movie memo

映画感想を載せる場所

2025年7月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

オーディション

妻を亡くし、男手ひとつで息子を育ててきたビデオ制作会社社長の主人公。
息子に再婚を勧められた彼は、同僚の勧めもあり、映画のオーディションにやってきた女性の中から再婚相手を選ぶことになる。初めは乗り気でなかったが、そこに現れたミステリアスな女性に惹かれていき…。

面白かったー!!
映画としての面白さは勿論だけど、私と音楽性がすごく合っててそこもよかった。性癖という意味です…。
#horror #suspense

アメリカで行われた「面白いホラー映画100」みたいなランキングに邦画のトップとしてランクインしてたらしい。
個人的には「邦画トップのホラーか」と言われたら少し首を傾げる部分はあったけれど、「センス」はバチコリに感じたなぁ~!!
古い映画なのに、今見ても全然新しい。カットや演出にすごく色あせないものを感じる。めっちゃ面白かった

やってることはとにかく1999年当時にありがちな女性蔑視。
つってもそれそのものが主題・問題提起になってるわけでもないので、そこはやっぱり時代を感じたかな。

ストーリーも今見たら王道っちゃ王道。
サイコパスの所業にそれとなく巻き込まれていく、よくあるヒトコワ系。

だけどマジで「嫌」で怖かったなあ~!!
拷問シーンは本当に痛くてキツいし、ねっとりと丁寧。徐々に不穏になってギアがかかっていくのもすごく不快で魅力的だった…

なによりファムファタールのメンヘラ!!!!最高!!!!
わたくしファムファタールのメンヘラに目がないものでして…こういうものでして…。

このへんはふわっとさせとくけど、ゲロのシーン、ほんまに叫んだ。たまらんかった…(鬱勃起オタク)
全体に漂う女性への軽視、モノとして扱ってる雰囲気も最高だった…。男尊女卑を味わいたいときはオーディションを見ろっ!!!

2025年4月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

関心領域

1945年、アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスは家族とともに、収容所の隣で幸せに暮らしていた。どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てたアウシュビッツ収容所の存在は、音や煙、何気ない会話や気配から着実に伝わってくる。
壁を隔てたふたつの世界。家族と収容者にはどんな違いがあるのか?

こんな飛び道具みたいな映画、存在していいの!?!?
すごい映画体験だった…
#drama

タイトルとポスターよさげやんと何も調べずに観始め、すぐに悟る……これ、ホロコーストの映画だ!!
「アウシュビッツ収容所のすぐ隣に住んでる家族の話」というガチヤバ映画なんだけど、映像ではまったく収容所の内部やユダヤ人の様子は映らない。ただひたすら隣に住んでる家族を撮ってるだけ。
家族の暮らしぶりは丁寧で上品でまさに理想といっても過言ではないんだけど、それなのに手汗が止まらないのはそれとなく映る不穏なアイテムや会話、そしてなによりのせいだと思われる。
耳を澄ますと聞こえてくる小さななにかの駆動音や人の悲鳴、これがもう一生観客の胃にスリップダメージを与えてくる。映像は全然怖くないのに
徹底して「見せないこと」を利用して「想像させる」作りになっているのがなんとも飛び道具的で、体感したことがない映像体験。すげぇ~っ!

この「想像力に徹底して頼る」構造そのものにも意図があるんだろうなあ。たとえば収容者もまた人間であるというあたりまえの想像を欠いてしまった主人公たち(そしてかつてのナチスドイツ)への強烈なアイロニー…とか?

言うてこの映画は主人公たちを悪逆非道ではなく、むしろどこにでもいる普通のひとたちとして描いてるからこそ真に迫る。主人公なんて上司と仕事との板挟みになって揉まれるサラリーマンとなんも変わらない。
だからこそこの歴史に残る残虐犯罪は誰にでも実行可能なものなのかもしれない、現代に生きる我々にも、という逆説的な説得力を持っている。すげえ~~~~この映画

そしてそれをまざまさと痛感させるオチがすごすぎる。
急に現代にスパンするラストで一気にこっちまで巻き込んでくる。お前らが今立ってる歴史はこれと地続きなんやぞってことをとんでもない演出でわからせてくる。
(そしてその見せ方自体はむしろとても「素朴でシンプルな、特別味のないもの」だからこそ胸につまる…)

主人公のカットから急に現代に飛ぶ演出に関してはこの動画の考察がかなり腑に落ちた。いい動画

そしてこのスタッフロール!!スタッフロールのBGM、やばすぎる!!!この映画は本当に音がすごいんだけど、最後の最後までそれを骨身に刻み込んでくる…。
ホロコーストの歴史を音で表現したらこんな感じなんだろうなっていうエンドロールだった。

あとから知ったんだけどカンヌのグランプリ獲った映画らしい。そりゃすごいわ。
いや~~素晴らしいものを観た。かなりキツいしこたえる映画だけど、よかったら観てほしい…。

2019年1月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

シェイプ・オブ・ウォーター

冷戦下のアメリカ。研究所で清掃員として働く女は、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。
“彼”にすっかり心を奪われこっそり会いに行くようになるヒロイン。“彼”との言葉のいらぬコミュニケーションによって、ふたりは心を通わせるようになっていく。

人間と人外のラブロマンス映画。
#romance #drama
大人向けの人魚姫」みたいな感じの作りになっていて、一見奇妙で不気味な人外との演技のみによる心の交流だけではなく、同時にゲイや黒人、精神を患った者などの「社会的弱者」に焦点を当てたストーリーも良い。
この弱者たちが力を合わせて権力に抵抗していく展開もラブロマンスと並行して魅力的に作用しているのがベネ。

勿論主題である「禁断の愛」もロマンチック。
ダンスや音楽で心を通わせる様がまた美しい。

全体的に緑がかった色彩も「水の中」を意識していて、ヒロインの恋心が育つにつれ彼女が「緑色」で満たされた画面の中でビビッドに映える「赤いもの」を身に纏い出すんだけど、これが心理描写として視覚的に効いてるんだよね。
めっちゃ面白かった。本当に美しくてエモーショナルな映画。

2017年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ドーン・オブ・ザ・デッド

ある日主人公が目を覚ますと、街中がゾンビだらけでパニック状態。
愛する夫までがゾンビ化し、命からがら逃げ出すことに。
主人公と数名の生き残りは、近所のショッピングモールに立てこもり、奇妙な共同生活を始めるが……。

ホラー映画の古典である「ゾンビ」のリメイク作品…らしい。
私は「ゾンビ」を観た事がないのだけど、実際この「ドーンオブザデッド」はとても「基本のゾンビ映画」に沿っているように感じた。
#horror #survival #action

ゾンビの恐ろしさは勿論のことなんだけど、ショッピングモールでの籠城という王道を押さえた展開、そこで巻き起こる人間関係がこの映画の魅力になるのかな。
パンデミックの様子、緊迫感、仲間割れ、自己犠牲、ゾンビ映画に期待してるすべてが「ちゃんと入ってる」っていう印象。
絶対に観て損はない。

「妊婦さんが感染し、お腹の子にまで…」という展開があって、萌えたな…。
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