movie memo

映画感想を載せる場所

2017年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

怒り

犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所に、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こる物語。
千葉編・東京編・沖縄編の3つの物語を反復横跳びしながら映していく映画なんだけど、もう~~~~すごかった…。
劇場で観たんだけど、マジのでかい溜息しか出てこなかった。すごかった…
#drama #crime #suspense

犯人未逮捕の殺人事件、というのが軸にあって、この容疑者として疑われている千葉・東京・沖縄の3人の男たちを中心に描く。
疑われることの怒り。信じられないことの怒り。本当にいろんな人の様々な「怒り」が緻密な筆致で2時間強まるまる描かれていて、容赦なく流されてくるから溺れちゃいそうになる…。

犯人の動機も私はとても共感できた。彼が持っていた怒り、けど彼の犯行のせいでやっぱり周囲の人もまた新たな傷を負って、どうしようもない怒りにかられてしまう。悲しい連鎖。

とにかく怒涛の心理描写が襲い掛かる作品なので、体力気力を持って視聴するべき。しんどい時に観るとだいぶやられちゃうかも。
色々な問題提起だってされている。LGBT、沖縄問題、レイプ。後味も悪い…。
ちょっと「一本筋」が見失われてる感はある気がするんだけど、それでもこの映画の持つ「重量」は他の映画数本分あるように思えていて、そこがやっぱりすばらしいなと思う。
李相日監督、人間に詳しすぎる。

2017年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

美女と野獣

中世フランス。村いちの変わり者と言われていたベルは、迷い込んでしまった父を取り戻すため森の奥の城へと趣き、そこで恐ろしい風貌の野獣と出会う。
人を愛せない限り元の姿に戻ることができないという呪いをかけられた彼とベルは、徐々に心を通わせ、真実の愛を知っていくこととなる。

ディズニーの名作「美女と野獣」!
アニメ版がめちゃめちゃ好きで、日本語版も原語版も何度も観ていたヘビーオタクだったんだけど、このたびエマワトソンが主演で実写化するということでもうめっちゃ期待を持って鑑賞。実際超良かったです。
#musical #fantasy #romance

とにかくCGのクオリティがすごい。違和感はなく、愛嬌はたっぷりにある家具たち、ベルじゃん…てくらい再現度高いエマワトソン。野獣のオリ曲もあるしガストンはマジでいい声!
一点、中世フランスに黒人が堂々といたり、ル・フウがゲイであるという改変がなされている点だけはこのころのディズニーのポリコレ配慮闇時代の息吹を多少感じるんだけど、でもこの「美女と野獣」はポリコレ地獄時代の初期ころに作られた作品だったからそこまで鼻につくような感じは個人的にはなくて、良いバランスであると感じた。

「ひとりぼっちの晩餐会」はマジで絶対観るべき!!!!
あとセリーヌディオンの歌うエンディング曲がすごく好きで、じっとりと泣ける…。良い…。

2017年8月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

セブン

引退を控えたベテラン刑事は、新米刑事と共に殺人事件を捜査することに。
2つの現場には、同様に文字が残されていた。それを見た彼は、キリスト教における「七つの大罪」に絡めた犯行であり、この犯行はまだ続くのだと気づく。

「衝撃のラスト」がよく取り上げられる本作。
実際ラストはかなり衝撃で、驚愕の余韻が残る映画になっているのだけど、それだけじゃなく犯人の動機にもとても考えさせられる、名作クライム。
#crime #thriller #suspense

「セブン」というのは勿論「七つの大罪」を意識したネーミングになっているんだけど、それだけじゃなくて「7」という数字がかなり意識的に散りばめられてるんだよね。
定年退職まであと1週間。最後の犯行は午前7時。美しいぃ~

犯行の結末もとても練り上げられていて、この手の「犯人の手で踊らさせられる刑事映画」のある種の完成形でもあると思う。
単純に「七つの大罪になぞらえた犯行」というワードも中二心を誘う。ブラピもマジでカッコいい。

2017年4月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

おくりびと

ひょんなことから納棺師の見習いとなった元チェリストの主人公。
日々とまどいながらも様々な死と出会い、見つめ、やがて成長していく。

本当の名作。おくりびとに出会えた喜びに、感謝… #drama

納棺師にフォーカスした映画なんだけど、「死」のおぞましさとか根源的恐怖とかそういうのではなくて、一種の「門出」でもある「死」を、尊厳を持っておくりだす人々の、敬意と愛に溢れた映画。
この「納棺師」という職業に徐々に誇りを持っていく主人公と、「死」を「けがれ」として軽蔑する妻の広末涼子との対比がよくて、妻側の視点と相互理解の描写があることによってこういった職業に対するさまざまな見方を補完しているなぁ~と。

月並みな言い方になっちゃうけど、「死を貴ぶこと」は同時に「生への賛歌でもある」んだよね。いつかの”卒業”のために、生を責任を持って正しく全うするべきで、終始穏やかで優しい語り口調で生命の在り方を謳う本作であるのになんかちょっと姿勢が正される。自分の命だって本当は神聖で、貴ばれるべきものなんだ、って思えるというか。

死生を扱う作品だからとても重いテーマのはずなんだけど、全然そう感じさせないのも本当にすばらしい…。
そもそも「死生」という現象自体に重さなんてものはないはずなんだよね。「そこに当たり前にあるもの」が「死生」であるはずなんだということを、優しい描き方で再定義してくれる。

マジで素晴らしい作品。邦画っていいなと思う。
だから私は邦画が好きなんだよな。

2017年3月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ミュージアム

雨の日だけ起きる猟奇殺人。己をアーティストと呼び犯行に興じる犯人を追う刑事。
真相に近づくごとに、やがて犯人の驚愕のターゲットが浮かび上がっていく。

#suspense #crime #violence
和製セブンとか劣化セブンとか言われている作品。実際まあそうだと思う…。
殺し方とか、事件のテーマは面白いと思うんだけど、進んでいくごとに綻びが見えていくし、登場人物がとにかく絶叫して衝撃を受けてればそれでいいってわけじゃないんだよ。
小栗旬と妻夫木聡をあまりに無駄遣いしすぎだし、オチはお前それ…今やってたら叩かれるだろって思うし……。

でも私はわりと好きで… ていうのは血がいっぱい出るし殺人がいっぱいあるから……(…)

〇〇の刑と称された殺人方法がイイよね。
「母の痛みを知りましょうの刑」、天才すぎだろ…。
ニートが出生体重分の肉を剥がれて殺されるやつね。
あの刑を見れただけで満足してる部分ある畳む


これ見た当時、「テーマ性に富んだ芸術家殺人鬼ってやっぱ中二病だから好きだわ~」て思って、同人誌に反映させた記憶ある

2017年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ドーン・オブ・ザ・デッド

ある日主人公が目を覚ますと、街中がゾンビだらけでパニック状態。
愛する夫までがゾンビ化し、命からがら逃げ出すことに。
主人公と数名の生き残りは、近所のショッピングモールに立てこもり、奇妙な共同生活を始めるが……。

ホラー映画の古典である「ゾンビ」のリメイク作品…らしい。
私は「ゾンビ」を観た事がないのだけど、実際この「ドーンオブザデッド」はとても「基本のゾンビ映画」に沿っているように感じた。
#horror #survival #action

ゾンビの恐ろしさは勿論のことなんだけど、ショッピングモールでの籠城という王道を押さえた展開、そこで巻き起こる人間関係がこの映画の魅力になるのかな。
パンデミックの様子、緊迫感、仲間割れ、自己犠牲、ゾンビ映画に期待してるすべてが「ちゃんと入ってる」っていう印象。
絶対に観て損はない。

「妊婦さんが感染し、お腹の子にまで…」という展開があって、萌えたな…。
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