、CGもすごいしね。最後のシーンは普通におおっ!てなったな

ただそれにしてもあまりにもツッコミどころが多すぎるし、ギャグみたいなシーンも満載すぎる。謎すぎるガンアクション、急に沸いて出る謎のトリプルデブ…あれは真面目に脚本書いてたんかな…?
稲刈りで腕まくりしたせいでデビルマンであることがヒロインの父にバレるシーン、さすがにバカすぎて爆笑してしまった

でもそんなところよりとにかく言いたいのは主演の演技下手くそってレベルじゃないだろってこと!
普段良質な映画に触れているといちいち俳優陣の演技の上手さなんて気にしないんだけど(気にならないぐらい自然に上手いから)この映画は本当に本当に本当にひどくて、演技力ってマジで大事なんだなって痛感した…。
滑舌も悪くて何言ってるかわかんないシーンたくさんあったし。聞き取れないほどの滑舌の悪さでなんでOKテイク出しちゃったんだよ!
主演より子役の方が演技上手かったな…って思ったけど、子役さん、染谷将太だったらしい。納得


けどストーリー自体はわからんでもないだけに、「ドラクエユアストーリーズ」よりはずっとましだなあと思った。
この映画は「笑える」という一点で「ちょっと観てみてよ」って他人に言えるクソ映画だけど、ドラクエユアストーリーズは怒りがわいてくる本物のクソ映画だからな…
ノイズ

過疎化に苦しむ猪狩島。そこに住む青年・圭太が生産を始めた黒イチジクが高く評価されたことで、国からの交付金支給がほぼ決まり、島民たちは喜んでいた。
しかし、殺人鬼である小御坂が島に迷い込み、揉み合いの末に誤って彼を殺してしまったことから、彼らの日常は一変。
圭太と幼なじみの純、真一郎の3人は、小御坂の死体を隠し、事件の隠ぺいを試みるが…。

評判がめちゃめちゃいい映画ではないことは知っていたので、ハードル下げて鑑賞したんだけど、それが功を奏したのかなかなか楽しめました #suspense #thriller

何より幼馴染三人組が藤原竜也・松山ケンイチ・神木隆之介という布陣。ヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネじゃん。
これだけでもうめっちゃありがたいし、それ以外の俳優さんの演技も素晴らしかったよねえ!!

あと個人的な趣味になっちゃうかもなんだけど、全体的なカメラワークや間の取り方、静かな描き方がすごい好みで、目と耳に非常に嬉しい映画だった。
そういった土台が好みだったおかげで、多少アラのあるストーリーもだいぶ楽しめて観れた…ってとこはだいぶあったかも。

ストーリーに関してはもう徹頭徹尾「いや自首しろや!」に尽きる。
でもしないからどんどん旗色が悪くなってって、雪だるま式に最悪の展開になっていく。
まあこれこそがこの映画の魅力だと思うので、最初の「自首しろや!」を飲み込んで観れるかどうかが、この映画を楽しめる最大の分岐点になってると思う。
数学の公式と一緒で「この映画ではそういうモンなのね」で飲み込んだ方がイイ。

ラストの展開もちょっとしたどんでん返しになっててなかなか楽しかった。結構読める展開ではあるけど……


改変しない方が良くない?とも言われてる作品らしいので、原作も読んでみたいなー
愛の流刑地

不倫の果てに女性を絞殺した男が逮捕された。男は恋愛小説の旗手として注目された名匠の作家。
愛しているから殺した」と語る男。事件を担当する女性検事は、男の言葉に困惑しながらも真相を探っていく。

平井堅の「エレジー」がめちゃくちゃ好きな曲なので、映画の方も観るかと思って鑑賞。 #romance
めちゃくちゃエロかったな…視覚的にも、テーマ的にも…

すっごい平たく言うと「禁断の恋にどんどん溺れていく男女」の話。
女は夫に満足しておらず、不倫相手の男に愛されることに無上のエクスタシーを感じ、ついには「殺して」とうそぶいてしまう。
その要求を飲み絞殺してしまう男。まあもうこのあらすじがめっちゃエロい
こういう話大好き。こういう同人誌描きたい

ただ、きわめて情緒的な作品であるからして、描いているその愛の形に没入するためにも、他のディテールをもうちょいこだわってほしかったな…みたいな思いがある。
意図的に子供の存在をまあまあ無視してるのは全然いいんだけど、小物が安っぽいなあとか、演出がダサいなあとか、配役合ってないなあ…みたいな、あちこちに散らばってるノイズが結構気になってしまった。
検事の人(長谷川京子)演技へたすぎ😭 美人でエロくて嬉しいけど

そのへんのチープさが原因でどうしても「映画っていうか、2時間特番ドラマ見てる気分」に陥ってしまって、「上質な文学を観たなあ」って感覚にはなれなかったのがだいぶ敗因と感じた…。ほんとはこの映画が目指すべきところってそこだと思うんだけども。

けど、ラストのエレジーの入り方はもう120点。
ヒロイン(寺島しのぶ)のおわら踊りで締めるとこも最高。
黄龍の村

キャンプ場へ向かう若者たち。その道中、電話も繋がらない山中で車がパンクしてしまう。一行が辿り着いたのは、山奥に佇む不気味な村。
奇妙な村で、狂気の集団と若者たちの間に惨劇が巻き起こる。

バカなB級ホラー。面白かった…
はじめこそ「アホなパリピ集団が偶然因習村に迷い込んで成すすべもなく殺されていく」みたいな感じの導入なんだけど、後半から毛色が180度変わってマジでよかった。
#horror #action

パリピ組は全員因習村勢に惨殺されちゃうんだけど、彼らに微妙にハブられてたギーク組が実は因習村に復讐を誓った精鋭たちで、逆に因習村の人々が彼らに惨殺されていく…ていうのが本作のトロの部分になっている。

アクションがまたいいんだよね!!明らかに「ギャグホラー」として笑わせに来てるんだけど、アクションが普通に質良すぎて…。私あまりアクションに興味ないんだけど全然見入っちゃったもんな

スタッフロールのオチも面白すぎる。おびんたわら様仲間にしてる時点で既にめっちゃ面白いんだけど、「犯人どんな味すんのかなぁ?」で声出して笑ってしまったわ畳む


B級ホラーでこんなに笑ったの無かったかも…。めっちゃ好きな作品だった黄龍の村
興味ある人は絶対スタッフロールのラストまで観てほしい!!
キャラクター

人間味あるキャラクターを生み出せず苦心している漫画家の卵の主人公。
ある日彼は偶然殺人事件現場に遭遇し、そこで犯人の顔を目撃する。
犯人の姿をもとに漫画を生み出した主人公は人気漫画家となるが、それを機に、彼は危険な事態に巻き込まれていく…

面白かった~~~~!!!!!私の視聴履歴を参照したネトフリがあまりに執拗におすすめ欄に表示してくるからどれと思って鑑賞したんだけど、良かった…。やるじゃん、ネトフリ
#suspense #thriller

筋書きの面白さもさることながら、「漫画家の苦悩」にもしっかり焦点を合わせていて、創作オタクやってると時々いい意味で耳が痛くなる。
なんと殺人鬼役をセカオワのFukaseが演じてるんだけどこれもなかなかどうしてハマってるんだよね。
まさかの人物の退場やどんでん返しなど、予測もつかない展開にはハラハラさせられっぱなし!スゲー良かった。
掛け値なしに、この手の邦画だとトップクラスに面白いんでは?

1点だけ、ラストの犯人の動機や謎だけちょっと投げっぱなしのまま終わっちゃった感があって残念だったんだけど、まあテーマを考えればまったくチンプンカンプンのまま終わってしまってるわけでもないと感じる。

要は犯人の両角は戸籍も持たない、「誰でもない存在」であったからこそ、主人公によって「ダガー」という人格(キャラクター)を定義されたことが嬉しかったんだろう。
けど逮捕されて何もかも終わってしまったことで再び彼は己のキャラを失ってしまう。

最後の演出は「ダガーというキャラを受け継いだ主人公が犯行をたくらむ音」だという考察も見たけど、その考え方は私はちょっとな…。
だって主人公がキャラクターを継承する意味ないやん。主人公には主人公という名の「キャラ」があるんだから。

(追記)
って、観てすぐの時は思ったんだけど、沖田遊戯のキャラクター感想動画観て考えちょっと変わったかも…。
「すべての人は何かに影響されていて、己の確固たるキャラクターなんてものは存在しない」…なるほどなぁ~~~!!!!!

この理屈でいうと主人公がダガーになっちゃうっていうのもわかるかも。両角に影響されたってことか。
さすが沖田遊戯、映画にあまりに詳しいっ…!畳む


とにかく面白かった作品であることに変わりはない。楽しかった~~!!
死刑にいたる病

パン屋を営んでいた店主が連続殺人犯として死刑を宣告された。
その常連であった大学生の主人公は、彼の言う「起訴されたうちの最後の事件は冤罪である」という主張の真相を確かめるため、事件の調査にのめりこむようになっていく。

面白かったぁ~~~~~~!!!!!!うわさの死刑にいたる病!さすがにヒットしてただけあるな…。
途中までは真相を予想しながらハラハラし、死刑囚である榛村の言動にドキドキし、彼に狂わされていく周囲の人間にソワソワし…とあれこれ思いを巡らせながら鑑賞し、オチの付け方のエロさに嬉しくて、泣いた……。

正直途中で考えてた予想が全然めちゃくちゃ当たってたことへのガッカリ感もあったんだけど、それを補って余りあるエロさで…なんか…肩透かし感、全然…飛んだな…。
肩透かしというても「わりと予想できる範疇」ではあると思うし。

結局全部榛村の暇つぶしでした」てオチはだいぶ予想できるよね。できるんじゃないかな
さすがに死刑囚榛村なんでもできすぎて、スーパー殺人鬼すぎるだろ!というツッコミはあったんだけど…まあエンタメの範疇かな~!
道中でできた大学の彼女も榛村の魔の手が及んでたってオチはやりすぎちゃうんか?て思ったけど、
でも…でもあのオチめっちゃエロいし……あんなふうに落としたくなる気持ちもわかるから、四捨五入で許した。畳む


それに阿部サダヲの演じるサイコ殺人鬼めっちゃよかったしね。よかったから許した。
クリーピーの時の香川照之に感動したのに、映画自体の構成が尻すぼみすぎて悲しくなった当時の自分が、阿部サダヲの貫徹されたサイコ演技で無事に成仏できた感もあった。
ありがとう、阿部サダヲ
ありがとう、エッチなスリラー映画

「凶悪」の監督さんなんだけど、かなり「凶悪」との共通項があるように感じる。
映画的カタルシスや緩急に欠ける「凶悪」を見直し、もっとエンタメ的に再定義した印象があって、見やすくもあった。
#suspense #thriller #crime
竜とそばかすの姫

幼い頃のトラウマのせいで人前でうまく歌うことができない女子高生。
次世代型SNS「U」の中ではアバターを被ることでかつてのように歌うことができることに気づき、Uにのめり込んでいく。
一方、Uにはユーザーから忌み嫌われる「竜」と呼ばれる人物がいた。
竜と主人公の運命が、Uを通して交差し始める。

面白くない映画として話題の竜そばなんだけど、まあ〜実際よくなかったねえ〜…
#anime #musical #fantasy

良い要素もいっぱいあるんだよね!
主人公すずの歌声は本当に素晴らしくて惹きつけられるし、Uの中の3DCGパートの質は圧巻で、独特のビジュアルセンスもハイクオリティ。
だからこそストーリーのアラがあまりにも目立ちすぎている…。

「竜の正体は何者なのか?」というのを追っていくストーリーラインになってるんだけど、この竜の正体というのも「衝撃の事実!」みたいな感じで明かされる割には「だ…誰?」って強めに肩透かしされちゃうし…。
「Uは何にでもなれる理想郷」って体で演出されるくせにネット民の嫌なところも強烈に押し出してるから「インターネットは現実の肉体にとらわれずにありのままの魂で過ごせる場所」という良点を打ち出したいのか「誹謗中傷・炎上問題」に切り込みたい作品なのかも中途半端。
虐待問題にも半端に踏み込む割に大人や行政が全く役に立たないまま、ただの女子高生にすぎない主人公がなんか気合いとノリで解決しちゃう現実味のなさ。
そこファンタジックに消化しちゃうくらいなら、そういったセンシティブな問題には一切触れない方がよかっただろ。
できないくせに若干社会派ぶっている。

あとなんか全体的に台詞回しが恥ずかしい。
これは表現するのが難しいんだけど、「普通その返ししないだろ」みたいなダサ恥ずかしい浮いたセリフばかりで展開されていくから余計現実味がないんだよね。
アニメ映画だから現実味なんていらなくない?という意見はあるかもしれないんだけど、普通に浮いた文句が気になって没入感に甚大に欠けるのは問題。

「食材は高級で超一流なのに、それでインスタントラーメン作っちゃってる」みたいな違和感がずっと拭えない映画。もったいない
細田守監督、演出力やセンスはあるのだから、脚本やらない方がいいよ…。

中村佳穂さんというとても素敵なアーティストに出会えたことにだけは感謝したい映画。
きさらぎ駅

都市伝説「きさらぎ駅」が映画化!
民俗学を学ぶ主人公は、この世に存在しない駅「きさらぎ駅」から唯一生還したという女のもとを訪ねる。
彼女の話を聞くうち、主人公はきさらぎ駅の謎を解明するため、自らもまたきさらぎ駅に向かうことを決意する…!

どうせ面白くないんだろうなと思いながら観たら予想外に面白かった作品。
#horror
どこまでもB級であることに変わりはないし、CGもしょぼければ怖くもないんだけど、この映画の魅力はそんなところにあるわけではない

あんまりネタバレすると楽しみが薄れるので簡潔にするんだけど、この映画の面白さはきさらぎ駅リアルRTAを行うところにある。
きさらぎ駅から唯一生還したという女の話を聞いた主人公は紆余曲折あって自分も駅に行くことを決意するんだけど、こっからの流れがマジで笑えるし楽しい
つまりこの「きさらぎ駅」という映画は「怖がるために鑑賞する映画」ではなくて、「B級ホラーのくだらなさを笑うために鑑賞すべき映画」なんだよね。

私はホラー映画というのはまっとうに怖くあってほしい人間で、「くだらなくて笑えるホラー」なんて全然求めてないんだけど、このきさらぎ駅はまさかの視点で撮られていて良かった!!これがB級ホラーの楽しみ方ね~~!!
カルト

3人の女性タレントが、ある母娘の除霊をする番組のレポーターを務めることに。
しかしその霊は非常に強力であり、霊能者たちも太刀打ちできない。
そこに現れたのは、最強の霊能者と名高いNEOだった!

悪名高い(?)白石晃士監督作品の心霊ホラー。
#horror
私は正直…全然……全然好きじゃなかったんだけど…これをマジでこよなく愛してる人がいるのもなんとなく理解できる…かな…
「さだかや」の監督だって後で知ってめっちゃ納得した。「そういう肌感覚」の人なんだね。

上述したあらすじでもわかると思うんだけど、そういう感じの映画。オカルトバトルです。
教養としてNEOの存在を知っといてもいいかなとは思うけど、私は好きじゃない……好きじゃないかな……(一生言うやん)
CUBE 一度入ったら、最後

目覚めたら謎の立方体《CUBE》の中だった。
閉じ込められた男女6人。死のトラップ迷宮、ここに出口はあるのか?

1997年にカナダで公開された名作「CUBE」の日本リメイク版。
#horror #thriller

途中まではそんな酷評されるほどの映画でもなくない?って思いながら鑑賞してたけど、丁度1時間鑑賞あたりで「はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~????????????????」になってしまった作品。
なんならそこから先一気に「もういいや…」ってなってシークバー連打しながら見終えた。マジでひどかった

菅田将暉にだけ精神攻撃が用意されてる謎トラップは勿論のこと、
素数ある部屋なのにトラップが発動しないことへの説明も特になくなんかノリだけで進めるし…………畳む


まあ、オリジナルのCUBEも結局●●●●●だけが生き残るっていう(申し訳程度のネタバレ伏せ)オチには現実とキューブの中とのリンクするテーマ性を感じなくもないし、そこを掘り下げたくてこういう構成になったんかなとも思わなくは…ないけど…
でもいる?社会的弱者に対するメッセージ性、そこまで掘り下げる意義ある? CUBEで………CUBEでやる必要…ある…??
そうやって頑張って作ったメッセージ性もなんか…何回も同じこと繰り返しすぎてデロデロに伸びたTシャツみたいになってるし……
みんな、これ観るくらいならオリジナル版のCUBE見よう!
震える舌

破傷風に侵された少女と、それを看病する家族の闘病のようすを、ホラー風にまとめた異色作。
どんなホラーよりも手汗掻いた作品。
何が怖いって破傷風は現実に存在するのが怖いんだよね。こんな恐ろしい病気が現実にあって、自分たちの身にだって降りかかるかもしれない恐怖。
娘が文字通り死ぬほど苦しんでいるのに祈るしかできない絶望。どんどん憔悴していき、仲たがいまで発展してしまう家族の様子には本当に苦しくなった。
医者の偉大さにも感謝したくなるし、外から帰ってきたら絶対手洗おう…って思えます。
#horror #thriller
空白

万引き未遂を起こした、ある中学生の少女が交通事故で亡くなった。
彼女の身の潔白を証明するために暴走していく父と、彼に巻き込まれていくスーパーの店主ら、遺された人間の悲哀が展開されていく。

#suspense #drama
超・信用しているヒメアノ~ルの監督さん!!めっちゃ面白かった…!!!!!

どんよりした鬱映画という体ではじまる本作。実際に中盤まではずっとそうなんだけれど、なぜか思った以上に爽やかな読後感…。ほんとにほんとによかった…。
最初はモンスターペアレントである主人公の父に「ヤバいおっさん」以上の感情を抱けないのだけど、彼も遺されてしまった悲しみを怒りで癒やすしかできない遺族であるということが、終盤に加速していくに向かって伝わってくる。
最終的には、こんなに厳しくて怖くて他責思考の父親が本当に愛おしくなって、これから先の未来の幸せを願いたくなってしまう。

女子中学生の死によって人生をめちゃくちゃにされてしまったスーパーの店主にも事なかれ主義で済ますような悪いところがあって、だけど彼がテキトーに運営してたスーパーが遺してくれた思い出に救われた人もいて、そんな人にやっぱり店主も救われる。
登場人物のみんなに加害者と被害者の側面があって、万華鏡みたいに彼らへの感情が変わっていく。そして最後にはみんなが愛おしくなる……
マジでめっちゃ辛くて悲しい映画だけど、この辛さを乗り越えた先には感動が待ってる。
その感動は決して「悲劇が喜劇に転化する感動」ではなくて、辛いもののすべてが掬われるわけじゃないんだけど、でもなんか悲しい記憶に折り合いを作るために頑張ろうって思える作品。
吉田恵輔監督作品の中で1番好きだ~~~
万引き家族

とても貧乏で、万引きをしないと生きていけないような家族。しかし彼らは幸せだった。
ある日、父は近所で1人の幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れ帰ることに。
そうして日々を過ごすうち、歪な形でつなぎ留められていた家族の形は、やがて瓦解していく。

#drama #crime
友達に「私はもう見たくないけど、ネズはきっと好きだと思う」とオススメされた鬱映画。めっちゃ良かった………好きだ……(鬱映画しか愛せない悲しいウォリアー)

まず「万引きしないと生きていけない」てところにすでに悲哀が詰まってるんだけど、この映画はそれ以外にも「社会の底辺」を至る所で描いているからこそ、一見コメディ的で温かに見える家族の在り方に対する絶望とやるせなさが半端ない。
実は家族は底辺の寄り集まりではなく血の繋がりがない、というところも絶望ポイントで、血は繋がっていなくても家族であることにはかわりないという絆と、確かで小さな愛だって同時に描いているのだけど、けどそんなもんじゃこの世界はどうしようもない。畳む
家族愛や絆じゃこの底辺の世界は変えられないし、なんにもならない。そういう「静かで救われない絶望」がこの映画にはもうむちゃくちゃこめられてて、本当に息が詰まります。
ラストのリリーフランキーで悲しくて胸が張り裂けそうになって鬱勃起したので、よかったです。
プロメア

突然誕生した、炎を操る変異人種。彼らの出現によって全世界の半分は焼失した。
30年後、一部の攻撃的な変異人種は放火テロを繰り返していた。そんな彼らが引き起こす火災を鎮めるべく、対変異人種用の救命消防隊が結成される。
ある日新人隊員ガロは火災現場へと駆けつけ、そこで変異人種組織のリーダーと出会う。

「グレンラガン」「キルラキル」の今石監督作品。
#anime #action #SF

映像の質は文句なしに最高!
ノリにもグレンラガン・キルラキルの血脈がどこまでも感じられる、燃え滾るような熱い(暑苦しい)作品。気合だ!!!!!
設定や世界観もとても面白いし、ガロとリオのバディが軸になったストーリーはカタルシス一杯で、終盤まではかなりのめり込みながら観た。

ただ終盤の展開にちょっとノれなかったかな。あまりにも気合でなんとかしすぎというか…笑
「気合で解決」はプロメア…というか今石監督作品の味なので、別に改善せずにこのまま突っ走ってほしい箇所ではあるんだけど、作品内に点在するアラを「こまけえことはいいんだよ!」で強引に一蹴して終わってしまった感が正直あった。
グレンラガンの時は全然そこは気にならなかったんだけどね。あっちの方がそのあたりはうまく回収してる印象があったかも。
まああっちは2クールアニメだけどこっちは2時間しかないもんね。

クレイエロすぎだった。
シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

1995年に放映された新世紀エヴァンゲリオン
そのリビルトである「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の、待望の完結作。

当たり前に私も「エヴァ」愛好家のひとりです。メンヘラのオタクはエヴァ通るべきだよなあ!?
そのリブート作品であるシンエヴァ!もちろん完走しましたよ!
#anime #action #SF

結論から言うと………寂しかったな……

私はAIRがめちゃくちゃ好きなオタクであったので、あの頃の尖ったエヴァからはあまりにも想像しがたい、優しく、未来のある結末には一抹の寂しさを感じざるを得なかった。
みんなこう思ったよな?「庵野、今は幸せなんだな」…って…

面白かったし、あの結末も私は結構納得してるというか…みんながあの時のような不幸を繰り返さないためには、この結末しかなかったかなって感じている側の人間なんだけど。
でもやっぱAIR…AIRが好きなんだよなぁ~~~~~~~!!!!!!

でも…でもわかるよ。でもシンエヴァ、いいよね…。
本当ならみんなが見たかったはずの展開。ゲンドウVSシンジ!!!
ゲンドウがやっとシンジと向き合って、彼を愛していたのも確かだって伝えられたのが本当にうれしかったし、シンエヴァ観てよかったなって感じた。
でも…

でも寂しかったよ! 俺を置いていくなっ…!庵野っ……!
ぼくは明日、昨日のきみとデートする

美大生である主人公は、大学へ行く電車の中でヒロインに一目惚れ。
勇気を出して声をかけるが、彼女は「また会える?」という言葉に突然泣き出してしまう
やがて2人は付き合い始いはじめるが、彼女には大きな秘密があった。

王道の恋愛映画。
恋愛映画なんだけど、この映画はめちゃくちゃ設定が面白くて、ちょっとSFに近い側面を持っている。
#romance #SF

その設定を語ってしまうと全部ネタバレになっちゃうので伏せるんだけど、
ヒロインと主人公の時間軸が逆に進んでいるんだよね。
主人公は昨日から明日に時間が進んでいる世界の人間だけど、ヒロインは明日から昨日に時間が進んでいる世界の人間。
だから、主人公にとってはヒロインとの日々は「出会い、恋をして付き合って、関係を深めていく日々なのだけど、ヒロインにとっては逆で「深い関係からどんどん距離が遠のいていき、やがて「付き合っていなかった頃の自分たち」に戻り、そして別れの時が来てしまう。畳む


この設定がすごく面白い。あと特性上ぜったい2回視聴したくなっちゃう作品。とても切ない。
とりあえず何も知らずに観てみてほしい。そして観終わったらもう1回観てほしい!

back numberの名曲「ハッピーエンド」はこの映画の主題歌でもある!
一生聴き続けてる
リング

それを見ると、1週間後に死ぬ
巷で相次ぐ突然死に「呪いのビデオ」が関わっているとの噂を信じきれない女性テレビディレクター。
だが姪の死をきっかけに、彼女はビデオに隠された謎を追い始める。

名前は誰でも知ってると思われる超有名ホラー。実は見た事なかったので鑑賞。
#horror #suspense

すごくびっくりしたのが、かの有名な「井戸から貞子が出てくるシーン」がマジのマジのラストだったところ。そんな終盤だったんだ!?
そこにいたるまでのストーリーは心霊ホラーというよりむしろ「ビデオの謎に迫る」という調査部分にフォーカスしたミステリー調になっていて、これもまたすごく驚いた。
想像してたよりずっと硬派で堅実で、練り上げられた緻密なシナリオの上に成り立つ「呪いの恐怖」。
だからこそ井戸から出てくる貞子はホラー界の伝説になったんだということが、鑑賞することでよくわかった。
リングを観ずに井戸から出てくる貞子を語っちゃいけないですね。ホラー好きなら絶対観なきゃだめだ。
本当に良作だった。
すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

ある日すみっコたちは、お気に入りの喫茶店の地下室で、古くなった不思議な絵本をみつける。
絵本に吸い込まれてしまうすみっコたち。 絵本の世界で出会ったのは正体不明のひとりぼっちのひよこ
新しい仲間のために、すみっコたちはひとはだ脱ぐことにする。

一時期大げさなオタク表現で話題になってたすみっコぐらし映画1作目。
#anime #fantasy #kids
圧倒的な優しさの中にある多少のほろ苦さ、すみっコたちがひよこに与えた長い旅路の意味。
たった65分の道程の中に「存在の許容」がたくさん詰まっていて、めちゃくちゃ泣いてしまった…。俺も、すみっコなんだ…

この映画はひよこだけじゃなくて観ている観客のことも、生きとし生ける全ての人を優しく許容している
たとえ影日向でも、太陽の中心にいなくても、ありのままそこにいるだけでいい、そういうメッセージ性が子供向けのガワの中にみっちり込められている。
65分しかないので、誰かに優しくなりたい時にぜひ。
ヒメアノ~ル

清掃会社で働く青年は退屈で孤独な毎日を送っていた。
ある日、同僚から女性への取り次ぎを頼まれた彼は、彼女が働いている職場へと向かう。しかし、彼はそこで高校時代に過酷ないじめを受けていた同級生と再会する。

キュートでシュールなラブコメポップと快楽殺人鬼の猟奇スリラーを反復横跳びする変わった映画
#romance #thriller #comedy #suspense
私はこの作品で吉田恵輔という監督さんを知ったのだけど、このヒメアノ~ルがあまりに性癖に刺さりすぎて、以来一生ついていっています。

このヒメアノ~ル、タイトルコールが中盤部分にあるんだけど、まさにそれが「ラブコメポップ」と「サイコスリラー」の繋ぎ部分であることを意識した作りになっていて、ここのタイトルの演出の2ジャンルの繋ぎ方の妙はその筋のオタクの間では語り草になっている。…と思う。
タイトルコールなのにもかかわらずヒメアノ~ルを象徴するシーン。
勿論そこ以外にも見どころ一杯!!!!

セールスポイントのひとつに殺人鬼役をV6の森田剛が演じているというのがあるんだけど、彼マジで演技うまいっすね…。
全然役柄にひけを取ってないし、いつ暴発するかわからない危険性を見事に演じ切っている。
「殺人鬼ってマジでうまく日常に溶け込んでて、我々もいつ殺されるかわからないんや…」て感じてしまう。

ラブコメパートの癒し枠であるムロツヨシもめちゃいい。彼はラブコメパートの砦をつかさどる存在であるのだけど、そんな彼も加速していくスリラーパートに主人公ごと呑まれていってしまう。
ムロツヨシは吉田監督の後作品である「神は見返りを求める」にも主演で出てるからそっちもぜひ。

私はこの映画版ヒメアノ~ルがあまりに好きすぎて原作も買いました。あの「稲中」の作者さんなんだよね。
正直殺人鬼である森田くんの動機設定からして映画版と漫画版では違いすぎて驚いた。
動機設定は当たり前に漫画版の方が良かったんだけれど、映画版の「エンタメに落とし込むため」に振り切られた設定改変もかなり良かったなあ。どっちも名作
葛城事件

無差別殺傷事件を引き起こした犯人の父親を主人公に、腐心して築き上げた理想の家庭が、ふとしたことから歯車が狂いはじめ、壮絶な崩壊の道を辿っていくさまを鮮烈に描き出した衝撃の家族ドラマ。
概略を人に説明してお勧めすると絶対観てもらえない悲しい好き・映画。まあいいことないからな、この映画に…。
#crime #drama

主人公は通り魔殺人を起こした犯人の父親で、彼は彼なりに真面目に人生に取り組んできた人物なんだけど、これがかなりの昭和おやじで独りよがりなヤツ。
「父親とはこうあるべきだ」という偏った価値観の持ち主で、ナチュラルに男尊女卑をし、一家の大黒柱である自分が家庭内ヒエラルキーのトップに位置すると信じてやまない男。
彼はただ自分の中にある「父親像」に従って生きてきただけなんだけど、それがどれだけほかの家族を苦しめてきたかわかってない。だからこそ彼の息子は強行に走ってしまった。
そんな彼の「過ち」を、ただただ淡々と、盛り上がりもなく描いていく、一生砂利噛み続けるみたいな映画

これが好きで観てほしい、と人に言うと絶対観てもらえないし、ばかりかネズって…みたいな顔をされるので悲しい。いい映画だよ。いい?いいか…?本当に?

なんかこの映画をほっとけない気持ちで見ちゃう一番の要因は、似てるんだよね。この映画の主人公の親父がわたしの父親に。マジで解像度高い。
私の父は老後になってかなり丸くなって、今はかなり良好で改善された関係を築いてるんだけど、ほんとに昔はこんな人だった…。
しみじみ観てしまうし、この嫌すぎる父親にちょっと寄り添いたくなっちゃう…ていう、自分語りも添えつつ。
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー

ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をベースにしたフル3DCGストーリー。
悪い意味で有名な作品。実際………すごかったな……。
#anime #kids #fantasy

ラスト直前までは真面目にドラクエ5を映画化しています。
CGのクオリティもめちゃめちゃ高いし、さすがに長いストーリーをちょっと端折ってTASにしてる感はあるんだけど、普通に楽しんでた。
私はドラクエ5を知らなかったので、親子3代にわたる壮大で魅力的なストーリーはとても興味深く感じたし、ファンが多いのもわかるなあと思いながら鑑賞…してた。
最後の数分までは…。

なんで…なんであんなことしちゃったんだろう!?どうして!?!?!?
ただ素直に映画化するだけでよかったのになんであんな改変入れた!?!?!?!?

その改変っていうのが、ネタバレになるから一応記載は避けるんだけど、単なる改変じゃなくてドラクエファンを否定しているともとれる最悪の改変なのがまずかった。
ドラクエファンがあれを喜ぶと思ってやったんだとしたら、申し訳ないけど監督は若干サイコだと言わざるを得ない…………かな……。
私は同監督の「ジュブナイル」が大好きなだけに、全力否定したくはないんだけど…。

「それ」を描きたいと思った気持ちと気概は評価したいんだけどね。でもドラクエで、というか原作つき作品でやるべきじゃなかったよ…。
着信アリ

ある女性の携帯電話から、突然奇妙な着信音が響く。
残された着信時刻は未来、発信番号は本人の番号、留守番電話サービスに録音されていたのはおぞましい悲鳴。そして着信時刻が来ると、その女性は死んでしまう
死の予告電話」は伝播していく。

「ガラケー」最盛期に作られた作品で、当時学校とかでもめっちゃ流行っていた記憶がある。
#horror
私は当時まだ小学生でガラケーを持っていなかったので、ガラケー持ってる勇者のクラスメイトが着メロをこれに設定していて羨ましがっていた思い出。

大人になってから鑑賞したんだけど、期待してたよりは凡庸で特徴のないホラー映画って印象だったかな…。
やっぱりこの映画のセールスが上手かったのは「当時流行ってたものをうまく取り込んだ作品」であったところだったのかなって思う。伝播する着メロというチェンメみたいな設定も、若者の当時の流行をすごく反映してたんだろうね。
いま、会いにゆきます

主人公は、1年前に最愛の妻を亡くし、1人息子と慎ましく過ごしていた。
2人は生前彼女が残した、「1年たったら、雨の季節に又戻ってくる」という言葉が気になっていた。
それから1年後、雨の季節に2人の前に死んだはずの妻が現れる。

#romance #drama #fantasy
もおお~~~~~~~~…切ない………
竹内結子の白ワンピ、感情がめちゃくちゃになる………

死んだはずの妻との、いつか必ず奪われてしまう、わずかな夏の間の共同生活。もうこのフレーズで泣かないやつおるか!!!!
お父さん視点でも息子視点でも楽しめるのがいいよね。
父視点だとラブストーリーだし、息子視点だと家族愛の物語。
とにかくどこまでもエモい。美しい純愛。
感動系の映画探してるならぜひ!!おすすめ!!!!!
竹内結子の白ワンピに頭ぶん殴られて感情が一生夏になる!
ヘルタースケルター

芸能界の頂点に君臨するスター。彼女には全身整形だという秘密があった。
手術の後遺症がりりこの身体を蝕み始める。やがて彼女の運命は世の中を騒然とさせる事件へと繋がっていく。

写真家として有名な蜷川実花がメガホンを撮った映画なんだけど、マジでつまんなかった
2時間ある沢尻エリカのプロモーションビデオだと思って観た方がいい。
#suspense #thriller

主人公が堕ちていく姿に魅力がないわけじゃないんだけど、全体的にくどいっていうのかな。
進行が冗長に感じたし、ウリでもある蜷川監督のセンスのある美術は最初はいいんだけど2時間視聴してるとさすがに疲れてくる
センセーショナルなシーンは「これが見たいんでしょ?」みたいな浅い姿勢を感じてしまうし、似たようなカットも多く感じる。ダレる。

沢尻エリカは意味わからんくらい美人だし、観てて飽きないんだけどね…。
仄暗い水の底から

離婚によって新生活を始めることになった主人公とその娘。
だが夫と親権争いに巻き込まれ、引っ越したマンションでは不可解な足音や水漏れに悩まされる。
そして娘が拾ってきた子供用のバッグから、未解決の幼女失踪事件の事実が浮かび上がる。

じっとりとしたホラー映画。Jホラーだと結局1番好きかな~~! #horror #drama
「水」の嫌な恐怖を効果的に描いていて、作中ずっと薄暗く描画されていく画面づくりには息がつまる。
古びた団地というシチュエーションの不気味さや、いつ来るかわからない苦しい緊迫感も魅力なんだけど、やっぱこの映画のいいところは「母娘の切ない絆」にあるのかなと思う。

主人公の、娘を想うがゆえの悲しく強い決断。傑作だな~~~~!
恐怖の根幹に愛があるからこそ、共感でき、感情移入して一緒に切なくなれる。
怖いだけではない「悲しい作品」。ヒューマンドラマの側面も持つ、とても面白い王道の映画です。
地獄でなぜ悪い

ヤクザの組長は、獄中の妻の夢でもある、娘を主演にした映画の製作を決意。
うだつのあがらない映画青年と、通りすがりのごく普通の青年を監督に迎え、手下のヤクザたちをキャストに映画作りを始める。

園子温らしい視点で描かれた狂ったバカ映画
園子温作品なので当たり前にめっちゃ人は死ぬし血は飛ぶし命は軽いしで、全然このノリについていけない人はマジで無理だと思う。私は大好きだった。 #action #violence #comedy

命は軽いしシニカルで無茶苦茶なんだけど、なんかそれに慰められるんだよね。
人生をおちょくりすぎだろって思うのに、「でもそんなもんでいいのかも」と思えるというか。
けど同時に作中の人々は何に対しても本気で生きて死んでいて、それが全部シュールギャグに描かれていて。
自分の人生って本気で生きても結局無意味だな~って思っちゃうんだけど、じゃあ別にどう転んだっていいのかも、って受け取れた映画。

けどぶっちゃけそこまで深刻に受け取らなくてもよくて、「また園子温が人を無駄にぶち殺してるよ」くらいのノリで鑑賞を終えてもかまわない。
「冷たい熱帯魚」もそうなんだけどこの監督の作品を楽しむコツは「無差別・不条理」を「くだらないもの」として消費して笑うことにあって、何かを受け取ることにはないと思うので。
パコと魔法の絵本

妙な人ばかりが集まるとある病院に入院している主人公。
嫌われ者の彼はある日、交通事故の後遺症で1日しか記憶が持たなくなってしまった少女パコと出会う。

とにかくファーストインプレッションのアクが強すぎる作品なんだけど、そこ乗り越えて視聴していくと普通に泣く
ファンシーさでごまかされてるけど、癖だらけで社会からちょっとはみ出してしまってる人物たちがやがて結託し、パコのために何かをなし得たいという一つの目標に向かっていく王道のストーリーは涙腺に来る。
見た目のアクに反してかなり心温まるファンタジー。
笑えるし、独特の世界観も最終的には愛せちゃう。

中島哲也監督は告白から入ったから知らなかったんだけど、芸風がマジで広いなぁ~…。
しかも渇き。と同じく役所広司とタッグを組んでる作品なんだけど、ここまでの幅の広さを見せつけられるとは…。

#comedy #fantasy #kids
デスノート

そこに名前を書かれた人間は必ず死ぬ、黒いノート「デスノート」。
司法の在り方に限界を感じていた青年・夜神月は、世の中を変えるため、ノートを使って次々に犯罪者を私刑し始める。
一方この事態を重く見た警察組織と探偵・Lは、月を止めるために動き始める。

あまりにも有名な同名漫画の実写化。実は私はこの映画版がめちゃくちゃ好きだったりする。
なんといっても「この展開、漫画でも見たかった~~~~~~!!!!!!!!」という最大の展開が盛り込まれてるのがいい!!!
なんでこれ漫画版でやらんかったんですか!!!ジャンプに引き伸ばされちゃったからですか!?
#crime #suspense

何より「Lが月を倒す」展開であるところを私はめちゃくちゃ評価してる。
漫画版の月の「結局人間だった」にすぎない無様な死に方もすごく好きなんだけれど、
やっぱLに月を倒してほしかったじゃん!?
「自分の命を賭し、デスノートを使って月を倒す」展開もめちゃ熱くていい。映画版好き畳む


キャストもめっちゃ手堅いしね。Lを演じた松山ケンイチの出世作だったりもする。俺、誇らしいよ…
ミサミサを演じてる戸田恵梨香だけ(戸田恵梨香自体はほんとにかわいいけど)ちょっとミサには合わないんじゃないかなあと感じるけど…
リュークやレムなんかのCGもめちゃいい。

ここで勧めるのも変な話だけど、番外編漫画の「aキラ編」もめっちゃ面白いっす
クリーピー/偽りの隣人

ある一家の隣に引っ越してきた隣人は、善良だがどこか奇妙な雰囲気を持っていた。
犯罪心理学者である夫が気付いた頃には既に遅く、彼の何気ない会話に翻弄され、一家の歯車は狂い始めていた。

#crime #thriller #suspense
なんで…?ってなる作品。
前半はマジで面白い。前半は面白いだけに、後半のがっかり感が半端ない…。

香川照之の持つ「違和感」としか言いようのない不気味なオーラは本当に流石で、彼の演技力にはガチでめっちゃ震えた。
それだけに後半の失速と雑さに本当にがっかりさせられる。もう少し丁寧に、しっかりと積み上げていたなら、名作になっていたはずだろうに……

香川照之の演技だけは見てほしいかな。ほんとにすごい。
「なんか関わっちゃいけない人感」は確かに感じるのに、喋ってみると優しいから、わいの気にしすぎだったかも…て思っちゃう。

あともし観るなら絶対先に映画の公式トレーラー見ちゃダメ!!!!!!!めっちゃネタバレだから!!!!!!
あそこのシーントレーラーに使っちゃうのありえねえだろ!!!!!!!
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