movie memo

映画感想を載せる場所

2023年 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

LAMB

アイスランドの田舎で暮らす羊飼いの夫婦が奇妙な生物を取り上げた。
羊から生まれたにもかかわらず人間の胴体を持つ生命。
アダと名付けられたそれに、夫婦たちは狂わされていく。

#horror #thriller
期待してたんだけど、若干肩透かしだった作品。
好きな人はきっと好きだと思うんだけど、私にはちょっとテンポとカタルシスが足りなかった…

ありえんくらいアダかわいすぎる。そりゃみんな狂う。
しかも最後までアダ自体は純粋無垢でかわいいままだからね。
正直「アダ自体が実はとんでもない生命体で…」みたいなのを期待してたんだけど、そういう裏切りは全くなかったし、アダはパーンの子供で結局生まれた場所に連れ戻されてしまう。畳む

そのラストにいたるまでの「ひねり」があまりになさすぎて、ずっと平坦な一本道を歩かされて終わっちゃったなあ~っていう印象。
トレーラーの不気味さがピークだったかも。

2022年 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

万引き家族

とても貧乏で、万引きをしないと生きていけないような家族。しかし彼らは幸せだった。
ある日、父は近所で1人の幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れ帰ることに。
そうして日々を過ごすうち、歪な形でつなぎ留められていた家族の形は、やがて瓦解していく。

#drama #crime
友達に「私はもう見たくないけど、ネズはきっと好きだと思う」とオススメされた鬱映画。めっちゃ良かった………好きだ……(鬱映画しか愛せない悲しいウォリアー)

まず「万引きしないと生きていけない」てところにすでに悲哀が詰まってるんだけど、この映画はそれ以外にも「社会の底辺」を至る所で描いているからこそ、一見コメディ的で温かに見える家族の在り方に対する絶望とやるせなさが半端ない。
実は家族は底辺の寄り集まりではなく血の繋がりがない、というところも絶望ポイントで、血は繋がっていなくても家族であることにはかわりないという絆と、確かで小さな愛だって同時に描いているのだけど、けどそんなもんじゃこの世界はどうしようもない。畳む
家族愛や絆じゃこの底辺の世界は変えられないし、なんにもならない。そういう「静かで救われない絶望」がこの映画にはもうむちゃくちゃこめられてて、本当に息が詰まります。
ラストのリリーフランキーで悲しくて胸が張り裂けそうになって鬱勃起したので、よかったです。
生きている

ゾンビパンデミックが起こってしまった韓国・ソウル。
ゲームオタクの主人公はマンションの部屋に閉じこもり、わずかな情報を使って生き残りサバイバルをはじめる。

#horror #action #survival
それなりにおもしろかった。
「マンションで籠城するゾンビ映画」がテーマになってて、SNSや現代テクノロジーを使ってなんやかんやする展開がこの映画のウリ。
ゾンビ映画としてはだいぶこじんまりしてるけど、そのぶん現実的に仕上がってると思った。
暇な日にサラッと観るにはいいかんじのゾンビ映画。

籠城ものの割に主人公とヒロインが最後までずっと綺麗なので、せめて無精髭生やしたりすこしビジュアルの荒れで日数の経過を表現してほしかった…笑

2021年 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ターミナル

ニューヨークの国際空港。母国クラコウジアからやってきた男はニューヨークに降り立つ直前に足止めされてしまう。なんとクラコウジア政府がクーデターのために事実上消滅してしまったというのだ。
入国ビザは取り消し、戻ることも進むこともできない。
男は国際空港で寝泊まりしながらも、持ち前の人徳で空港の人々と交流を持つようになっていく。

め~~ちゃ好きな作品。ラストはちょっとの苦みがあるけど、総合してハッピーなロマンスコメディ。
#romance #comedy #drama

クラコウジアの通貨も使えなくなっちゃうもんで、四苦八苦しながら工夫して空港内でなんとか食を得ようとするんだけど、その工夫がめっちゃ楽しい。
ベッドも空港にあるわけなんかなくて、待合室の長椅子をくっつけて勝手にベッドにして寝るんだけど、そういう生活になんかちょっと奇妙な憧れを抱いちゃう。
持ち前の明るさと優しさで主人公はどんどん従業員の人と仲良くなっていって、やがて恋をするのだけど、彼女を振り向かせるために従業員と協力して、ありあわせのシチュエーションを作って…って、そういう「あるものをなんとかそれっぽく繋ぎ合わせて工夫して良いものにしていく」姿が、素朴だけどなんかイイなって感じるんだよね。

空港の人たちにもどんどん愛着がわいて、ただの空港がなんかステキな場所に思えちゃう。
すべてが上手くはいかないこともあるんだけど、でもこんな愛嬌のある主人公ならきっとこれからも素敵な人生を送れちゃうんだろうなって思える、ハートフルで優しい映画。

清掃員たちが一流のコンシェルジュに扮してヒロインをおもてなしするシーンがあるんだけど、あそこがもうめ~~~~~~ちゃ子供の頃から好き…。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする

美大生である主人公は、大学へ行く電車の中でヒロインに一目惚れ。
勇気を出して声をかけるが、彼女は「また会える?」という言葉に突然泣き出してしまう
やがて2人は付き合い始いはじめるが、彼女には大きな秘密があった。

王道の恋愛映画。
恋愛映画なんだけど、この映画はめちゃくちゃ設定が面白くて、ちょっとSFに近い側面を持っている。
#romance #SF

その設定を語ってしまうと全部ネタバレになっちゃうので伏せるんだけど、
ヒロインと主人公の時間軸が逆に進んでいるんだよね。
主人公は昨日から明日に時間が進んでいる世界の人間だけど、ヒロインは明日から昨日に時間が進んでいる世界の人間。
だから、主人公にとってはヒロインとの日々は「出会い、恋をして付き合って、関係を深めていく日々なのだけど、ヒロインにとっては逆で「深い関係からどんどん距離が遠のいていき、やがて「付き合っていなかった頃の自分たち」に戻り、そして別れの時が来てしまう。畳む


この設定がすごく面白い。あと特性上ぜったい2回視聴したくなっちゃう作品。とても切ない。
とりあえず何も知らずに観てみてほしい。そして観終わったらもう1回観てほしい!

back numberの名曲「ハッピーエンド」はこの映画の主題歌でもある!
一生聴き続けてる
パラサイト 半地下の家族

韓国。キム一家が暮らしているのは半地下の貧乏アパート。
糊口をしのぐ生活を送る底辺家族の息子はひょんなことから上流一家・パク家の家庭教師として忍び込む機会を得る。
味を占めた彼らは悪知恵を働かせて次々に雇用人としてパク家に”パラサイト(寄生)”していく…!

本当の傑作。マジで見たほうがいい。
ジャンルとしてはブラックコメディ。けどスリラー要素満載、かつ社会派の側面も併せ持つ作品でもある。
#comedy #thriller #drama

韓国は実はかなり傑作の多い国で、今キテる国として評判だったりもする。
パラサイトはまさにその筆頭!
コメディチックな前半部から急転直下、スリラー映画に変貌する予想もつかない展開!それがシームレスに続き、「パラサイト」にしかない独特のジャンルを形成しています。マジで面白い。
あまりに高すぎるエンタメ性と同時に、韓国における格差にまで切り込んじゃう。そらカンヌ獲りますわな。

パラサイトは「本当に面白い映画」なので、ぜひ2回は視聴してほしい。
ていうのも画づくりでも妥協してないことが2回目だとよくわかるんすよね。
たとえば「貧乏一家のキム」と「上流一家のパク」との間には絶対に隔たりができるようにカメラワークされていたりする。ガラスの壁とか柱によってね。
「パク家は下から上」「キム家は上から下」に映すように撮られていたりして、これも明確に「格差表現」として作用してたりする。マジでエグい。

もちろん「貧困層」は、それそのものはキツい存在ではあるんだけど、貧困社会の中で生きるキム家をあくまで笑える存在として描いている。けれど後半では「努力などではどうしようもない、生まれついての隔たり」をありありと見せつける。
最初がコメディなのでぬるっと乗せられちゃうんだよね。けどその乗ったジェットコースターって「衝撃的なスリラー的結末」に帰結してるわけで。

本当に観てほしい。観てー!!!観てみてみてみてみてみてみー!!!!!
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