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映画感想を載せる場所

2024年3月12日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

愛の流刑地

不倫の果てに女性を絞殺した男が逮捕された。男は恋愛小説の旗手として注目された名匠の作家。
愛しているから殺した」と語る男。事件を担当する女性検事は、男の言葉に困惑しながらも真相を探っていく。

平井堅の「エレジー」がめちゃくちゃ好きな曲なので、映画の方も観るかと思って鑑賞。 #romance
めちゃくちゃエロかったな…視覚的にも、テーマ的にも…

すっごい平たく言うと「禁断の恋にどんどん溺れていく男女」の話。
女は夫に満足しておらず、不倫相手の男に愛されることに無上のエクスタシーを感じ、ついには「殺して」とうそぶいてしまう。
その要求を飲み絞殺してしまう男。まあもうこのあらすじがめっちゃエロい
こういう話大好き。こういう同人誌描きたい

ただ、きわめて情緒的な作品であるからして、描いているその愛の形に没入するためにも、他のディテールをもうちょいこだわってほしかったな…みたいな思いがある。
意図的に子供の存在をまあまあ無視してるのは全然いいんだけど、小物が安っぽいなあとか、演出がダサいなあとか、配役合ってないなあ…みたいな、あちこちに散らばってるノイズが結構気になってしまった。
検事の人(長谷川京子)演技へたすぎ😭 美人でエロくて嬉しいけど

そのへんのチープさが原因でどうしても「映画っていうか、2時間特番ドラマ見てる気分」に陥ってしまって、「上質な文学を観たなあ」って感覚にはなれなかったのがだいぶ敗因と感じた…。ほんとはこの映画が目指すべきところってそこだと思うんだけども。

けど、ラストのエレジーの入り方はもう120点。
ヒロイン(寺島しのぶ)のおわら踊りで締めるとこも最高。
ノイズ

過疎化に苦しむ猪狩島。そこに住む青年・圭太が生産を始めた黒イチジクが高く評価されたことで、国からの交付金支給がほぼ決まり、島民たちは喜んでいた。
しかし、殺人鬼である小御坂が島に迷い込み、揉み合いの末に誤って彼を殺してしまったことから、彼らの日常は一変。
圭太と幼なじみの純、真一郎の3人は、小御坂の死体を隠し、事件の隠ぺいを試みるが…。

評判がめちゃめちゃいい映画ではないことは知っていたので、ハードル下げて鑑賞したんだけど、それが功を奏したのかなかなか楽しめました #suspense #thriller

何より幼馴染三人組が藤原竜也・松山ケンイチ・神木隆之介という布陣。ヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネじゃん。
これだけでもうめっちゃありがたいし、それ以外の俳優さんの演技も素晴らしかったよねえ!!

あと個人的な趣味になっちゃうかもなんだけど、全体的なカメラワークや間の取り方、静かな描き方がすごい好みで、目と耳に非常に嬉しい映画だった。
そういった土台が好みだったおかげで、多少アラのあるストーリーもだいぶ楽しめて観れた…ってとこはだいぶあったかも。

ストーリーに関してはもう徹頭徹尾「いや自首しろや!」に尽きる。
でもしないからどんどん旗色が悪くなってって、雪だるま式に最悪の展開になっていく。
まあこれこそがこの映画の魅力だと思うので、最初の「自首しろや!」を飲み込んで観れるかどうかが、この映画を楽しめる最大の分岐点になってると思う。
数学の公式と一緒で「この映画ではそういうモンなのね」で飲み込んだ方がイイ。

ラストの展開もちょっとしたどんでん返しになっててなかなか楽しかった。結構読める展開ではあるけど……


改変しない方が良くない?とも言われてる作品らしいので、原作も読んでみたいなー

2024年3月17日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

NOPE

亡き父から牧場を受け継いだ主人公。父の事故死は飛行機部品落下による衝突死とされたが、主人公はこの事故の際に一瞬目にした飛行物体を忘れられずにいた。
主人公の妹はこの飛行物体を撮影して、バズり動画を世に放つことを思いつく。それは真の最悪の奇跡の到来の序章に過ぎなかった…。

全然面白くなくてびっくりしたんだけど、世間での評判はそれほど悪くないようで、え!?となっている。
私自身も友人たちと3人で鑑賞して、「全然面白くなかった」って結論に至ったくらいだから、私の感性が狂ってるってわけじゃないと思うんだけどな…。マジで?

お話としてはUFOを描いたホラー#horror #SF
UFOっていうとなんか古典的すぎるような感じもあるんだけど、この映画における「UFO」の造形そのものはすごい気合入ってて好みだった。

ただ及第点に到達してないポイントが多すぎる……と、私は感じた
キャラクターの行動原理がわかんないし、脈絡なくて愛着湧かないし……あとなんかセリフ回しがピンとこなくて話が全然頭に入ってこなかったんだけど、これは吹き替え版観たからかもしれない。

あと主人公無表情すぎない?今どんな感情なの?演技の指示ミスってないか?
ついでにいうと音楽も「今そのチョイスする?!」みたいな違和感をずっと拭えなかったし、UFOの造形の美しさに対して基本的な部分全部足りてないように感じたんだけど…
でも謎なのが、結構この映画を評価してる人も多いっぽくて、なんなら「どうしてアカデミー賞取れなかったんだろう」とまで言ってる人も見かけたっていうこと。そんなに感想割れることある!?!?

あとで調べてみたところこの映画には結構なテーマ性が込められてるらしくて…暗喩が多いのかな。
私たちウォッチパーティ繋ぎつつ作業しながら観たもんだったから全然ピンとこなかったけど、しっかり直視してたら感想も全然違った…?のか? そうか…?
伝わらない暗喩なんてないのと同じだろって私は思いますけどね…(暴言)

でも実際評価がかなり二分されてる作品っぽいので、この感想観て気になった方いらっしゃったら全然観てほしいかも。感想聞きたい。

2024年3月18日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

悪女(2023)

ニュースキャスターの主人公はある日父に再婚相手を紹介される。彼女は父よりずっと若く、お世辞にも美人とは言いがたい肥満の女。
これを疑った主人公は、彼女の正体と真意を探り始めるが、同時に彼女と付き合った男たちが三人も立て続けに練炭自殺したという報道が流れ、疑惑を強めていくようになる。

台湾映画なんだけど、あらすじやサムネからも分かるように、明らかに日本の死刑囚・木嶋佳苗をモチーフにした映画
木嶋佳苗は「決して美人ではないにも関わらずそのスキルによって多くの男を篭絡し保険金殺人を行った」と言われていて、この映画に登場する「父親の婚約者」もこの木嶋死刑囚をモデルにしてるんだけど、この映画が描いているのは「その女の怪しい魅力と恐ろしさ」とはちょっと違う。

私も後から知ったんだけど、木嶋死刑囚って実は証拠を抑えて死刑囚になったわけじゃなくて、状況証拠しか揃ってなかったらしい。
多分この映画はここにフォーカスしてて、どう考えても怪しい女だけど、実は本当に殺人なんかしてなかったのでは?って描かれ方をしてる。ここがまず面白い

反対に、彼女の正体を追うにつれ悪女堕ちしていく主人公との対比構造がこの映画のメインの部分になってる。
どちらかというと仕事人間だった主人公が女の言う「男にとって理想的な女性像」に触れ、彼女を嫌悪しつつも、それをロールモデルにするうち本物の悪女になっていく。
本当の悪女は果たして主人公と女、どっちなのか…っていうストーリー。
(この映画的に言わせると、主人公の方が悪女だよってことなんだと思うけど)

ただ、女の怖さよりも男のクソさの方がどっちかっていうと目立つ構成になってるように感じた。そこも良かったよね。
登場する男みんな勝手すぎるんだよな。主人公の婚約者や、途中から付き合い始めた検事は勿論のこと、父親も盲目すぎるだろっていう…

惜しむらくはあんまりその「悪女の魅力」が伝わってこなかったことかな。
木嶋死刑囚をモデルにしている女、もうちょっと深堀して魔性さを描けたんでないかな~とは感じてしまう。
そっちにめっちゃフォーカスした描き方でもありだったんじゃないかなと思うけど、まあこの映画はそうではない部分に焦点を当てたってことで。
#thriller #suspense
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