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映画感想を載せる場所

雪山の絆

アンデス山脈の奥深く、人里離れた山地に飛行機が墜落
過酷なサバイバルに直面した生存者たちは、生きて家族のもとに帰るため、極限の試練を生き延びる。

実際に起きた飛行機墜落事故を描いた作品。
ドキュメンタリーとしての色がかなり強くて、脚色なしに事故に真正面から向き合っている。 #drama #survival

非常に申し訳ないんだけど、私はかなり…かなり退屈に感じてしまった…。
自然の、人間が太刀打ちすることなんて敵わない圧倒的で雄大な恐怖も良く描けていると思うし、「この映画はこれが正解」だと思うんだけれど、あまりに映画的な見せ場を作ることを捨てすぎている
センセーショナルで心を掴まれるのは実際に飛行機が墜落する序盤のシーンだけで、残りは全部雪山でのサバイバルに苦しむ人の綿密で静かな描写。
進みも戻れもしない、長い長い膠着。ゆっくりと脱落していく人々。
それが2時間半もあるものだから、イヤ~~~~~…ちょっと飽きちゃった……。

ただ上述したようにこの映画は「そういうふう」に作ってある。リアリティを追求していて、この物語は決してフィクションじゃないっていうことを強調しているから、マジでこれが正解なんだと思う。
決してつまらない映画ではない…と思う。これが実話なんだって思うとガチで震えるし。
びっくりするほどの長尺も、そもそもこの事故が72日間も人食に手を染めてまで生き延びた人たちの物語ってことを踏まえると、必要な時間だったと思うし。

けど「映画的な面白さ」を期待してはいけない。壮大な再現ドキュメンタリーだと思って鑑賞するべきだと思った。
ファースト・マン

人類史上初めて月面着陸を果たした宇宙飛行士、ニール・アームストロング。
彼の半生と、月を目指す者たちの苦悩の道のりを描く。

「ラ・ラ・ランド」の監督が撮った伝記映画。実在した人物である「ニール・アームストロング」と、あの「アポロ計画」を題材にした英雄譚。
あんまり観ないジャンルの作品だったんだけど、観てよかったなぁ~~~~~~~~~~~~!!!!!!面白かった…
#SF #drama

この映画のすごいところは「全然ワクワクしない」ところ。
月を目指す宇宙飛行士の物語って一文で表現してしまうとすっごく雄大で果てないロマンの映画みたいに感じるんだけど、この映画は全然違うところにフォーカスが当てられていて、どの国が最初に月面着陸を成功させるかっていうアポロ計画の軍事的な側面であったりとか、そもそも有人飛行自体がまだ安全性を担保できていないことによる命の軽さを強く映している。
だからめちゃくちゃ息苦しい映画なんだけど、それでも月面着陸成功時のあまりの…表現しがたい達成感とカタルシスは格別なんてもんじゃなくて、このために多くの人の命やコストが犠牲になったかもしれないけれど、それでも…それでもロマンは止めることができないという、人々の想いと歴史の貴さを、圧巻の演出と構成で描いている、とても素晴らしい作品!!!!

ラ・ラ・ランドとはまったく違う切り口とノリで描かれている映画なんだけど、演出の鋭すぎるセンスには共通点を感じたかも。
あの、月の地をはじめて踏むときのカメラ…演出…音…… ヤバい。ほんと。鳥肌たったもん
私の頭の中の消しゴム

無邪気な社長令嬢は、建築家志望の孤独な青年と恋に落ち結婚する。
幸せな日々を過ごすが、彼女は若年性アルツハイマーを発病。
病魔は彼女の記憶とともに、幸せな日々もむしばんでいく。

超・有名韓国映画。教養として観るかと思って鑑賞したんだけど、やっぱ良かったね。
#romance #drama
「私の頭の中には消しゴムがあるの」はとてもとても有名なセリフで、この映画が初出なんだけれど、若年性アルツハイマーの恐怖をロマンスの美しさでくるみつつ描いてて、実際泣ける。

泣けるんだけど、ヒロインが妻子持ちと不倫してたっていう導入に若干の引っ掛かりを覚えてしまう…!気にしすぎ!?
あと実際にアルツハイマーにかかわる人たちからしてみると「美化しすぎ」とかあったりするのかな、なんて思ったり。
2004年の作品だから、現代的価値観で見ると若干の危なっかしさも感じたりしたかな。

それでも泣けることには変わりない…。名シーンいっぱいある。
ヒロインがどんどん記憶を忘れてしまうことを取り上げて「毎日恋ができる」って返すヒーローのセリフにはやっぱりときめくし、
「許すには、憎しみにひとつ心の部屋を与える」…これも名セリフだぁ~!!
シャッターアイランド

孤島シャッターアイランドには、精神を患った犯罪者を収容する病院がある。
とある女性患者が病院から姿を消してしまったという話を聞きつけ連邦保安官の主人公が捜査のために島を訪れるが…。

何も知らずに観たんだけど面白すぎてひっくり返った。名作やんけ!!!!!
#drama #suspense

謎の根幹がかなり肝要になってくる映画なので「何も知らずに視聴する」がベストなんだけど、ある程度知っちゃっててもわりと楽しいかも。っていうのは、わりと「主人公や島に隠された秘密」には、観ていくうちに自然と辿り着ける構想になっているから。
ここの「衝撃の秘密」も勿論面白いんだけど、この映画を名作たらしめているのは本当にラストの3分くらいで最後に主人公が残す驚愕のセリフにあるかなと思ってる。

これはあとで知った話だけど、「シャッターアイランド」という単語自体がアナグラムになっていて、作品の秘密を示唆しているらしい。作りが細かい!
この作品の中で扱われている最大級のテーマ、おぞましい技術は、実際にあったんだなあ…と、人間の業にまで唸らせられてしまった。
空白

万引き未遂を起こした、ある中学生の少女が交通事故で亡くなった。
彼女の身の潔白を証明するために暴走していく父と、彼に巻き込まれていくスーパーの店主ら、遺された人間の悲哀が展開されていく。

#suspense #drama
超・信用しているヒメアノ~ルの監督さん!!めっちゃ面白かった…!!!!!

どんよりした鬱映画という体ではじまる本作。実際に中盤まではずっとそうなんだけれど、なぜか思った以上に爽やかな読後感…。ほんとにほんとによかった…。
最初はモンスターペアレントである主人公の父に「ヤバいおっさん」以上の感情を抱けないのだけど、彼も遺されてしまった悲しみを怒りで癒やすしかできない遺族であるということが、終盤に加速していくに向かって伝わってくる。
最終的には、こんなに厳しくて怖くて他責思考の父親が本当に愛おしくなって、これから先の未来の幸せを願いたくなってしまう。

女子中学生の死によって人生をめちゃくちゃにされてしまったスーパーの店主にも事なかれ主義で済ますような悪いところがあって、だけど彼がテキトーに運営してたスーパーが遺してくれた思い出に救われた人もいて、そんな人にやっぱり店主も救われる。
登場人物のみんなに加害者と被害者の側面があって、万華鏡みたいに彼らへの感情が変わっていく。そして最後にはみんなが愛おしくなる……
マジでめっちゃ辛くて悲しい映画だけど、この辛さを乗り越えた先には感動が待ってる。
その感動は決して「悲劇が喜劇に転化する感動」ではなくて、辛いもののすべてが掬われるわけじゃないんだけど、でもなんか悲しい記憶に折り合いを作るために頑張ろうって思える作品。
吉田恵輔監督作品の中で1番好きだ~~~
万引き家族

とても貧乏で、万引きをしないと生きていけないような家族。しかし彼らは幸せだった。
ある日、父は近所で1人の幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れ帰ることに。
そうして日々を過ごすうち、歪な形でつなぎ留められていた家族の形は、やがて瓦解していく。

#drama #crime
友達に「私はもう見たくないけど、ネズはきっと好きだと思う」とオススメされた鬱映画。めっちゃ良かった………好きだ……(鬱映画しか愛せない悲しいウォリアー)

まず「万引きしないと生きていけない」てところにすでに悲哀が詰まってるんだけど、この映画はそれ以外にも「社会の底辺」を至る所で描いているからこそ、一見コメディ的で温かに見える家族の在り方に対する絶望とやるせなさが半端ない。
実は家族は底辺の寄り集まりではなく血の繋がりがない、というところも絶望ポイントで、血は繋がっていなくても家族であることにはかわりないという絆と、確かで小さな愛だって同時に描いているのだけど、けどそんなもんじゃこの世界はどうしようもない。畳む
家族愛や絆じゃこの底辺の世界は変えられないし、なんにもならない。そういう「静かで救われない絶望」がこの映画にはもうむちゃくちゃこめられてて、本当に息が詰まります。
ラストのリリーフランキーで悲しくて胸が張り裂けそうになって鬱勃起したので、よかったです。
ラ・ラ・ランド

女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る主人公。
一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを演奏したいという夢を抱く男。
ひょんなことで出会った2人は恋に落ち、そして互いの抱く夢を追いかける

めちゃめちゃ評価されてる名作ミュージカル。超良かった…。
#musical #romance #drama
まずミュージカルパートの質があまりに高すぎる。ハイセンスなビジュアル、心が浮き立つ音楽の数々!
どのミュージカルシーンも必見なんだけど、中盤にある、カットなしの長回しで撮られたタップダンスシーンは見事のひとこと。

ストーリーもすごくいい。
一見ラブロマンス作品なんだけど、この映画のテーマは夢を追う人の物語
葛藤、諦め、切なさが美しいメロディとダンスの中にたっぷり盛り込まれている。
夢のために捨ててはいけないもの、捨てなければいけないもの
最終的にふたりは、恋と夢、どちらを取るかの決断を迫られる。

このほろ苦いラストも輝きをはなっている。
きっと「夢を追いかけたことのある人」になら、ラスト10分の「if」は響くと思う。
そしてもう1度この映画を鑑賞した時、冒頭の渋滞した高速道路で繰り広げられる歌の歌詞に共感するに違いない!
本当に観てよかった………。
A.I.

人間の仕事をロボットがこなす時代に生まれた、愛の感情を組み込まれた少年型ロボット。
人間の夫婦のもとで暮らしていた彼だったが、あるきっかけで捨てられてしまう
愛情の行き場を失った少年は、失意のうちに旅に出る。

なんか昔好きだったな…という記憶とともに鑑賞したんだけど、やっぱよかった。
これも救われなくて悲しくて、ある種の鬱映画ではあるよね。
#SF #drama #fantasy

ピノキオなどの童話をイメージして作られた作品とか聞いたことがあるんだけど、確かに童話的。
でも溜息出ちゃうくらい悲劇。結局主人公のデイビッドは救われたのか。あれが本当に救いだったのか…
どんな人がひどい目に遭ってもシコれるけど、無垢なものがひたむきに頑張っても報われない姿はさすがに心に来る。

久々に鑑賞してみると、「スッゲー辛くてキツイシーン」がジゴロ・ジョーの存在によってちょいちょい味変されているのを感じてよかった。
ターミナル

ニューヨークの国際空港。母国クラコウジアからやってきた男はニューヨークに降り立つ直前に足止めされてしまう。なんとクラコウジア政府がクーデターのために事実上消滅してしまったというのだ。
入国ビザは取り消し、戻ることも進むこともできない。
男は国際空港で寝泊まりしながらも、持ち前の人徳で空港の人々と交流を持つようになっていく。

め~~ちゃ好きな作品。ラストはちょっとの苦みがあるけど、総合してハッピーなロマンスコメディ。
#romance #comedy #drama

クラコウジアの通貨も使えなくなっちゃうもんで、四苦八苦しながら工夫して空港内でなんとか食を得ようとするんだけど、その工夫がめっちゃ楽しい。
ベッドも空港にあるわけなんかなくて、待合室の長椅子をくっつけて勝手にベッドにして寝るんだけど、そういう生活になんかちょっと奇妙な憧れを抱いちゃう。
持ち前の明るさと優しさで主人公はどんどん従業員の人と仲良くなっていって、やがて恋をするのだけど、彼女を振り向かせるために従業員と協力して、ありあわせのシチュエーションを作って…って、そういう「あるものをなんとかそれっぽく繋ぎ合わせて工夫して良いものにしていく」姿が、素朴だけどなんかイイなって感じるんだよね。

空港の人たちにもどんどん愛着がわいて、ただの空港がなんかステキな場所に思えちゃう。
すべてが上手くはいかないこともあるんだけど、でもこんな愛嬌のある主人公ならきっとこれからも素敵な人生を送れちゃうんだろうなって思える、ハートフルで優しい映画。

清掃員たちが一流のコンシェルジュに扮してヒロインをおもてなしするシーンがあるんだけど、あそこがもうめ~~~~~~ちゃ子供の頃から好き…。
パラサイト 半地下の家族

韓国。キム一家が暮らしているのは半地下の貧乏アパート。
糊口をしのぐ生活を送る底辺家族の息子はひょんなことから上流一家・パク家の家庭教師として忍び込む機会を得る。
味を占めた彼らは悪知恵を働かせて次々に雇用人としてパク家に”パラサイト(寄生)”していく…!

本当の傑作。マジで見たほうがいい。
ジャンルとしてはブラックコメディ。けどスリラー要素満載、かつ社会派の側面も併せ持つ作品でもある。
#comedy #thriller #drama

韓国は実はかなり傑作の多い国で、今キテる国として評判だったりもする。
パラサイトはまさにその筆頭!
コメディチックな前半部から急転直下、スリラー映画に変貌する予想もつかない展開!それがシームレスに続き、「パラサイト」にしかない独特のジャンルを形成しています。マジで面白い。
あまりに高すぎるエンタメ性と同時に、韓国における格差にまで切り込んじゃう。そらカンヌ獲りますわな。

パラサイトは「本当に面白い映画」なので、ぜひ2回は視聴してほしい。
ていうのも画づくりでも妥協してないことが2回目だとよくわかるんすよね。
たとえば「貧乏一家のキム」と「上流一家のパク」との間には絶対に隔たりができるようにカメラワークされていたりする。ガラスの壁とか柱によってね。
「パク家は下から上」「キム家は上から下」に映すように撮られていたりして、これも明確に「格差表現」として作用してたりする。マジでエグい。

もちろん「貧困層」は、それそのものはキツい存在ではあるんだけど、貧困社会の中で生きるキム家をあくまで笑える存在として描いている。けれど後半では「努力などではどうしようもない、生まれついての隔たり」をありありと見せつける。
最初がコメディなのでぬるっと乗せられちゃうんだよね。けどその乗ったジェットコースターって「衝撃的なスリラー的結末」に帰結してるわけで。

本当に観てほしい。観てー!!!観てみてみてみてみてみてみー!!!!!
ノートルダムの鐘

15世紀パリ。ノートルダム大聖堂の鐘楼には心優しくも醜いカジモドという鐘つき男が住んでいた。
年に1度のお祭りに惹かれ外界に姿を現したカジモドは、美しいジプシー・エスメラルダと出会う。

ディズニーの名作の一柱。「ディズニールネサンス」と呼ばれる、いわゆる黄金期のディズニーの作品の中ではちょっと影に隠れがちな映画になると思うんだけど、とても面白い。
子供の頃見たことがあったんだけど、ちゃんと覚えてなかったので、アマプラでレンタルして鑑賞。
#anime #drama #musical

フロローってこんなにキモエロかったの?!!?
一部で狂信的な支持を得ているフロローだけど、確かにこういうタイプのヴィランってディズニーにはめちゃくちゃレアな存在だよな…。
エロかったな…。何もフロローだけじゃなくて、なんかノートルダム全体が… エロかったな…。

恋を成就させないっていうのもレアなラストだよね。
当時別件のBLにハマっていて、そのBLCPとエスメラルダ&フロローの感情のやりとりがあまりにも似ていたので、「俺たちのBLCPじゃん!!!!」てフォロワーと一緒に騒ぎながら鑑賞した覚えがあります。
葛城事件

無差別殺傷事件を引き起こした犯人の父親を主人公に、腐心して築き上げた理想の家庭が、ふとしたことから歯車が狂いはじめ、壮絶な崩壊の道を辿っていくさまを鮮烈に描き出した衝撃の家族ドラマ。
概略を人に説明してお勧めすると絶対観てもらえない悲しい好き・映画。まあいいことないからな、この映画に…。
#crime #drama

主人公は通り魔殺人を起こした犯人の父親で、彼は彼なりに真面目に人生に取り組んできた人物なんだけど、これがかなりの昭和おやじで独りよがりなヤツ。
「父親とはこうあるべきだ」という偏った価値観の持ち主で、ナチュラルに男尊女卑をし、一家の大黒柱である自分が家庭内ヒエラルキーのトップに位置すると信じてやまない男。
彼はただ自分の中にある「父親像」に従って生きてきただけなんだけど、それがどれだけほかの家族を苦しめてきたかわかってない。だからこそ彼の息子は強行に走ってしまった。
そんな彼の「過ち」を、ただただ淡々と、盛り上がりもなく描いていく、一生砂利噛み続けるみたいな映画

これが好きで観てほしい、と人に言うと絶対観てもらえないし、ばかりかネズって…みたいな顔をされるので悲しい。いい映画だよ。いい?いいか…?本当に?

なんかこの映画をほっとけない気持ちで見ちゃう一番の要因は、似てるんだよね。この映画の主人公の親父がわたしの父親に。マジで解像度高い。
私の父は老後になってかなり丸くなって、今はかなり良好で改善された関係を築いてるんだけど、ほんとに昔はこんな人だった…。
しみじみ観てしまうし、この嫌すぎる父親にちょっと寄り添いたくなっちゃう…ていう、自分語りも添えつつ。
シェイプ・オブ・ウォーター

冷戦下のアメリカ。研究所で清掃員として働く女は、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。
“彼”にすっかり心を奪われこっそり会いに行くようになるヒロイン。“彼”との言葉のいらぬコミュニケーションによって、ふたりは心を通わせるようになっていく。

人間と人外のラブロマンス映画。
#romance #drama
大人向けの人魚姫」みたいな感じの作りになっていて、一見奇妙で不気味な人外との演技のみによる心の交流だけではなく、同時にゲイや黒人、精神を患った者などの「社会的弱者」に焦点を当てたストーリーも良い。
この弱者たちが力を合わせて権力に抵抗していく展開もラブロマンスと並行して魅力的に作用しているのがベネ。

勿論主題である「禁断の愛」もロマンチック。
ダンスや音楽で心を通わせる様がまた美しい。

全体的に緑がかった色彩も「水の中」を意識していて、ヒロインの恋心が育つにつれ彼女が「緑色」で満たされた画面の中でビビッドに映える「赤いもの」を身に纏い出すんだけど、これが心理描写として視覚的に効いてるんだよね。
めっちゃ面白かった。本当に美しくてエモーショナルな映画。
いま、会いにゆきます

主人公は、1年前に最愛の妻を亡くし、1人息子と慎ましく過ごしていた。
2人は生前彼女が残した、「1年たったら、雨の季節に又戻ってくる」という言葉が気になっていた。
それから1年後、雨の季節に2人の前に死んだはずの妻が現れる。

#romance #drama #fantasy
もおお~~~~~~~~…切ない………
竹内結子の白ワンピ、感情がめちゃくちゃになる………

死んだはずの妻との、いつか必ず奪われてしまう、わずかな夏の間の共同生活。もうこのフレーズで泣かないやつおるか!!!!
お父さん視点でも息子視点でも楽しめるのがいいよね。
父視点だとラブストーリーだし、息子視点だと家族愛の物語。
とにかくどこまでもエモい。美しい純愛。
感動系の映画探してるならぜひ!!おすすめ!!!!!
竹内結子の白ワンピに頭ぶん殴られて感情が一生夏になる!
仄暗い水の底から

離婚によって新生活を始めることになった主人公とその娘。
だが夫と親権争いに巻き込まれ、引っ越したマンションでは不可解な足音や水漏れに悩まされる。
そして娘が拾ってきた子供用のバッグから、未解決の幼女失踪事件の事実が浮かび上がる。

じっとりとしたホラー映画。Jホラーだと結局1番好きかな~~! #horror #drama
「水」の嫌な恐怖を効果的に描いていて、作中ずっと薄暗く描画されていく画面づくりには息がつまる。
古びた団地というシチュエーションの不気味さや、いつ来るかわからない苦しい緊迫感も魅力なんだけど、やっぱこの映画のいいところは「母娘の切ない絆」にあるのかなと思う。

主人公の、娘を想うがゆえの悲しく強い決断。傑作だな~~~~!
恐怖の根幹に愛があるからこそ、共感でき、感情移入して一緒に切なくなれる。
怖いだけではない「悲しい作品」。ヒューマンドラマの側面も持つ、とても面白い王道の映画です。
怒り

犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所に、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こる物語。
千葉編・東京編・沖縄編の3つの物語を反復横跳びしながら映していく映画なんだけど、もう~~~~すごかった…。
劇場で観たんだけど、マジのでかい溜息しか出てこなかった。すごかった…
#drama #crime #suspense

犯人未逮捕の殺人事件、というのが軸にあって、この容疑者として疑われている千葉・東京・沖縄の3人の男たちを中心に描く。
疑われることの怒り。信じられないことの怒り。本当にいろんな人の様々な「怒り」が緻密な筆致で2時間強まるまる描かれていて、容赦なく流されてくるから溺れちゃいそうになる…。

犯人の動機も私はとても共感できた。彼が持っていた怒り、けど彼の犯行のせいでやっぱり周囲の人もまた新たな傷を負って、どうしようもない怒りにかられてしまう。悲しい連鎖。

とにかく怒涛の心理描写が襲い掛かる作品なので、体力気力を持って視聴するべき。しんどい時に観るとだいぶやられちゃうかも。
色々な問題提起だってされている。LGBT、沖縄問題、レイプ。後味も悪い…。
ちょっと「一本筋」が見失われてる感はある気がするんだけど、それでもこの映画の持つ「重量」は他の映画数本分あるように思えていて、そこがやっぱりすばらしいなと思う。
李相日監督、人間に詳しすぎる。
おくりびと

ひょんなことから納棺師の見習いとなった元チェリストの主人公。
日々とまどいながらも様々な死と出会い、見つめ、やがて成長していく。

本当の名作。おくりびとに出会えた喜びに、感謝… #drama

納棺師にフォーカスした映画なんだけど、「死」のおぞましさとか根源的恐怖とかそういうのではなくて、一種の「門出」でもある「死」を、尊厳を持っておくりだす人々の、敬意と愛に溢れた映画。
この「納棺師」という職業に徐々に誇りを持っていく主人公と、「死」を「けがれ」として軽蔑する妻の広末涼子との対比がよくて、妻側の視点と相互理解の描写があることによってこういった職業に対するさまざまな見方を補完しているなぁ~と。

月並みな言い方になっちゃうけど、「死を貴ぶこと」は同時に「生への賛歌でもある」んだよね。いつかの”卒業”のために、生を責任を持って正しく全うするべきで、終始穏やかで優しい語り口調で生命の在り方を謳う本作であるのになんかちょっと姿勢が正される。自分の命だって本当は神聖で、貴ばれるべきものなんだ、って思えるというか。

死生を扱う作品だからとても重いテーマのはずなんだけど、全然そう感じさせないのも本当にすばらしい…。
そもそも「死生」という現象自体に重さなんてものはないはずなんだよね。「そこに当たり前にあるもの」が「死生」であるはずなんだということを、優しい描き方で再定義してくれる。

マジで素晴らしい作品。邦画っていいなと思う。
だから私は邦画が好きなんだよな。
ダンサー・イン・ザ・ダーク

息子と二人、貧しいながらも幸せで慎ましい生活を送る主婦。
彼女には市民ミュージカルで歌い踊るささやかな趣味があったが、それも目の病気によって徐々に奪われつつあった。
彼女の静かで優しい暮らしは、目の病気の進行とともにゆっくりと絶望に突き進んでいく。

「マジの鬱映画」。鬱映画として真っ先に名前が挙がるダンサーインザダーク。実際超きついし、本当にいいことがないし、暗いし重い。
けど、不思議な魅力を持っているのはその陰鬱な世界観と、それを彩る歌姫であり主演のビョークの歌とダンスだと思う。闇のミュージカル作品。
#musical #crime #drama

私は「嫌な気持ち」になるのが大好きなのでこの映画はとても好みでした。最悪のセールスの仕方
ビョークの歌だけじゃなくて、絵作りもまたいいんだよね。色合いというか…。ずっと膜が張ってるみたいな、そこから一生出られないみたいな…

「本当にいいことがない映画」とはよく言うんだけど、私には主人公が「自ら絶望に向かって突き進んでる」、もっというと悲劇の上でブレイクダンスしてるようにしか見えなかったので、悲劇のヒロインを演じ切ることに徹した彼女のラストの結末というのはむしろ痛快でさえあった。
悪人

小さな漁村に住む主人公は、出会い系サイトを通じてある女性と出会う。
主人公は世間を騒がせている殺人事件の犯人だった。
二人の奇妙で切ない逃避行が始まる。

私の好きな監督のうちのひとりが李相日なんだけど、彼を知った作品がこれ。 #drama #suspense #romance

悪人というタイトルは主人公やヒロインを多角的に観た時に、彼らを悪人と断罪できるのかというテーマ性に触れたものになってるんだけど、そこ以上に「出会ったばかりの犯人と逃避行してくれる、人生捨ててる女」という切ない存在への気持ちの方が私は乗ってしまった。
エモかった。よかった…。

誰しも持っている心の弱い部分をすり合わせることでしか一緒にいられない、そんなふたりを描いている作品で、悲しくも胸をうつ。
そして弱いから過ちを犯してしまうし、けれどそれは「悪人」なのか…みたいな。そんな作品。

妻夫木聡はほんまにあちこちで見る人だけど、やっぱりすごいなあ~。
渇き。

障害事件を起こして職を失った元刑事の男が、別れた妻から娘が失踪したことを知らされて捜査に乗り出す。
しかし、誰をも魅了する優等生だったはずの愛娘には、恐るべき裏の顔があった。

周囲を滅ぼすファム・ファタールである娘を中心としたサイコスリラー。
#thriller #suspense #drama
中島哲也監督特有の「不謹慎ポップ」な演出がこの映画でも多分に使われていて、若干の見づらさはあるものの、ファムファタールの娘に狂っていく周囲の様子はエロくてシコれるし、小松菜奈はマジでハマってる。

ちょっと残虐描写と心理描写をうまく盛り込めずに喧嘩しちゃってる印象があって、飲み下しにくい映画なのが欠点なんだけど、グロい描写にエロスを感じられるフェチのオタクには一旦とりあえず鑑賞してみてほしい。
主人公の役所広司がまた狂ってるのも味出てていいんだよね。
her 世界でひとつの彼女

他人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライターは、妻と別れて傷心の日々を送っていた。
そんな時、コンピューターや携帯電話から発せられる人工知能OSにひかれ、次第に“彼女”と過ごす時間に幸せを感じるようになる。

AIと人間の恋愛映画#romance #drama #SF
美しかったなあ~~…。画がとにかく綺麗。
しっとりとした人間ドラマも良かったし、このAIの声もまたセクシーで実際惹かれちゃう。

彼と彼女の間にある愛は本物なんだけど、だからこそすれ違ったりうまくいかなかったりして、ほろ苦い結末に終わってしまう。
あんまり起伏がないので多少冗長に感じたけど、その静けさがこの「Her」を上質なものたらしめているようにも感じるから、塩梅がちょっと難しいね。

「物質の世界」と「無限に続く電脳の世界」のそもそものどうしようもない違いを感じるラストもなんともいえない余韻がある。よかったな~
グリーンマイル

原作スティーブンキングの作品。
冤罪で死刑囚になってしまった、人を癒す不思議な力を持った男と、刑務官の交流を描く。

マジでしんどすぎて「もう見たくない」になった数少ない作品。
キツすぎて5分に1度停止して呼吸を整えたのはこの映画しかないかもしれん
「最悪の死刑囚」につい共感してしまったり、死刑囚も人間なんだな…て感じてしまうストーリー、そんな感情移入の先にある結末なんて決まってるよなあ!?
ショック耐性がなかった当時大学生の自分にはキツすぎた。いじめないでほしい…
いつかリベンジしたい
#crime #fantasy #drama
告白

とある中学校に勤務する女子教師の娘が殺された。犯人は彼女が担任するクラスの中にいる
教え子に容赦ない復讐劇を始める、狂っていく女の物語。

映画って最高!?になったきっかけかもしれない。
私は告白を見るために生まれてきたんだ…とさえ感じた…

マジでガチで面白い。痛快な復讐劇。
誰もに同情の余地があって、誰もに同情の余地がなくて、露悪的な演出があって、全然観客に寄り添ってくれない、黒い疾走感
初鑑賞からだいぶ経つけどいまだに思い出すたびに射精できる。全部悪趣味で、悲しくて、共感できて、急に突き放されて、絶望のズンドコで路頭に迷いながらシコる。この気持ちにずっとなりたかった。ありがとう…
松たか子の圧倒的演技力に震えろ!

一応ジャンルとしてはサスペンスに分類されるんだけど、謎解き要素はそんなに多くない。
むしろ子供たちの過去や主人公の背景を紐解いていく場面が多い。クライムスリラーが近めに感じる?
#suspense #crime #thriller #drama
ブラック・スワン

バレエ団に所属する主人公は、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。
そんな彼女に「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのライバルが現れる。
役を争いあううち、やがて主人公は自らの心の闇にのみ込まれていく…

完璧にプリマを演じ切る」ことに終始するあまり、どこまでが幻覚で現実なのか境界線があやふやになっていくストーリー。
つまり「プレッシャーにむしばまれ、キャラクターと自分の境界線を失っていく」映画なんだけど、どんどん夢が現実に侵食してくる様子は多少難解に感じられる部分もあるかもしれない。
#thriller #drama

でもだからこそ彼女がブラック・スワンを演じるシーンはマジで圧巻。抑圧からの本当の意味でのカタルシスを感じられる。
未熟だった少女が狂気のはざまで皮肉にも覚醒していく。
痛い部分もちょこちょこあるけど、興味があればぜひ観てほしい。
リリィ・シュシュのすべて

中学二年の主人公は、かつての親友にいじめられて窒息しそうな毎日を送っている。
唯一の救いはカリスマ的歌姫リリイ・シュシュの歌声だけ。自らが主宰するファンサイト「リリフィリア」の中にいるときだけが、本当の自分でいられる瞬間だった…。

「窒息しそうな毎日」をうまく描いている作品だと思う。
#drama #suspense
起伏の少ない、けれども陰鬱としたこの映画を視聴していると、自分も一緒に透明な膜の中にずっと閉じ込められているような、生への漠然とした絶望を感じてしまう。
繊細で多感な時期の中学生が感じる鬱屈の生々しさが多分に投影されている。「鬱くしい」という表現が最も似合う映画。

ストーリー性というのは正直あんまり感じられず、冗長に感じる人もいるかもしれない。私も若干退屈に感じる部分もあった。
でもこの映画ならではの独特な閉塞感は唯一無二のもの。リリィ・シュシュ(Salyu)の歌声もすばらしい。
万人に刺さるものではないけど、「リリィ・シュシュが刺さって抜けない」人は確実に世界に一定層いると思える作品。
トゥルーマン・ショー

小さな島で保険会社のセールスマンをしている主人公。
平凡で明るい人生を営む彼だったが、ある日人混みの中に死んだはずの父親が歩いているところを見つけ、そこから彼の平凡な人生は大きく急転していくことになる。

「わりと誰でもオチ知ってる作品」の筆頭。(一番はシックスセンスやと思うけど)
一応ネタバレを避けるけど、視点をどこに持つかによって感想が変わる作品になると思う。
切なくなる人もいると思うし、ゾッとする人もいるんじゃないかな。
あるいはこの作品内で描かれた多くの人間のように歓声を上げる人も少なくないと思う。
希望と悪意のどちらも感じ取れてしまう、けれど少なくとも観ている私達を「単なる観客」で終わらせない素晴らしい作品。
いやがおうにもこの作品に巻き込まれてしまう。そういう人はたくさんいると思うし、私もその一人!
不思議な魅力を持っていて、何回でも見たくなる。
#comedy #drama
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