movie memo

映画感想を載せる場所

2022年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

シャッターアイランド

孤島シャッターアイランドには、精神を患った犯罪者を収容する病院がある。
とある女性患者が病院から姿を消してしまったという話を聞きつけ連邦保安官の主人公が捜査のために島を訪れるが…。

何も知らずに観たんだけど面白すぎてひっくり返った。名作やんけ!!!!!
#drama #suspense

謎の根幹がかなり肝要になってくる映画なので「何も知らずに視聴する」がベストなんだけど、ある程度知っちゃっててもわりと楽しいかも。っていうのは、わりと「主人公や島に隠された秘密」には、観ていくうちに自然と辿り着ける構想になっているから。
ここの「衝撃の秘密」も勿論面白いんだけど、この映画を名作たらしめているのは本当にラストの3分くらいで最後に主人公が残す驚愕のセリフにあるかなと思ってる。

これはあとで知った話だけど、「シャッターアイランド」という単語自体がアナグラムになっていて、作品の秘密を示唆しているらしい。作りが細かい!
この作品の中で扱われている最大級のテーマ、おぞましい技術は、実際にあったんだなあ…と、人間の業にまで唸らせられてしまった。

2022年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

空白

万引き未遂を起こした、ある中学生の少女が交通事故で亡くなった。
彼女の身の潔白を証明するために暴走していく父と、彼に巻き込まれていくスーパーの店主ら、遺された人間の悲哀が展開されていく。

#suspense #drama
超・信用しているヒメアノ~ルの監督さん!!めっちゃ面白かった…!!!!!

どんよりした鬱映画という体ではじまる本作。実際に中盤まではずっとそうなんだけれど、なぜか思った以上に爽やかな読後感…。ほんとにほんとによかった…。
最初はモンスターペアレントである主人公の父に「ヤバいおっさん」以上の感情を抱けないのだけど、彼も遺されてしまった悲しみを怒りで癒やすしかできない遺族であるということが、終盤に加速していくに向かって伝わってくる。
最終的には、こんなに厳しくて怖くて他責思考の父親が本当に愛おしくなって、これから先の未来の幸せを願いたくなってしまう。

女子中学生の死によって人生をめちゃくちゃにされてしまったスーパーの店主にも事なかれ主義で済ますような悪いところがあって、だけど彼がテキトーに運営してたスーパーが遺してくれた思い出に救われた人もいて、そんな人にやっぱり店主も救われる。
登場人物のみんなに加害者と被害者の側面があって、万華鏡みたいに彼らへの感情が変わっていく。そして最後にはみんなが愛おしくなる……
マジでめっちゃ辛くて悲しい映画だけど、この辛さを乗り越えた先には感動が待ってる。
その感動は決して「悲劇が喜劇に転化する感動」ではなくて、辛いもののすべてが掬われるわけじゃないんだけど、でもなんか悲しい記憶に折り合いを作るために頑張ろうって思える作品。
吉田恵輔監督作品の中で1番好きだ~~~
万引き家族

とても貧乏で、万引きをしないと生きていけないような家族。しかし彼らは幸せだった。
ある日、父は近所で1人の幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れ帰ることに。
そうして日々を過ごすうち、歪な形でつなぎ留められていた家族の形は、やがて瓦解していく。

#drama #crime
友達に「私はもう見たくないけど、ネズはきっと好きだと思う」とオススメされた鬱映画。めっちゃ良かった………好きだ……(鬱映画しか愛せない悲しいウォリアー)

まず「万引きしないと生きていけない」てところにすでに悲哀が詰まってるんだけど、この映画はそれ以外にも「社会の底辺」を至る所で描いているからこそ、一見コメディ的で温かに見える家族の在り方に対する絶望とやるせなさが半端ない。
実は家族は底辺の寄り集まりではなく血の繋がりがない、というところも絶望ポイントで、血は繋がっていなくても家族であることにはかわりないという絆と、確かで小さな愛だって同時に描いているのだけど、けどそんなもんじゃこの世界はどうしようもない。畳む
家族愛や絆じゃこの底辺の世界は変えられないし、なんにもならない。そういう「静かで救われない絶望」がこの映画にはもうむちゃくちゃこめられてて、本当に息が詰まります。
ラストのリリーフランキーで悲しくて胸が張り裂けそうになって鬱勃起したので、よかったです。
生きている

ゾンビパンデミックが起こってしまった韓国・ソウル。
ゲームオタクの主人公はマンションの部屋に閉じこもり、わずかな情報を使って生き残りサバイバルをはじめる。

#horror #action #survival
それなりにおもしろかった。
「マンションで籠城するゾンビ映画」がテーマになってて、SNSや現代テクノロジーを使ってなんやかんやする展開がこの映画のウリ。
ゾンビ映画としてはだいぶこじんまりしてるけど、そのぶん現実的に仕上がってると思った。
暇な日にサラッと観るにはいいかんじのゾンビ映画。

籠城ものの割に主人公とヒロインが最後までずっと綺麗なので、せめて無精髭生やしたりすこしビジュアルの荒れで日数の経過を表現してほしかった…笑

2022年7月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

プロメア

突然誕生した、炎を操る変異人種。彼らの出現によって全世界の半分は焼失した。
30年後、一部の攻撃的な変異人種は放火テロを繰り返していた。そんな彼らが引き起こす火災を鎮めるべく、対変異人種用の救命消防隊が結成される。
ある日新人隊員ガロは火災現場へと駆けつけ、そこで変異人種組織のリーダーと出会う。

「グレンラガン」「キルラキル」の今石監督作品。
#anime #action #SF

映像の質は文句なしに最高!
ノリにもグレンラガン・キルラキルの血脈がどこまでも感じられる、燃え滾るような熱い(暑苦しい)作品。気合だ!!!!!
設定や世界観もとても面白いし、ガロとリオのバディが軸になったストーリーはカタルシス一杯で、終盤まではかなりのめり込みながら観た。

ただ終盤の展開にちょっとノれなかったかな。あまりにも気合でなんとかしすぎというか…笑
「気合で解決」はプロメア…というか今石監督作品の味なので、別に改善せずにこのまま突っ走ってほしい箇所ではあるんだけど、作品内に点在するアラを「こまけえことはいいんだよ!」で強引に一蹴して終わってしまった感が正直あった。
グレンラガンの時は全然そこは気にならなかったんだけどね。あっちの方がそのあたりはうまく回収してる印象があったかも。
まああっちは2クールアニメだけどこっちは2時間しかないもんね。

クレイエロすぎだった。
呪詛

かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けた主人公。
そして6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、彼女は手段をとらぬ行動に出ていくことになる。

台湾製のホラー映画。ネトフリ限定配信となっています。

終始ハンドカメラを使ったモキュメンタリー構成になっているのだけど、これが観客まで巻き込んでくる構成と見事にリンクしていてすごい…!!ほんとにめっちゃ怖かったし震えあがった…。
台湾製だからビジュアルがアジアンテイストで、日本人の持つ原始的恐怖にも共鳴すると思う。
ずっと息つく暇がない怖さだし、嫌悪感と悍ましさ・ある種の畏怖を想起させる美術は素晴らしい。
「怖い」ホラーはたくさんあるけど「悍ましい、触れたくない、知りたくなかった」って思わせるものは久々に出会ったので、大興奮の一作だった。
#horror

2022年5月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

整形水

外見にコンプレックスがあった女は、「整形水」という不思議な液体を入手する。
それは自由に容姿を変えることができる奇跡の水だった。
そして女は、誰もが驚くような美女に変貌する。

美に執着して狂っていく女を描いた作品。
#anime #horror #suspense
ビジュアルがいいなーと思って観始めたんだけど、正直そこまでだったかな…。

昔なつかしの「週刊ストーリーランド」で放映される一コーナーを頑張って1時間半に伸ばしたみたいな映画。
あらすじから「女の歪み」を期待したのだけど、予想外の方向性に話が転がっていった。これを評価するかどうかは個人の趣向によると思うが、私は「そ、そっちか~」になってしまった…。
もっとルッキズム問題を膨らませて話を展開していけば評価も変わったろうに、単なるホラーで終わってしまったところも残念ポイントだった。

2022年4月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

1995年に放映された新世紀エヴァンゲリオン
そのリビルトである「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の、待望の完結作。

当たり前に私も「エヴァ」愛好家のひとりです。メンヘラのオタクはエヴァ通るべきだよなあ!?
そのリブート作品であるシンエヴァ!もちろん完走しましたよ!
#anime #action #SF

結論から言うと………寂しかったな……

私はAIRがめちゃくちゃ好きなオタクであったので、あの頃の尖ったエヴァからはあまりにも想像しがたい、優しく、未来のある結末には一抹の寂しさを感じざるを得なかった。
みんなこう思ったよな?「庵野、今は幸せなんだな」…って…

面白かったし、あの結末も私は結構納得してるというか…みんながあの時のような不幸を繰り返さないためには、この結末しかなかったかなって感じている側の人間なんだけど。
でもやっぱAIR…AIRが好きなんだよなぁ~~~~~~~!!!!!!

でも…でもわかるよ。でもシンエヴァ、いいよね…。
本当ならみんなが見たかったはずの展開。ゲンドウVSシンジ!!!
ゲンドウがやっとシンジと向き合って、彼を愛していたのも確かだって伝えられたのが本当にうれしかったし、シンエヴァ観てよかったなって感じた。
でも…

でも寂しかったよ! 俺を置いていくなっ…!庵野っ……!

2022年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ラ・ラ・ランド

女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る主人公。
一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを演奏したいという夢を抱く男。
ひょんなことで出会った2人は恋に落ち、そして互いの抱く夢を追いかける

めちゃめちゃ評価されてる名作ミュージカル。超良かった…。
#musical #romance #drama
まずミュージカルパートの質があまりに高すぎる。ハイセンスなビジュアル、心が浮き立つ音楽の数々!
どのミュージカルシーンも必見なんだけど、中盤にある、カットなしの長回しで撮られたタップダンスシーンは見事のひとこと。

ストーリーもすごくいい。
一見ラブロマンス作品なんだけど、この映画のテーマは夢を追う人の物語
葛藤、諦め、切なさが美しいメロディとダンスの中にたっぷり盛り込まれている。
夢のために捨ててはいけないもの、捨てなければいけないもの
最終的にふたりは、恋と夢、どちらを取るかの決断を迫られる。

このほろ苦いラストも輝きをはなっている。
きっと「夢を追いかけたことのある人」になら、ラスト10分の「if」は響くと思う。
そしてもう1度この映画を鑑賞した時、冒頭の渋滞した高速道路で繰り広げられる歌の歌詞に共感するに違いない!
本当に観てよかった………。
RSS

or 管理画面へ