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映画感想を載せる場所

2024年2月2日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

死刑にいたる病

パン屋を営んでいた店主が連続殺人犯として死刑を宣告された。
その常連であった大学生の主人公は、彼の言う「起訴されたうちの最後の事件は冤罪である」という主張の真相を確かめるため、事件の調査にのめりこむようになっていく。

面白かったぁ~~~~~~!!!!!!うわさの死刑にいたる病!さすがにヒットしてただけあるな…。
途中までは真相を予想しながらハラハラし、死刑囚である榛村の言動にドキドキし、彼に狂わされていく周囲の人間にソワソワし…とあれこれ思いを巡らせながら鑑賞し、オチの付け方のエロさに嬉しくて、泣いた……。

正直途中で考えてた予想が全然めちゃくちゃ当たってたことへのガッカリ感もあったんだけど、それを補って余りあるエロさで…なんか…肩透かし感、全然…飛んだな…。
肩透かしというても「わりと予想できる範疇」ではあると思うし。

結局全部榛村の暇つぶしでした」てオチはだいぶ予想できるよね。できるんじゃないかな
さすがに死刑囚榛村なんでもできすぎて、スーパー殺人鬼すぎるだろ!というツッコミはあったんだけど…まあエンタメの範疇かな~!
道中でできた大学の彼女も榛村の魔の手が及んでたってオチはやりすぎちゃうんか?て思ったけど、
でも…でもあのオチめっちゃエロいし……あんなふうに落としたくなる気持ちもわかるから、四捨五入で許した。畳む


それに阿部サダヲの演じるサイコ殺人鬼めっちゃよかったしね。よかったから許した。
クリーピーの時の香川照之に感動したのに、映画自体の構成が尻すぼみすぎて悲しくなった当時の自分が、阿部サダヲの貫徹されたサイコ演技で無事に成仏できた感もあった。
ありがとう、阿部サダヲ
ありがとう、エッチなスリラー映画

「凶悪」の監督さんなんだけど、かなり「凶悪」との共通項があるように感じる。
映画的カタルシスや緩急に欠ける「凶悪」を見直し、もっとエンタメ的に再定義した印象があって、見やすくもあった。
#suspense #thriller #crime

2024年2月3日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

雪山の絆

アンデス山脈の奥深く、人里離れた山地に飛行機が墜落
過酷なサバイバルに直面した生存者たちは、生きて家族のもとに帰るため、極限の試練を生き延びる。

実際に起きた飛行機墜落事故を描いた作品。
ドキュメンタリーとしての色がかなり強くて、脚色なしに事故に真正面から向き合っている。 #drama #survival

非常に申し訳ないんだけど、私はかなり…かなり退屈に感じてしまった…。
自然の、人間が太刀打ちすることなんて敵わない圧倒的で雄大な恐怖も良く描けていると思うし、「この映画はこれが正解」だと思うんだけれど、あまりに映画的な見せ場を作ることを捨てすぎている
センセーショナルで心を掴まれるのは実際に飛行機が墜落する序盤のシーンだけで、残りは全部雪山でのサバイバルに苦しむ人の綿密で静かな描写。
進みも戻れもしない、長い長い膠着。ゆっくりと脱落していく人々。
それが2時間半もあるものだから、イヤ~~~~~…ちょっと飽きちゃった……。

ただ上述したようにこの映画は「そういうふう」に作ってある。リアリティを追求していて、この物語は決してフィクションじゃないっていうことを強調しているから、マジでこれが正解なんだと思う。
決してつまらない映画ではない…と思う。これが実話なんだって思うとガチで震えるし。
びっくりするほどの長尺も、そもそもこの事故が72日間も人食に手を染めてまで生き延びた人たちの物語ってことを踏まえると、必要な時間だったと思うし。

けど「映画的な面白さ」を期待してはいけない。壮大な再現ドキュメンタリーだと思って鑑賞するべきだと思った。
キャラクター

人間味あるキャラクターを生み出せず苦心している漫画家の卵の主人公。
ある日彼は偶然殺人事件現場に遭遇し、そこで犯人の顔を目撃する。
犯人の姿をもとに漫画を生み出した主人公は人気漫画家となるが、それを機に、彼は危険な事態に巻き込まれていく…

面白かった~~~~!!!!!私の視聴履歴を参照したネトフリがあまりに執拗におすすめ欄に表示してくるからどれと思って鑑賞したんだけど、良かった…。やるじゃん、ネトフリ
#suspense #thriller

筋書きの面白さもさることながら、「漫画家の苦悩」にもしっかり焦点を合わせていて、創作オタクやってると時々いい意味で耳が痛くなる。
なんと殺人鬼役をセカオワのFukaseが演じてるんだけどこれもなかなかどうしてハマってるんだよね。
まさかの人物の退場やどんでん返しなど、予測もつかない展開にはハラハラさせられっぱなし!スゲー良かった。
掛け値なしに、この手の邦画だとトップクラスに面白いんでは?

1点だけ、ラストの犯人の動機や謎だけちょっと投げっぱなしのまま終わっちゃった感があって残念だったんだけど、まあテーマを考えればまったくチンプンカンプンのまま終わってしまってるわけでもないと感じる。

要は犯人の両角は戸籍も持たない、「誰でもない存在」であったからこそ、主人公によって「ダガー」という人格(キャラクター)を定義されたことが嬉しかったんだろう。
けど逮捕されて何もかも終わってしまったことで再び彼は己のキャラを失ってしまう。

最後の演出は「ダガーというキャラを受け継いだ主人公が犯行をたくらむ音」だという考察も見たけど、その考え方は私はちょっとな…。
だって主人公がキャラクターを継承する意味ないやん。主人公には主人公という名の「キャラ」があるんだから。

(追記)
って、観てすぐの時は思ったんだけど、沖田遊戯のキャラクター感想動画観て考えちょっと変わったかも…。
「すべての人は何かに影響されていて、己の確固たるキャラクターなんてものは存在しない」…なるほどなぁ~~~!!!!!

この理屈でいうと主人公がダガーになっちゃうっていうのもわかるかも。両角に影響されたってことか。
さすが沖田遊戯、映画にあまりに詳しいっ…!畳む


とにかく面白かった作品であることに変わりはない。楽しかった~~!!

2024年2月11日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル

ひょんなことから居残り掃除をさせられることになってしまった4人の高校生。
彼らは倉庫の中で「ジュマンジ」というカセットが入った古いレトロゲーム機を見つける。
お遊びで起動し、プレイヤーキャラクターを選択すると、4人は全員ゲーム機の中に吸い込まれてしまう。
ゲームの世界で目覚めた4人の姿は、選んだキャラクターのアバターに変化していて…!?

あの不朽の名作、ジュマンジの続編。 #action #kids #comedy
続編といってもすごく繋がってるわけではないので、これ単体でも見れる。前作のジュマンジを知ってるとちょっとニヤっとできたりする。

私は前作のジュマンジの方が圧倒的に好きだったのだけれど、この続編もなかなか面白かった!
前作のジュマンジはボードゲームで、サイコロの目にょって現実世界に様々な異常事態が発生するというストーリーだったのだけど、この「ウェルカムトゥジャングル」はその名の通りジャングルに異世界転生(?)。
ジュマンジの中の時空が歪んでいたり、ゲームをクリアできないと一生そこに閉じ込められてしまうというようなベースは共通なんだけど、舞台が現実世界とゲーム世界となのでそもそもシステムが全然違ってたりする。
あと前作のジュマンジは子供も大人も入り乱れてゲームに参加することになるけど、こちらの作品は全員同年代の子供が主人公だったり。

4人の高校生は、実際の自分にはないものを沢山持っているアバターを被って冒険することになる。
アレルギーだらけの病弱なギークはムキムキ軍曹になるし、セクシーだけどちょっと頭の弱い女の子は太っちょのおじさんになってしまう。
でも、そのアバターを介して動いているうちに、「現実の自分を演じているだけでは気付くことができなかった、自分自身の魅力や価値・可能性に気付いていく」という王道ながらもアツいストーリーで、ここがまずよかった。
会話も小気味よくてくだらなくて笑えるし、軽く観れてとても爽やかな読後感。よかったー

あと俳優さんってすげーなって思った。
太っちょのおじさんが本当にセクシーな女の子に見えるし、勉強ばかりのイモっぽい女の子は、セクシーな美女のアバターを被っててもあまりに振舞がイモすぎる
とても情けないドゥエイン・ジョンソンも楽しめる。

2024年2月15日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

哭悲/THE SADNESS

台湾で発生したアルヴィンウィルス。ただの風邪だと思われていたウィルスだったが、突然変異によって理性を失い、暴徒と化してしまう特性を持っていた。
パンデミックによって混乱に陥ってしまった街で、再会を誓い合う男女。生き残るため奔走する彼らの運命は?

明確に嫌いだった。私もかなりこれはびっくりしてて、自分は残虐な作品だったら大体大好きな単純な脳みそのオタクだと思ってたので、この手のやつで嫌いだって思う事あるんだ……って…。
#violence #horror

ゾンビ映画の亜種みたいな感じの作品なんだけど、実態は結構違ってて、「人々には知性や想像力が残ってる」っていうのがミソ。ただ「他人を攻撃する行為へのリミッター」が外れてるだけなんだよね。
だから残虐行為のレパートリーがめっちゃ豊富で、ただゾンビみたいに人を食うだけじゃなくて、縛って殴ったり、レイプしたり、湯だった油を頭にぶっかけたり、もうとにかく色々やってる。

このバイオレンス描写のバリエーションはなかなか面白かった。
面白かったんだけど、私が明確に嫌いだわ~ってなった理由は途中から描かれていく問題提起描写。

ウィルスによって残虐な殺人鬼に変貌してしまった人々と、健常者との間に境目はあるのか?というのがこの作品のテーマになっている。
要はどんな人間の中にも残虐性は存在していて、正義のためであったり、自分を正当化する理由さえあればウィルスなんかなくたって残虐行為はできちゃうよね?一緒だよね?っていうお話になっているんだけど、私はもうこれめちゃくちゃ嫌いだわ~ってなってしまった。一緒なわけねえじゃん

じゃあすべての人間は殺人鬼になれるのかって。んなわけねえだろ!!
そのメッセージが提起されだしてからもうすべてが知らね~~になってしまって、ラストの描写も ハァ…そっすか……で終わってしまった…。

クソ映画では全然ない、映像すごかったし、そのメッセージも含めてこの映画が楽しめる人もたくさんいると思う(マジでめっちゃグロいので、そもそもグロが好きな人向けではあるけど)。
でも私は納得できなかったし嫌いだった…なんか、絵柄はめっちゃ好きなのになぜか抜けないエロ漫画読んでる気分だった…。(…)

2024年2月24日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

クローゼット

母を交通事故で亡くしたトラウマに悩まされる一組の父娘。
親子関係を改善するために新居へ引っ越す二人だったが、そこで様々な怪奇現象に悩まされることになる。
やがて行方不明になってしまう娘。万策尽きた父の前に現れたのは、怪しげな祈祷師の男だった。

洗練されたビジュアルから繰り出される手垢付きまくった古典的ホラー
ビジュアルは美しいのに演出はチープ。私はだいぶ退屈に感じてしまって面白いとは思えなかったけど、こういう古典ホラーが好きな人はたまんないのかもしれない…?
#horror

ほんとに画作りはとてもきれいで、韓国らしい美意識を感じた。
じっとりホラーを期待するより祈祷師悪霊退散アクションを想像して見た方が楽しめるかなあと思う。物理で解決するし

あとシーンシーンがぶつ切りで、色々な展開が唐突に感じちゃうのもちょっとマイナスだった。話自体はスキなくしっかり作られてるのがわかるんだけどなぜ脈絡なく感じてしまうんだろう…

そしてこれは価値観の問題かもしれないんだけど、家族のために身を粉にして働いているお父さんが、虐待を行う親と同列の罪だと語られるのもなんか個人的には…あんまり納得できなかったな…。
「仕事での成功を追い求めすぎた結果、娘を疎ましく思う」という気持ちが罪なのだ、って理屈はまあわかるし、子供が傷ついている結果は変わらないっていうのも分かるんだけど、じゃあ子育ての中でつい子供に苛立ってしまう人として当然の心の揺れ動きも罪なんか?って思ってしまうな…畳む

いや理屈はほんとわかる わかるんだけどね

2024年2月25日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

黄龍の村

キャンプ場へ向かう若者たち。その道中、電話も繋がらない山中で車がパンクしてしまう。一行が辿り着いたのは、山奥に佇む不気味な村。
奇妙な村で、狂気の集団と若者たちの間に惨劇が巻き起こる。

バカなB級ホラー。面白かった…
はじめこそ「アホなパリピ集団が偶然因習村に迷い込んで成すすべもなく殺されていく」みたいな感じの導入なんだけど、後半から毛色が180度変わってマジでよかった。
#horror #action

パリピ組は全員因習村勢に惨殺されちゃうんだけど、彼らに微妙にハブられてたギーク組が実は因習村に復讐を誓った精鋭たちで、逆に因習村の人々が彼らに惨殺されていく…ていうのが本作のトロの部分になっている。

アクションがまたいいんだよね!!明らかに「ギャグホラー」として笑わせに来てるんだけど、アクションが普通に質良すぎて…。私あまりアクションに興味ないんだけど全然見入っちゃったもんな

スタッフロールのオチも面白すぎる。おびんたわら様仲間にしてる時点で既にめっちゃ面白いんだけど、「犯人どんな味すんのかなぁ?」で声出して笑ってしまったわ畳む


B級ホラーでこんなに笑ったの無かったかも…。めっちゃ好きな作品だった黄龍の村
興味ある人は絶対スタッフロールのラストまで観てほしい!!

2024年2月27日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ

人気ゲーム「バイオハザード」を、新たなキャスト&スタッフで映画化。
クレア・レッドフィールドを主人公に、新たな切り口でラクーンシティを描く。

シンプルに面白くなくてシークバー飛ばしちゃった映画。 #horror
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演版のバイオとは違ってゲーム版のバイオを忠実に再現した…と謳われていた本作なんだけど、まず再現の仕方がシーンの切り貼りすぎ。ここだけ丁寧に再現しとけばいいってもんじゃないんだよ。俳優もびっくりするほど似てないし。

キャラ改変の仕方はなかなか面白いなと思ったんだけど(クリスとクレアがアンブレラが運営する孤児院の出身で、その孤児院では孤児を利用したウィルス実験が行われていた…って設定とか)、せっかくのその改変が全然生かされてない。「設定があるだけ」で、それを利用した人間ドラマが全く展開されない。

あと詰め込みすぎじゃない?あちこちで言われてると思うんだけど、この映画、初代・2・ベロニカの要素が詰まってて、その全てが描き切れずに雑に消化されちゃってる
かといってアクション面の緊迫感にも欠けてるし、再現も中途半端で、しかもTウィルスがなんなのかっていう具体的な説明もないから結局なにが起きてラクーンシティが壊滅してしまったのかがよくわかんないし、誰向けなのかわかんない映画。原作ファンもゾンビ映画好きも喜ばない。
マジでおもんなかった。観なくていいし、これ観るくらいならミラ・ジョヴォヴィッチ主演版の1・2を観るべき。
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