movie memo

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2016年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

冷たい熱帯魚

仕事でも家庭でもうまくいっていないうだつの上がらない主人公。
ひょんなことで大型熱帯魚店を営む経営者のビジネスに協力することになる彼だったが、それはあまりに猟奇的な絶望への引き金だった。

はじめて見た園子音作品。良かった…。
私は本当にこの作品が大好きで、人にめっちゃ勧めたのだけど「グロと殺人以外何もねえじゃねえか!」て返されたいわくつきでもある。実際そう…

この、熱帯魚店経営者である村田という男がマジの頭のおかしい殺人鬼で、彼にかかわってしまった社本が殺人に関与したり、死体をバラしたりと狂った事態に発展してってしまうのだけど、でも実際ほんとにそれだけで、「グロい!エロい!うれしい!」と喜べる異常者だったら多分この映画は楽しい作品なんだろうけど(※私)、そうじゃなかったらもうなんもないと思う。カタルシスもない、共感性もない、メッセージ性もない。

しいて言えば主人公がちょっと覚醒するくだりはカタルシスを帯びてるかもしれないけど。でも、がけっぷちに追い詰められて「しゃらくせぇ~教訓」を振りまいてるにすぎない姿からメッセージ性を感じて心に残せってほうが無理があるし。

でも「それだけ」だからこそ名作なんだよね。
グロい、エロい、見せかけの教訓めいた説教事だけを、血と臓物とともにキャストの怪演によって押し付けられる…!!!!!
逆に360度回って清々しい!これが鬱映画好きに刺さらないわけがあるか!!!!!!!!

一時期作業BGMにしてたくらい好きな映画。でんでんの叫び声!悲鳴!ブシャーッ!!!!!
#horror #crime #violence

2015年4月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

悪人

小さな漁村に住む主人公は、出会い系サイトを通じてある女性と出会う。
主人公は世間を騒がせている殺人事件の犯人だった。
二人の奇妙で切ない逃避行が始まる。

私の好きな監督のうちのひとりが李相日なんだけど、彼を知った作品がこれ。 #drama #suspense #romance

悪人というタイトルは主人公やヒロインを多角的に観た時に、彼らを悪人と断罪できるのかというテーマ性に触れたものになってるんだけど、そこ以上に「出会ったばかりの犯人と逃避行してくれる、人生捨ててる女」という切ない存在への気持ちの方が私は乗ってしまった。
エモかった。よかった…。

誰しも持っている心の弱い部分をすり合わせることでしか一緒にいられない、そんなふたりを描いている作品で、悲しくも胸をうつ。
そして弱いから過ちを犯してしまうし、けれどそれは「悪人」なのか…みたいな。そんな作品。

妻夫木聡はほんまにあちこちで見る人だけど、やっぱりすごいなあ~。
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