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悪魔を見た

婚約者を何者かに惨殺された国家情報院の捜査官である主人公。
独自に捜査を開始した彼は、犯人の正体を突き止め、襲撃に及ぶ。
そして昏倒させるとGPSカプセルを飲み込ませて立ち去ってしまう。
完全な復讐を追い求め、主人公は鬼と化していく。

復讐に狂った主人公が犯人を追い詰めるバイオレンス映画……かと思いきや、若干違う。
#violence #thriller
ていうのもこの犯人、どんなに復讐されても全然メゲない。足の腱を切られても、拷問の限りを尽くされても、最後まで「お前は俺に負けたんだよ!」と煽り散らかす始末。
逆に主人公の正体を突き止め返し、婚約者の家族の命まで奪ってしまう。
そして主人公は犯人の友人からは「狙う相手を間違えた」、刑事たちからは「復讐なんてしなければこんなことにはならなかった」と非難されてしまう結果に。
こんなに気持ち良くない復讐映画ってあるんだ…

実際犯人が全然メゲないので復讐が効果的に機能してる感じは全然なくて、観てる間だいぶ気持ちよくなかった
復讐がテーマの作品にありがちの主人公無双系では決してなくて、犯人VS主人公の怪獣映画が感覚的な表現として近かったかもな…。アクションも謎に多かったし。

だからこそ主人公は本当に止まることができなくなって、ついには罪のない犯人の家族まで巻き込んだ凶行に及ぶ。
すべてが終わったあとの主人公の、泣いてるんだか笑ってるんだかわからん慟哭の演技すごかったなあ。道中だいぶダルい作品だったけど、主人公の最後の慟哭がすごくて、そこだけでも観る価値あったかもしれない。

鬱耐性は結構ある方だと思ってたけど、だいぶ胸糞だったなぁ~~~
デビルマン

永井豪作の名作コミック「デビルマン」実写化。
高校生、不動明はデーモンのひとりに身体に侵入され、精神は人間のままのデビルマンになってしまう。デーモン軍団とデビルマンの戦争の結末は?

ついに観ましたよ!あの伝説のクソ映画・デビルマン!!
#action #fantasy #thriller
結論から言うと思ってたよりはずっと楽しめたけど、ハードル下げに下げきってたからかもしれないし、友人とガヤガヤ観たからかもしれない…。わからない…。

私は原作未読なので、原作ファンからしたら怒られるようなことを言っているかもしれないけど、ストーリーからは一応原作をなぞろうという気概はそれなりに感じた。
骨子で描きたいところもまあ伝わってきたし、CGもすごいしね。最後のシーンは普通におおっ!てなったな

ただそれにしてもあまりにもツッコミどころが多すぎるし、ギャグみたいなシーンも満載すぎる。謎すぎるガンアクション、急に沸いて出る謎のトリプルデブ…あれは真面目に脚本書いてたんかな…?
稲刈りで腕まくりしたせいでデビルマンであることがヒロインの父にバレるシーン、さすがにバカすぎて爆笑してしまった

でもそんなところよりとにかく言いたいのは主演の演技下手くそってレベルじゃないだろってこと!
普段良質な映画に触れているといちいち俳優陣の演技の上手さなんて気にしないんだけど(気にならないぐらい自然に上手いから)この映画は本当に本当に本当にひどくて、演技力ってマジで大事なんだなって痛感した…。
滑舌も悪くて何言ってるかわかんないシーンたくさんあったし。聞き取れないほどの滑舌の悪さでなんでOKテイク出しちゃったんだよ!
主演より子役の方が演技上手かったな…って思ったけど、子役さん、染谷将太だったらしい。納得


けどストーリー自体はわからんでもないだけに、「ドラクエユアストーリーズ」よりはずっとましだなあと思った。
この映画は「笑える」という一点で「ちょっと観てみてよ」って他人に言えるクソ映画だけど、ドラクエユアストーリーズは怒りがわいてくる本物のクソ映画だからな…
悪女(2023)

ニュースキャスターの主人公はある日父に再婚相手を紹介される。彼女は父よりずっと若く、お世辞にも美人とは言いがたい肥満の女。
これを疑った主人公は、彼女の正体と真意を探り始めるが、同時に彼女と付き合った男たちが三人も立て続けに練炭自殺したという報道が流れ、疑惑を強めていくようになる。

台湾映画なんだけど、あらすじやサムネからも分かるように、明らかに日本の死刑囚・木嶋佳苗をモチーフにした映画
木嶋佳苗は「決して美人ではないにも関わらずそのスキルによって多くの男を篭絡し保険金殺人を行った」と言われていて、この映画に登場する「父親の婚約者」もこの木嶋死刑囚をモデルにしてるんだけど、この映画が描いているのは「その女の怪しい魅力と恐ろしさ」とはちょっと違う。

私も後から知ったんだけど、木嶋死刑囚って実は証拠を抑えて死刑囚になったわけじゃなくて、状況証拠しか揃ってなかったらしい。
多分この映画はここにフォーカスしてて、どう考えても怪しい女だけど、実は本当に殺人なんかしてなかったのでは?って描かれ方をしてる。ここがまず面白い

反対に、彼女の正体を追うにつれ悪女堕ちしていく主人公との対比構造がこの映画のメインの部分になってる。
どちらかというと仕事人間だった主人公が女の言う「男にとって理想的な女性像」に触れ、彼女を嫌悪しつつも、それをロールモデルにするうち本物の悪女になっていく。
本当の悪女は果たして主人公と女、どっちなのか…っていうストーリー。
(この映画的に言わせると、主人公の方が悪女だよってことなんだと思うけど)

ただ、女の怖さよりも男のクソさの方がどっちかっていうと目立つ構成になってるように感じた。そこも良かったよね。
登場する男みんな勝手すぎるんだよな。主人公の婚約者や、途中から付き合い始めた検事は勿論のこと、父親も盲目すぎるだろっていう…

惜しむらくはあんまりその「悪女の魅力」が伝わってこなかったことかな。
木嶋死刑囚をモデルにしている女、もうちょっと深堀して魔性さを描けたんでないかな~とは感じてしまう。
そっちにめっちゃフォーカスした描き方でもありだったんじゃないかなと思うけど、まあこの映画はそうではない部分に焦点を当てたってことで。
#thriller #suspense
ノイズ

過疎化に苦しむ猪狩島。そこに住む青年・圭太が生産を始めた黒イチジクが高く評価されたことで、国からの交付金支給がほぼ決まり、島民たちは喜んでいた。
しかし、殺人鬼である小御坂が島に迷い込み、揉み合いの末に誤って彼を殺してしまったことから、彼らの日常は一変。
圭太と幼なじみの純、真一郎の3人は、小御坂の死体を隠し、事件の隠ぺいを試みるが…。

評判がめちゃめちゃいい映画ではないことは知っていたので、ハードル下げて鑑賞したんだけど、それが功を奏したのかなかなか楽しめました #suspense #thriller

何より幼馴染三人組が藤原竜也・松山ケンイチ・神木隆之介という布陣。ヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネじゃん。
これだけでもうめっちゃありがたいし、それ以外の俳優さんの演技も素晴らしかったよねえ!!

あと個人的な趣味になっちゃうかもなんだけど、全体的なカメラワークや間の取り方、静かな描き方がすごい好みで、目と耳に非常に嬉しい映画だった。
そういった土台が好みだったおかげで、多少アラのあるストーリーもだいぶ楽しめて観れた…ってとこはだいぶあったかも。

ストーリーに関してはもう徹頭徹尾「いや自首しろや!」に尽きる。
でもしないからどんどん旗色が悪くなってって、雪だるま式に最悪の展開になっていく。
まあこれこそがこの映画の魅力だと思うので、最初の「自首しろや!」を飲み込んで観れるかどうかが、この映画を楽しめる最大の分岐点になってると思う。
数学の公式と一緒で「この映画ではそういうモンなのね」で飲み込んだ方がイイ。

ラストの展開もちょっとしたどんでん返しになっててなかなか楽しかった。結構読める展開ではあるけど……


改変しない方が良くない?とも言われてる作品らしいので、原作も読んでみたいなー
キャラクター

人間味あるキャラクターを生み出せず苦心している漫画家の卵の主人公。
ある日彼は偶然殺人事件現場に遭遇し、そこで犯人の顔を目撃する。
犯人の姿をもとに漫画を生み出した主人公は人気漫画家となるが、それを機に、彼は危険な事態に巻き込まれていく…

面白かった~~~~!!!!!私の視聴履歴を参照したネトフリがあまりに執拗におすすめ欄に表示してくるからどれと思って鑑賞したんだけど、良かった…。やるじゃん、ネトフリ
#suspense #thriller

筋書きの面白さもさることながら、「漫画家の苦悩」にもしっかり焦点を合わせていて、創作オタクやってると時々いい意味で耳が痛くなる。
なんと殺人鬼役をセカオワのFukaseが演じてるんだけどこれもなかなかどうしてハマってるんだよね。
まさかの人物の退場やどんでん返しなど、予測もつかない展開にはハラハラさせられっぱなし!スゲー良かった。
掛け値なしに、この手の邦画だとトップクラスに面白いんでは?

1点だけ、ラストの犯人の動機や謎だけちょっと投げっぱなしのまま終わっちゃった感があって残念だったんだけど、まあテーマを考えればまったくチンプンカンプンのまま終わってしまってるわけでもないと感じる。

要は犯人の両角は戸籍も持たない、「誰でもない存在」であったからこそ、主人公によって「ダガー」という人格(キャラクター)を定義されたことが嬉しかったんだろう。
けど逮捕されて何もかも終わってしまったことで再び彼は己のキャラを失ってしまう。

最後の演出は「ダガーというキャラを受け継いだ主人公が犯行をたくらむ音」だという考察も見たけど、その考え方は私はちょっとな…。
だって主人公がキャラクターを継承する意味ないやん。主人公には主人公という名の「キャラ」があるんだから。

(追記)
って、観てすぐの時は思ったんだけど、沖田遊戯のキャラクター感想動画観て考えちょっと変わったかも…。
「すべての人は何かに影響されていて、己の確固たるキャラクターなんてものは存在しない」…なるほどなぁ~~~!!!!!

この理屈でいうと主人公がダガーになっちゃうっていうのもわかるかも。両角に影響されたってことか。
さすが沖田遊戯、映画にあまりに詳しいっ…!畳む


とにかく面白かった作品であることに変わりはない。楽しかった~~!!
死刑にいたる病

パン屋を営んでいた店主が連続殺人犯として死刑を宣告された。
その常連であった大学生の主人公は、彼の言う「起訴されたうちの最後の事件は冤罪である」という主張の真相を確かめるため、事件の調査にのめりこむようになっていく。

面白かったぁ~~~~~~!!!!!!うわさの死刑にいたる病!さすがにヒットしてただけあるな…。
途中までは真相を予想しながらハラハラし、死刑囚である榛村の言動にドキドキし、彼に狂わされていく周囲の人間にソワソワし…とあれこれ思いを巡らせながら鑑賞し、オチの付け方のエロさに嬉しくて、泣いた……。

正直途中で考えてた予想が全然めちゃくちゃ当たってたことへのガッカリ感もあったんだけど、それを補って余りあるエロさで…なんか…肩透かし感、全然…飛んだな…。
肩透かしというても「わりと予想できる範疇」ではあると思うし。

結局全部榛村の暇つぶしでした」てオチはだいぶ予想できるよね。できるんじゃないかな
さすがに死刑囚榛村なんでもできすぎて、スーパー殺人鬼すぎるだろ!というツッコミはあったんだけど…まあエンタメの範疇かな~!
道中でできた大学の彼女も榛村の魔の手が及んでたってオチはやりすぎちゃうんか?て思ったけど、
でも…でもあのオチめっちゃエロいし……あんなふうに落としたくなる気持ちもわかるから、四捨五入で許した。畳む


それに阿部サダヲの演じるサイコ殺人鬼めっちゃよかったしね。よかったから許した。
クリーピーの時の香川照之に感動したのに、映画自体の構成が尻すぼみすぎて悲しくなった当時の自分が、阿部サダヲの貫徹されたサイコ演技で無事に成仏できた感もあった。
ありがとう、阿部サダヲ
ありがとう、エッチなスリラー映画

「凶悪」の監督さんなんだけど、かなり「凶悪」との共通項があるように感じる。
映画的カタルシスや緩急に欠ける「凶悪」を見直し、もっとエンタメ的に再定義した印象があって、見やすくもあった。
#suspense #thriller #crime
LAMB

アイスランドの田舎で暮らす羊飼いの夫婦が奇妙な生物を取り上げた。
羊から生まれたにもかかわらず人間の胴体を持つ生命。
アダと名付けられたそれに、夫婦たちは狂わされていく。

#horror #thriller
期待してたんだけど、若干肩透かしだった作品。
好きな人はきっと好きだと思うんだけど、私にはちょっとテンポとカタルシスが足りなかった…

ありえんくらいアダかわいすぎる。そりゃみんな狂う。
しかも最後までアダ自体は純粋無垢でかわいいままだからね。
正直「アダ自体が実はとんでもない生命体で…」みたいなのを期待してたんだけど、そういう裏切りは全くなかったし、アダはパーンの子供で結局生まれた場所に連れ戻されてしまう。畳む

そのラストにいたるまでの「ひねり」があまりになさすぎて、ずっと平坦な一本道を歩かされて終わっちゃったなあ~っていう印象。
トレーラーの不気味さがピークだったかも。
神は見返りを求める

神のように優しい主人公はヒロインのYoutube進出を手伝う。
やがて彼女の活動は軌道に乗っていくが、与えた恩のすべては仇となって返されていく。
恩を仇で返す女」と「見返りを求める男」の壮絶な争いの結末は?

信頼が止まらない吉田恵輔監督の…スリラー…コメディ?恋愛?これのジャンルは…なんだ?
#comedy #romance #thriller
一部では「胸糞映画」として名高い本作。実際胸糞なポイントも多々あるんだけど、私には吉田監督の錯綜する悪意の中に光り輝く愛…見えたよ…。
ていうかこの人は多分マジでこればっかり撮ってる人で、実際なんかの試写会の時にそういうのが性癖という発言もされていたらしいです。
愛を悪意でくるまないと気が済まないフェチの監督。一生ついていきたい

ヒロインは本当にお礼が言えない嫌な女だし、主人公の暴走ぶりは怖いしなんだけど、そうして最悪の仲になってしまった二人の血さえ吹き出るような掛け合いに奇妙なケンカップル感が感じられるのがこの映画のなんか不思議なところ。
その関係は最終的に取り返しもつかない憎み合いにまでなって、実際ヒロインは命を脅かされるくらいとんでもない状態になってしまうのだけど、でもその憎み合いのなかに、なぜか確かな「愛」のかたちをとらえられる。

あのまま永遠に交差することがなく終わらせることもできたのに、最後にちょっと交差させて真っ黒な希望をチラつかせちゃうからこの映画は単なる胸糞で片づけられない魅力があるんだよな。
ジャンル…難しいけど、やっぱラブロマンスなのかも…。かな?
返校 言葉が消えた日

大ヒットホラーゲーム「返校」実写化作品。
戒厳令下の台湾、白色テロに翻弄される高校生たちの悲劇の物語を描く。

ゲーム版の「返校」が大好きで鑑賞したんだけど、やっぱゲーム版かな、の印象はぬぐえなかった。
#horror #thriller
初見だと少々説明不足に感じるし、ホラーとしての演出がむしろノイズになってしまう部分さえあったり。
原作のポエティックな雰囲気が好きなので、終盤の展開はウーンと思うところもなくはないけど、映画として盛り上げどころを作るならまあベターな落とし所なのかなという感じ。

ゲームが名作なので、映画版のストーリーもとても良かった…とは思う。勉強にもなるしね。
一見とっつきづらそうに感じる舞台設定を、ロマンスに落とし込んでわかりやすくしてるシナリオも大好き。
でも触れるなら絶対ゲーム版がいいと思います。マジの名作です。
CUBE 一度入ったら、最後

目覚めたら謎の立方体《CUBE》の中だった。
閉じ込められた男女6人。死のトラップ迷宮、ここに出口はあるのか?

1997年にカナダで公開された名作「CUBE」の日本リメイク版。
#horror #thriller

途中まではそんな酷評されるほどの映画でもなくない?って思いながら鑑賞してたけど、丁度1時間鑑賞あたりで「はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~????????????????」になってしまった作品。
なんならそこから先一気に「もういいや…」ってなってシークバー連打しながら見終えた。マジでひどかった

菅田将暉にだけ精神攻撃が用意されてる謎トラップは勿論のこと、
素数ある部屋なのにトラップが発動しないことへの説明も特になくなんかノリだけで進めるし…………畳む


まあ、オリジナルのCUBEも結局●●●●●だけが生き残るっていう(申し訳程度のネタバレ伏せ)オチには現実とキューブの中とのリンクするテーマ性を感じなくもないし、そこを掘り下げたくてこういう構成になったんかなとも思わなくは…ないけど…
でもいる?社会的弱者に対するメッセージ性、そこまで掘り下げる意義ある? CUBEで………CUBEでやる必要…ある…??
そうやって頑張って作ったメッセージ性もなんか…何回も同じこと繰り返しすぎてデロデロに伸びたTシャツみたいになってるし……
みんな、これ観るくらいならオリジナル版のCUBE見よう!
震える舌

破傷風に侵された少女と、それを看病する家族の闘病のようすを、ホラー風にまとめた異色作。
どんなホラーよりも手汗掻いた作品。
何が怖いって破傷風は現実に存在するのが怖いんだよね。こんな恐ろしい病気が現実にあって、自分たちの身にだって降りかかるかもしれない恐怖。
娘が文字通り死ぬほど苦しんでいるのに祈るしかできない絶望。どんどん憔悴していき、仲たがいまで発展してしまう家族の様子には本当に苦しくなった。
医者の偉大さにも感謝したくなるし、外から帰ってきたら絶対手洗おう…って思えます。
#horror #thriller
パラサイト 半地下の家族

韓国。キム一家が暮らしているのは半地下の貧乏アパート。
糊口をしのぐ生活を送る底辺家族の息子はひょんなことから上流一家・パク家の家庭教師として忍び込む機会を得る。
味を占めた彼らは悪知恵を働かせて次々に雇用人としてパク家に”パラサイト(寄生)”していく…!

本当の傑作。マジで見たほうがいい。
ジャンルとしてはブラックコメディ。けどスリラー要素満載、かつ社会派の側面も併せ持つ作品でもある。
#comedy #thriller #drama

韓国は実はかなり傑作の多い国で、今キテる国として評判だったりもする。
パラサイトはまさにその筆頭!
コメディチックな前半部から急転直下、スリラー映画に変貌する予想もつかない展開!それがシームレスに続き、「パラサイト」にしかない独特のジャンルを形成しています。マジで面白い。
あまりに高すぎるエンタメ性と同時に、韓国における格差にまで切り込んじゃう。そらカンヌ獲りますわな。

パラサイトは「本当に面白い映画」なので、ぜひ2回は視聴してほしい。
ていうのも画づくりでも妥協してないことが2回目だとよくわかるんすよね。
たとえば「貧乏一家のキム」と「上流一家のパク」との間には絶対に隔たりができるようにカメラワークされていたりする。ガラスの壁とか柱によってね。
「パク家は下から上」「キム家は上から下」に映すように撮られていたりして、これも明確に「格差表現」として作用してたりする。マジでエグい。

もちろん「貧困層」は、それそのものはキツい存在ではあるんだけど、貧困社会の中で生きるキム家をあくまで笑える存在として描いている。けれど後半では「努力などではどうしようもない、生まれついての隔たり」をありありと見せつける。
最初がコメディなのでぬるっと乗せられちゃうんだよね。けどその乗ったジェットコースターって「衝撃的なスリラー的結末」に帰結してるわけで。

本当に観てほしい。観てー!!!観てみてみてみてみてみてみー!!!!!
ペット 檻の中の乙女

動物保護センターに勤める男。ある日同級生の女性を見かけて気にするように。
しかし相手にされず、彼は彼女をつけ回し、ついには誘拐・監禁してしまう。
だが囚われた女性の方も黙ってはおらず、思わぬ反撃に出ていく…!

#horror #suspense #thriller
エロい同人誌だった。(は?)
一見ヤバい男に翻弄される女の物語かと思ったら女の方がむしろヤバかったみたいな映画。

最初は女視点で鑑賞していくことになるけど、やがて男に同情してしまう。
まさかの展開に裏切られる監禁スリラーで、結構面白かったです。
CUBE

目が覚めると謎の立方体に捕らえられていた数人の男女。
接点の無い彼らは、誰が何の目的で閉じ込めたのかも分からないまま、死のトラップが張り巡らされたこの立方体からの脱出を試みる。

SAWなども影響を受けたと言われている良映画。
#suspense #thriller #horror
後になって日本版でリメイクされたりもしてるけど、オリジナルの方が圧倒的に面白い。

終始密室の中で展開されるサスペンス、次々に現れる殺人トラップを掻い潜るために知恵を凝らす登場人物たち。
この手の映画の先駆けといわれているようなんだけど、実際なかなか面白かったな。

正直後発の「この手の映画」をもう何本も観てしまってるから、このCUBEに対する目新しさを感じることはなく、物足りなさを覚えてしまった面もあったんだけど、スキがなく完成されてるのは事実であり、後世に影響を与えまくってるのは実際スゴイ。

おそらくかなりの低予算だと思うんだけど、それを感じさせない工夫が沢山で、考えさせられる後味も抜群にきいてる。
短いので、多少のグロが大丈夫ならぜひ観てほしい。
ヒメアノ~ル

清掃会社で働く青年は退屈で孤独な毎日を送っていた。
ある日、同僚から女性への取り次ぎを頼まれた彼は、彼女が働いている職場へと向かう。しかし、彼はそこで高校時代に過酷ないじめを受けていた同級生と再会する。

キュートでシュールなラブコメポップと快楽殺人鬼の猟奇スリラーを反復横跳びする変わった映画
#romance #thriller #comedy #suspense
私はこの作品で吉田恵輔という監督さんを知ったのだけど、このヒメアノ~ルがあまりに性癖に刺さりすぎて、以来一生ついていっています。

このヒメアノ~ル、タイトルコールが中盤部分にあるんだけど、まさにそれが「ラブコメポップ」と「サイコスリラー」の繋ぎ部分であることを意識した作りになっていて、ここのタイトルの演出の2ジャンルの繋ぎ方の妙はその筋のオタクの間では語り草になっている。…と思う。
タイトルコールなのにもかかわらずヒメアノ~ルを象徴するシーン。
勿論そこ以外にも見どころ一杯!!!!

セールスポイントのひとつに殺人鬼役をV6の森田剛が演じているというのがあるんだけど、彼マジで演技うまいっすね…。
全然役柄にひけを取ってないし、いつ暴発するかわからない危険性を見事に演じ切っている。
「殺人鬼ってマジでうまく日常に溶け込んでて、我々もいつ殺されるかわからないんや…」て感じてしまう。

ラブコメパートの癒し枠であるムロツヨシもめちゃいい。彼はラブコメパートの砦をつかさどる存在であるのだけど、そんな彼も加速していくスリラーパートに主人公ごと呑まれていってしまう。
ムロツヨシは吉田監督の後作品である「神は見返りを求める」にも主演で出てるからそっちもぜひ。

私はこの映画版ヒメアノ~ルがあまりに好きすぎて原作も買いました。あの「稲中」の作者さんなんだよね。
正直殺人鬼である森田くんの動機設定からして映画版と漫画版では違いすぎて驚いた。
動機設定は当たり前に漫画版の方が良かったんだけれど、映画版の「エンタメに落とし込むため」に振り切られた設定改変もかなり良かったなあ。どっちも名作
ミッドサマー

心に闇を抱えた女子学生。心配した恋人は彼女をスウェーデン旅行に誘う。
彼らが訪れたのは、小村で90年に1度開かれるという特別な夏至祭。
村人たちに笑顔で迎えられた一行は、9日間にわたって行われるおぞましい祝祭を体験することになる。

アリアスターの名を世にたらしめた怪作。
#horror #thriller
この映画をホラーだと思って撮ってないらしいよ。おそろしいね。

いわゆる因習村作品で、村のカルト思想に毒された主人公が狂っていってしまうのだけど、主人公が呑まれてしまった「狂気」は元来主人公が抱え続けている闇を奇遇にも癒やしてしまう。
だからホラーじゃない、っていうのはわからんでもないんだけど、でもやっぱアリアスターって頭おかしいだろ。
この作品を観てから、アリアスターが過去に撮ったと言われる短編映画もいくつか鑑賞した(The Strange Thing About Johnsons、Munchausen)のだけど、全部狂ってた。この人が一番怖い。

ただ、美しさと不気味さが見事に共存した世界観や美術は一見の価値あり。この作品が持つ独特の気持ち悪い魅力は実際一回は体感してみてほしい。
体感した結果「もう一生観たくない」になる人も相当数いると思うけど…………。

気持ち悪かったな。アリアスター監督は男性なんだけど、これほど女性的な気持ち悪さを的確にとらえて映像化できるんだ…っていう嫌な感嘆もあった。本当に不快。でも好き。
ヘルタースケルター

芸能界の頂点に君臨するスター。彼女には全身整形だという秘密があった。
手術の後遺症がりりこの身体を蝕み始める。やがて彼女の運命は世の中を騒然とさせる事件へと繋がっていく。

写真家として有名な蜷川実花がメガホンを撮った映画なんだけど、マジでつまんなかった
2時間ある沢尻エリカのプロモーションビデオだと思って観た方がいい。
#suspense #thriller

主人公が堕ちていく姿に魅力がないわけじゃないんだけど、全体的にくどいっていうのかな。
進行が冗長に感じたし、ウリでもある蜷川監督のセンスのある美術は最初はいいんだけど2時間視聴してるとさすがに疲れてくる
センセーショナルなシーンは「これが見たいんでしょ?」みたいな浅い姿勢を感じてしまうし、似たようなカットも多く感じる。ダレる。

沢尻エリカは意味わからんくらい美人だし、観てて飽きないんだけどね…。
クリーピー/偽りの隣人

ある一家の隣に引っ越してきた隣人は、善良だがどこか奇妙な雰囲気を持っていた。
犯罪心理学者である夫が気付いた頃には既に遅く、彼の何気ない会話に翻弄され、一家の歯車は狂い始めていた。

#crime #thriller #suspense
なんで…?ってなる作品。
前半はマジで面白い。前半は面白いだけに、後半のがっかり感が半端ない…。

香川照之の持つ「違和感」としか言いようのない不気味なオーラは本当に流石で、彼の演技力にはガチでめっちゃ震えた。
それだけに後半の失速と雑さに本当にがっかりさせられる。もう少し丁寧に、しっかりと積み上げていたなら、名作になっていたはずだろうに……

香川照之の演技だけは見てほしいかな。ほんとにすごい。
「なんか関わっちゃいけない人感」は確かに感じるのに、喋ってみると優しいから、わいの気にしすぎだったかも…て思っちゃう。

あともし観るなら絶対先に映画の公式トレーラー見ちゃダメ!!!!!!!めっちゃネタバレだから!!!!!!
あそこのシーントレーラーに使っちゃうのありえねえだろ!!!!!!!
セブン

引退を控えたベテラン刑事は、新米刑事と共に殺人事件を捜査することに。
2つの現場には、同様に文字が残されていた。それを見た彼は、キリスト教における「七つの大罪」に絡めた犯行であり、この犯行はまだ続くのだと気づく。

「衝撃のラスト」がよく取り上げられる本作。
実際ラストはかなり衝撃で、驚愕の余韻が残る映画になっているのだけど、それだけじゃなく犯人の動機にもとても考えさせられる、名作クライム。
#crime #thriller #suspense

「セブン」というのは勿論「七つの大罪」を意識したネーミングになっているんだけど、それだけじゃなくて「7」という数字がかなり意識的に散りばめられてるんだよね。
定年退職まであと1週間。最後の犯行は午前7時。美しいぃ~

犯行の結末もとても練り上げられていて、この手の「犯人の手で踊らさせられる刑事映画」のある種の完成形でもあると思う。
単純に「七つの大罪になぞらえた犯行」というワードも中二心を誘う。ブラピもマジでカッコいい。
凶悪

スクープ誌の記者は、死刑囚からの手紙を受け取る。
内容は、彼がまだ立件されていない事件に関与していること、さらなる事件の首謀者「先生」の存在を明かすものだった。
記者は事件の調査にのめり込んでいく。

とても面白いクライム映画。
#crime #suspense #thriller
犯人役であるピエール瀧&リリーフランキーの所業はまさに「凶悪」。悪魔のような彼らの所業にはつい気持ち悪くなってしまう。
実話がもとになっている作品らしく、実際にこんな人間が世の中に存在するのかと思うと頭が痛くなっちゃう。
裏社会の様子や介護問題にも触れていて、淡々とした陰鬱な映像の中に人間の悪意が底知れぬほど渦巻いている。

ラストカットがめっちゃいいね。
このような実話をもとにしたクライムを喜んで視聴する我々もまた「凶悪」なのではないか?と考えられる、悪い意味で胸をうつラスト。
とにかく重く、希望やカタルシスもない、ただ静かに人の悪ばかりを描く映画なので、鬱映画の中でもけっこう観る人を選ぶと思う。
悪の教典

非の打ちどころのない高校教師。しかし彼は生まれながらのサイコパスにして凶悪な殺人鬼であった。
問題だらけの学校で、彼は己の欲と目的を満たすためだけ、殺人を繰り返していく…

#violence #thriller #crime
「僕の考えた最強のイケメンサイコパス」映画。マジで本当にそれしかない。
この映画の楽しみ方は「顔があまりに良すぎる伊藤英明が、決め台詞言いながらクソガキを殺していくさまを、「エロ~~~~~~!!!!!!!」と言いながら鑑賞すること」です。
イケメンの殺人鬼という用語が大好きな、中二病が一生治らないキツいオタクはみんな悪の教典好きだと思う。
ほんとに伊藤英明かっこ良すぎる。
こういう映画をずっと観てたいよね。多分「一生」…かな
ゴーンガール

都会育ちの人妻。2人は理想のカップルに見えたが、結婚記念日に彼女が失踪する。
幸せそうな結婚の裏にあった綻びが明かされる中、やがて彼に妻殺害の嫌疑がかかることに…

新婚さんは観ない方がいい映画。
#suspense #thriller
「結婚」の嫌さを存分に描きつつそれをサスペンスに昇華している。妻はとにかく怖いけど、彼女の視点で鑑賞していくと後味の悪いカタルシスが待っている。

なんとなく、男女で意見が分かれそうな映画に感じた。
私は「妻!いいぞー!行け行けー!」って気持ちで観れたけど、男性の知り合いは「もう一生観たくない」と妻の描写にトラウマを抱えている様子だった。面白い。
渇き。

障害事件を起こして職を失った元刑事の男が、別れた妻から娘が失踪したことを知らされて捜査に乗り出す。
しかし、誰をも魅了する優等生だったはずの愛娘には、恐るべき裏の顔があった。

周囲を滅ぼすファム・ファタールである娘を中心としたサイコスリラー。
#thriller #suspense #drama
中島哲也監督特有の「不謹慎ポップ」な演出がこの映画でも多分に使われていて、若干の見づらさはあるものの、ファムファタールの娘に狂っていく周囲の様子はエロくてシコれるし、小松菜奈はマジでハマってる。

ちょっと残虐描写と心理描写をうまく盛り込めずに喧嘩しちゃってる印象があって、飲み下しにくい映画なのが欠点なんだけど、グロい描写にエロスを感じられるフェチのオタクには一旦とりあえず鑑賞してみてほしい。
主人公の役所広司がまた狂ってるのも味出てていいんだよね。
エスター

第三子を流産してしまった悲しみからなかなか立ち直れない夫婦。
夫婦は悲しみから立ち直るために、孤児院から子供を引き取ることを決める。
彼女の名はエスター。しかしエスターには、他の子とは一線を画した、恐るべき秘密を持っていた…

名作ホラー。ビジュアルがとにかく美しい。
ヒロインであるエスターがほんまにかわいい。ネタバレがとにかく肝要な映画なので多くは語らないけど、彼女の演技力とオーラにはマジでビビらされる。
エスターは古風なドレスを好む変わった女の子なのだけど、このドレス(いわゆるクラロリというやつ?)がとにかく似合ってて本当にかわいい。
勿論ストーリーも面白い。
一応ホラーに分類される映画なのだけど、怖さは控えめで気軽に見れる作品でもあるので、ぜひ教養の一環として見てほしい~!
#horror #suspense #thriller

本編とは無関係なんだけど、エンドロールの演出がとにかく最高。
告白

とある中学校に勤務する女子教師の娘が殺された。犯人は彼女が担任するクラスの中にいる
教え子に容赦ない復讐劇を始める、狂っていく女の物語。

映画って最高!?になったきっかけかもしれない。
私は告白を見るために生まれてきたんだ…とさえ感じた…

マジでガチで面白い。痛快な復讐劇。
誰もに同情の余地があって、誰もに同情の余地がなくて、露悪的な演出があって、全然観客に寄り添ってくれない、黒い疾走感
初鑑賞からだいぶ経つけどいまだに思い出すたびに射精できる。全部悪趣味で、悲しくて、共感できて、急に突き放されて、絶望のズンドコで路頭に迷いながらシコる。この気持ちにずっとなりたかった。ありがとう…
松たか子の圧倒的演技力に震えろ!

一応ジャンルとしてはサスペンスに分類されるんだけど、謎解き要素はそんなに多くない。
むしろ子供たちの過去や主人公の背景を紐解いていく場面が多い。クライムスリラーが近めに感じる?
#suspense #crime #thriller #drama
ブラック・スワン

バレエ団に所属する主人公は、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。
そんな彼女に「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのライバルが現れる。
役を争いあううち、やがて主人公は自らの心の闇にのみ込まれていく…

完璧にプリマを演じ切る」ことに終始するあまり、どこまでが幻覚で現実なのか境界線があやふやになっていくストーリー。
つまり「プレッシャーにむしばまれ、キャラクターと自分の境界線を失っていく」映画なんだけど、どんどん夢が現実に侵食してくる様子は多少難解に感じられる部分もあるかもしれない。
#thriller #drama

でもだからこそ彼女がブラック・スワンを演じるシーンはマジで圧巻。抑圧からの本当の意味でのカタルシスを感じられる。
未熟だった少女が狂気のはざまで皮肉にも覚醒していく。
痛い部分もちょこちょこあるけど、興味があればぜひ観てほしい。
キル・ビル

とある暗殺団の元エージェントの女は、4年間の昏睡を経て奇跡的に目を覚ます。彼女は自分の結婚式でかつてのボスと手下たちに襲われ、頭を撃ち抜かれたのだった。
友も夫も、胎内の子も殺された彼女は復讐の旅に出発。殺し屋たちを相手に死闘をくり広げる。

#action #comedy #thriller
面白かった!不思議な魅力にあふれている作品。
外人が考える間違った日本観」をわざとふんだんに投影させていて、片言の日本語が笑えるし、急に挟まる謎アニメ調、アジアンで美しい敵アジトの様子など見所満載。アクションもかっこいい!
金髪の白人美女が刀を振り回し、鎌を持った女子高生と戦うという尖ったセンスは現代でも全然通用しちゃうレベルで先鋭的。

タランティーノ作品はこれしか観たことがないのだけど「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」はチェンソーマンの作者さんも絶賛しているらしいし、「パルプ・フィクション」もいつか観ないとだなあ。
バトル・ロワイアル

BR法。それは恐怖政治を選んだ大東亜帝国で可決された恐怖の法案。
全国から無作為に選ばれた中学の1クラスに、最後の1人になるまで殺し合いをさせるというその狂った法案に選ばれてしまった生徒たちのバトルロワイアルがはじまる。

あらすじいる?てくらい有名な作品。
バトロワが流行りすぎたあまりパロロワ(バトルロワイアルのパロ)のスレが2chにいくつも経っていたというのはインターネット老人の話。
私もバトロワはめちゃ大好きな作品で、小説版も映画版も漫画版も全部読んだ
灯台のシーン、最高!!!!!!!!!!!!!

映画版にフォーカスすると、マジでビートたけしがいい味出してる。
このビートたけし演じる先生は原作や漫画だとそこまで前に出ないポジションなんだけど、映画版はかなりの中心人物に置かれていて、彼の存在がこの映画版バトロワに相当の「メッセージ性」をもたらしていると思う。
いやバトロワにそんなもんいらないんだけど

あと若い頃の藤原竜也とか、俳優やってた時代の山本太郎とか見れる。
#violence #action #thriller #survival
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