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ハンニバル

アメリカ中を震撼させたバッファロー・ビル事件から10年。
FBIのベテラン捜査官となったクラリスは、事件の不始末の責任を問われ、組織内で孤立していた。
そんな時、レクター博士から1通の手紙が届く。彼は名を変え、名家の蔵書を管理する司書としてイタリアに潜伏していた…。

「羊たちの沈黙」に続くハンニバルシリーズ2作目。
私は子供の頃金ローで脳みそを食うシーンを見たことだけを強烈に覚えていました。当時の金ロー、これを地上波で流したのイカれてるだろ
今回数年…十数年ぶりくらいの鑑賞になるんだけど、こんなにエロい話だったとは……。あんまり覚えてなくてよかった、ただでさえおかしい性癖がさらに歪むところだった…
#thriller #suspense #crime

まずびっくりしたのは羊たちの沈黙よりギア上げすぎってとこかな…。エロいしグロすぎる…。
脳みそ食うシーンがあることだけはわかってたんだけど、道中も全然グロかった。羊たちの沈黙から入った人、だいぶ振り落とされるだろ、これ

でもそれでもめちゃくちゃ面白かったなって感じられるのはなんでなんだろう…?
2時間という限られた時間に無遠慮に所狭しと要素がぶち込んであって、息つく暇もないくらいのスピード感とエピソードの数なのに、そのシーンのどこもかしこもとにかく美麗で華麗。美しい!これに尽きる!!
印象的なカット、凝った美術、それにセリフ回しも耽美だったなぁ~…。
何より外せないレクター博士とクラリスのエロすぎる関係性…
友達数人と一緒に観たんですけど、レクター博士がクラリスにキスする終盤のシーン…!全員で「…んぁあああああ~~~~~!!!!!!」て射精の雄たけび上げちゃったもん…。
するのかな?って期待はずっとあったんだけど、ちゃんとキスしていいんだ、あの関係。ご褒美だろ視聴者への。射精するわそりゃ

羊たちの沈黙が「ちょっと捻ったダークなサスペンス」だとしたらハンニバルは「エロエロエログログログロ耽美連打ジェットコースタースリラー」って感じで、だいぶジャンルの違う作品に仕上がってた気がするんだけど、両者に共通するハンニバル・レクターのあまりの悪役としての魅力がかろうじてどころじゃなくぶっとい麺のようにふたつの世界を繋いでいる。レクター博士、最初から最後までちょっとかっこよすぎるって…無理だ…そんなん…
ハンニバルはレクター博士が本当に最強キャラとして書かれてて「おいおいおい!」みたいなツッコミどころもなくはないんだけど、まあレクター博士だしな、で許してしまえるオーラがあったよね。
アンソニー・ホプキンスの演技力がブチ抜きすぎてる。なんであんなにかっこよくて魅力的でダークで恐ろしいんだ…。
羊たちの沈黙

若い女性が皮を剥がれる連続殺人事件が発生。FBI訓練生・クラリスは、複数の猟奇殺人を犯して獄中にいる天才精神科医、レクターから助言を得るよう命じられる。一方、彼は協力の条件として、彼女に自分の過去を明かすことを要求する…。
子供の頃の記憶で「脳みそ食うエグいシーンがある」ということだけ覚えていたハンニバルシリーズ、その1作目を友人たちと観賞!面白ぇーっっ!!
直近のどこかで原作ファンからは不評と小耳に挟んだのだけど全然そんなことはなくめちゃくちゃバカクソ面白かったです。そりゃ全オタクみんなレクター博士を真似た殺人鬼キャラ作っちゃうって!!

メインストーリーの皮剥ぎ殺人鬼がサブ役になっちゃうくらい輝きまくってるレクター博士。
主人公のクラリスのみならず大勢が彼の存在感に翻弄され、飲み込まれていくという物語は公開から30年経った今でこそわりとよく見るサスペンスの定番かもしれないけど、その金字塔であるだけあって、流石にめっちゃ引き込まれたなあ〜…
冷静に考えてみると、だいぶ闇のマイフェアレディと言って差し支えない話だったんじゃないだろうか。エロかった…

レクター博士はとにかく超カッコいいし鮮やか。
「サブ」の殺人鬼であるバッファロー・ビルの動機付けや演出面も最高!変身願望と蛹、当たり前に絡めるよなあ!?

てゆうかそこに関連して話したいんだけど、ストーリーだけじゃなくて他の様々なすべてが一級品だったよね。
カメラワークとか美術、どこを切り取っても美しくて、30年後の今見ても全然色褪せない。
何より俳優陣の演技良すぎ。やっぱり取り上げたくなっちゃうのは当然レクター役のアンソニー・ホプキンスなんだけど、マジで超怖い。なんだあの目力…

この手のサイコキラーものとして時代を超えて愛され続ける理由がわかっちゃうねえ!
ハンニバル、レッドドラゴンも観るのが楽しみ!
#suspense #thriller #crime
さがす

大阪の下町に暮らす主人公の原田は、懸賞金300万円の指名手配犯を見たと娘に話した翌日、姿を消してしまう。
残された娘は父親を探し、手がかりをたどった先で日雇い現場に父の名前を見つける。
しかし、そこにいたのは、指名手配中の連続殺人犯だった。

ずっと観ようと思ってた「さがす」!
正直「怒り」みたいなヒューマンドラマ寄りのサスペンスを期待してたんで、思ったのとちょっと違って「わりと凡庸なサスペンスだな」と感じてたんだけど、ラスト20分で色々覆された。面白かった…

ラスト20分で話自体がひっくり返るとかどんでん返しがあるってわけじゃないんだけど、娘だけが探していたものに辿り着くっていうのはなんか考えさせられるよね。
私は結構主人公の境遇に同情してしまって「このまま逃げ切り勝ちしてくれーーーーーー!!!!!」の感情が強かったのだけど、やっぱりそうは問屋が卸さんか……。

最初娘が父親を捜すパートから始まって、どんどんと過去に回想していって…ってタイムラインがジャンプする作りも謎解明パート感あって楽しかったな。(ここは賛否両論な気がするけど私は好きだった)
「自殺志願者」「自殺ほう助」がかなり濃い目にテーマワードとして絡んでくるんだけど、ここに絡んで登場する人たちにもなんかすごく考えさせられるものがある。

親子愛、夫婦愛はいわずもがな。
切ないなあ…。ダークで胸糞なだけじゃなくて、あらゆるポイントに切なさが散りばめられてて良かった…。
#suspense #thriller #crime
最後まで行く

ヤクザから裏金を受け取っていた刑事の主人公。
危篤の母のもとに急いでいたが、その途中で車の前に現れたひとりの男をはねてしまう。
慌てた主人公は遺体をトランクに入れて立ち去り事故の隠ぺいを試みる。
しかしその事故はさらに大きな事態に繋がっており、主人公は数奇な事態に巻き込まれていくことになる。

クソバカギャグクライムスットコサスペンス映画。
#crime #suspense #action
コメディタグつけようか迷うくらいスットコお笑い映画だった。
不運が積み重なってギャグみたいな展開になっていくのとか、演出の感じとか、邦画っぽくないノリの映画だなーと思ったら韓国映画のリメイク作品らしい。納得

岡田准一が巻き込まれていく事件の渦中に存在している綾野剛という別のライバル刑事がいるんだけど、こいつがマジでめっちゃエロい。いいんか?そんなことして
あんまり語りすぎるとネタバレになっちゃうんだけど、このふたり・岡田准一と綾野剛のバチバチ珍道中がめっちゃ面白くて、コミカルでわかりやすく簡単でサクっと観れて、あとエロくて、あんま期待せずに観たけど面白かったな……
あと俳優さんめっちゃ豪華。観たことある人ばっかり出てて気合入ってたなぁ~


「最後まで行く」ってタイトルも超いい!!出し方もオシャレだなぁ~~!!!
俺も最後まで行きてぇ~~~~~~~~~ッッ!!!!!!!!
悪魔を見た

婚約者を何者かに惨殺された国家情報院の捜査官である主人公。
独自に捜査を開始した彼は、犯人の正体を突き止め、襲撃に及ぶ。
そして昏倒させるとGPSカプセルを飲み込ませて立ち去ってしまう。
完全な復讐を追い求め、主人公は鬼と化していく。

復讐に狂った主人公が犯人を追い詰めるバイオレンス映画……かと思いきや、若干違う。
#violence #thriller #crime
ていうのもこの犯人、どんなに復讐されても全然メゲない。足の腱を切られても、拷問の限りを尽くされても、最後まで「お前は俺に負けたんだよ!」と煽り散らかす始末。
逆に主人公の正体を突き止め返し、婚約者の家族の命まで奪ってしまう。
そして主人公は犯人の友人からは「狙う相手を間違えた」、刑事たちからは「復讐なんてしなければこんなことにはならなかった」と非難されてしまう結果に。
こんなに気持ち良くない復讐映画ってあるんだ…

実際犯人が全然メゲないので復讐が効果的に機能してる感じは全然なくて、観てる間だいぶ気持ちよくなかった
復讐がテーマの作品にありがちの主人公無双系では決してなくて、犯人VS主人公の怪獣映画が感覚的な表現として近かったかもな…。アクションも謎に多かったし。

だからこそ主人公は本当に止まることができなくなって、ついには罪のない犯人の家族まで巻き込んだ凶行に及ぶ。
すべてが終わったあとの主人公の、泣いてるんだか笑ってるんだかわからん慟哭の演技すごかったなあ。道中だいぶダルい作品だったけど、主人公の最後の慟哭がすごくて、そこだけでも観る価値あったかもしれない。

鬱耐性は結構ある方だと思ってたけど、だいぶ胸糞だったなぁ~~~
悪女(2023)

ニュースキャスターの主人公はある日父に再婚相手を紹介される。彼女は父よりずっと若く、お世辞にも美人とは言いがたい肥満の女。
これを疑った主人公は、彼女の正体と真意を探り始めるが、同時に彼女と付き合った男たちが三人も立て続けに練炭自殺したという報道が流れ、疑惑を強めていくようになる。

台湾映画なんだけど、あらすじやサムネからも分かるように、明らかに日本の死刑囚・木嶋佳苗をモチーフにした映画
木嶋佳苗は「決して美人ではないにも関わらずそのスキルによって多くの男を篭絡し保険金殺人を行った」と言われていて、この映画に登場する「父親の婚約者」もこの木嶋死刑囚をモデルにしてるんだけど、この映画が描いているのは「その女の怪しい魅力と恐ろしさ」とはちょっと違う。

私も後から知ったんだけど、木嶋死刑囚って実は証拠を抑えて死刑囚になったわけじゃなくて、状況証拠しか揃ってなかったらしい。
多分この映画はここにフォーカスしてて、どう考えても怪しい女だけど、実は本当に殺人なんかしてなかったのでは?って描かれ方をしてる。ここがまず面白い

反対に、彼女の正体を追うにつれ悪女堕ちしていく主人公との対比構造がこの映画のメインの部分になってる。
どちらかというと仕事人間だった主人公が女の言う「男にとって理想的な女性像」に触れ、彼女を嫌悪しつつも、それをロールモデルにするうち本物の悪女になっていく。
本当の悪女は果たして主人公と女、どっちなのか…っていうストーリー。
(この映画的に言わせると、主人公の方が悪女だよってことなんだと思うけど)

ただ、女の怖さよりも男のクソさの方がどっちかっていうと目立つ構成になってるように感じた。そこも良かったよね。
登場する男みんな勝手すぎるんだよな。主人公の婚約者や、途中から付き合い始めた検事は勿論のこと、父親も盲目すぎるだろっていう…

惜しむらくはあんまりその「悪女の魅力」が伝わってこなかったことかな。
木嶋死刑囚をモデルにしている女、もうちょっと深堀して魔性さを描けたんでないかな~とは感じてしまう。
そっちにめっちゃフォーカスした描き方でもありだったんじゃないかなと思うけど、まあこの映画はそうではない部分に焦点を当てたってことで。
#thriller #suspense #crime
ノイズ

過疎化に苦しむ猪狩島。そこに住む青年・圭太が生産を始めた黒イチジクが高く評価されたことで、国からの交付金支給がほぼ決まり、島民たちは喜んでいた。
しかし、殺人鬼である小御坂が島に迷い込み、揉み合いの末に誤って彼を殺してしまったことから、彼らの日常は一変。
圭太と幼なじみの純、真一郎の3人は、小御坂の死体を隠し、事件の隠ぺいを試みるが…。

評判がめちゃめちゃいい映画ではないことは知っていたので、ハードル下げて鑑賞したんだけど、それが功を奏したのかなかなか楽しめました #suspense #thriller #crime

何より幼馴染三人組が藤原竜也・松山ケンイチ・神木隆之介という布陣。ヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネじゃん。
これだけでもうめっちゃありがたいし、それ以外の俳優さんの演技も素晴らしかったよねえ!!

個人的な趣味になっちゃうかもなんだけど、全体的なカメラワークや間の取り方、静かな描き方がすごい好みで、目と耳に非常に嬉しい映画だった。
土台が好みだったおかげで、多少アラのあるストーリーもだ楽しめて観れたってとこはあったかも。

ストーリーに関してはもう徹頭徹尾「いや自首しろや!」に尽きる。
でもしないからどんどん旗色が悪くなってって、雪だるま式に最悪の展開になっていく。
まあこれこそがこの映画の魅力だと思うので、最初の「自首しろや!」を飲み込んで観れるかどうかが、この映画を楽しめる最大の分岐点になってると思う。
数学の公式と一緒で「この映画ではそういうモンなのね」で飲み込んだ方がイイ。

ラストの展開もちょっとしたどんでん返しになっててなかなか楽しかった。結構読める展開ではあるけど……


改変しない方が良くない?とも言われてる作品らしいので、原作も読んでみたいなー
キャラクター

人間味あるキャラクターを生み出せず苦心している漫画家の卵の主人公。
ある日彼は偶然殺人事件現場に遭遇し、そこで犯人の顔を目撃する。
犯人の姿をもとに漫画を生み出した主人公は人気漫画家となるが、それを機に、彼は危険な事態に巻き込まれていく…

面白かった~~~~!!!!!私の視聴履歴を参照したネトフリがあまりに執拗におすすめ欄に表示してくるからどれと思って鑑賞したんだけど、良かった…。やるじゃん、ネトフリ
#suspense #thriller #crime

筋書きの面白さもさることながら、「漫画家の苦悩」にもしっかり焦点を合わせていて、創作オタクやってると時々いい意味で耳が痛くなる。
なんと殺人鬼役をセカオワのFukaseが演じてるんだけどこれもなかなかどうしてハマってるんだよね。
まさかの人物の退場やどんでん返しなど、予測もつかない展開にはハラハラさせられっぱなし!スゲー良かった。
掛け値なしに、この手の邦画だとトップクラスに面白いんでは?

1点だけ、ラストの犯人の動機や謎だけちょっと投げっぱなしのまま終わっちゃった感があって残念だったんだけど、まあテーマを考えればまったくチンプンカンプンのまま終わってしまってるわけでもないと感じる。

ネタバレ

とにかく面白かった作品であることに変わりはない。楽しかった~~!!
死刑にいたる病

パン屋を営んでいた店主が連続殺人犯として死刑を宣告された。
その常連であった大学生の主人公は、彼の言う「起訴されたうちの最後の事件は冤罪である」という主張の真相を確かめるため、事件の調査にのめりこむようになっていく。

面白かったぁ~~~~~~!!!!!!うわさの死刑にいたる病!さすがにヒットしてただけあるな…。
途中までは真相を予想しながらハラハラし、死刑囚である榛村の言動にドキドキし、彼に狂わされていく周囲の人間にソワソワし…とあれこれ思いを巡らせながら鑑賞し、オチの付け方のエロさに嬉しくて、泣いた……。

正直途中で考えてた予想が全然めちゃくちゃ当たってたことへのガッカリ感もあったんだけど、それを補って余りあるエロさで…なんか…肩透かし感、全然…飛んだな…。
肩透かしというても「わりと予想できる範疇」ではあると思うし。

ネタバレ

それに阿部サダヲの演じるサイコ殺人鬼めっちゃよかったしね。よかったから許した。
クリーピーの時の香川照之に感動したのに、映画自体の構成が尻すぼみすぎて悲しくなった当時の自分が、阿部サダヲの貫徹されたサイコ演技で無事に成仏できた感もあった。
ありがとう、阿部サダヲ
ありがとう、エッチなスリラー映画

「凶悪」の監督さんなんだけど、かなり「凶悪」との共通項があるように感じる。
映画的カタルシスや緩急に欠ける「凶悪」を見直し、もっとエンタメ的に再定義した印象があって、見やすくもあった。
#suspense #thriller #crime
万引き家族

とても貧乏で、万引きをしないと生きていけないような家族。しかし彼らは幸せだった。
ある日、父は近所で1人の幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れ帰ることに。
そうして日々を過ごすうち、歪な形でつなぎ留められていた家族の形は、やがて瓦解していく。

#drama #crime
友達に「私はもう見たくないけど、ネズはきっと好きだと思う」とオススメされた鬱映画。めっちゃ良かった………好きだ……(鬱映画しか愛せない悲しいウォリアー)

まず「万引きしないと生きていけない」てところにすでに悲哀が詰まってるんだけど、この映画はそれ以外にも「社会の底辺」を至る所で描いているからこそ、一見コメディ的で温かに見える家族の在り方に対する絶望とやるせなさが半端ない。
ネタバレ
家族愛や絆じゃこの底辺の世界は変えられないし、なんにもならない。そういう「静かで救われない絶望」がこの映画にはもうむちゃくちゃこめられてて、本当に息が詰まります。
ラストのリリーフランキーで悲しくて胸が張り裂けそうになって鬱勃起したので、よかったです。
葛城事件

無差別殺傷事件を引き起こした犯人の父親を主人公に、腐心して築き上げた理想の家庭が、ふとしたことから歯車が狂いはじめ、壮絶な崩壊の道を辿っていくさまを鮮烈に描き出した衝撃の家族ドラマ。
概略を人に説明してお勧めすると絶対観てもらえない悲しい好き・映画。まあいいことないからな、この映画に…。
#crime #drama

主人公は通り魔殺人を起こした犯人の父親で、彼は彼なりに真面目に人生に取り組んできた人物なんだけど、これがかなりの昭和おやじで独りよがりなヤツ。
「父親とはこうあるべきだ」という偏った価値観の持ち主で、ナチュラルに男尊女卑をし、一家の大黒柱である自分が家庭内ヒエラルキーのトップに位置すると信じてやまない男。
彼はただ自分の中にある「父親像」に従って生きてきただけなんだけど、それがどれだけほかの家族を苦しめてきたかわかってない。だからこそ彼の息子は強行に走ってしまった。
そんな彼の「過ち」を、ただただ淡々と、盛り上がりもなく描いていく、一生砂利噛み続けるみたいな映画

これが好きで観てほしい、と人に言うと絶対観てもらえないし、ばかりかネズって…みたいな顔をされるので悲しい。いい映画だよ。いい?いいか…?本当に?

なんかこの映画をほっとけない気持ちで見ちゃう一番の要因は、似てるんだよね。この映画の主人公の親父がわたしの父親に。マジで解像度高い。
私の父は老後になってかなり丸くなって、今はかなり良好で改善された関係を築いてるんだけど、ほんとに昔はこんな人だった…。
しみじみ観てしまうし、この嫌すぎる父親にちょっと寄り添いたくなっちゃう…ていう、自分語りも添えつつ。
デスノート

そこに名前を書かれた人間は必ず死ぬ、黒いノート「デスノート」。
司法の在り方に限界を感じていた青年・夜神月は、世の中を変えるため、ノートを使って次々に犯罪者を私刑し始める。
一方この事態を重く見た警察組織と探偵・Lは、月を止めるために動き始める。

あまりにも有名な同名漫画の実写化。実は私はこの映画版がめちゃくちゃ好きだったりする。
なんといっても「この展開、漫画でも見たかった~~~~~~!!!!!!!!」という最大の展開が盛り込まれてるのがいい!!!
なんでこれ漫画版でやらんかったんですか!!!ジャンプに引き伸ばされちゃったからですか!?
#crime #suspense

ネタバレ

キャストもめっちゃ手堅いしね。Lを演じた松山ケンイチの出世作だったりもする。俺、誇らしいよ…
ミサミサを演じてる戸田恵梨香だけ(戸田恵梨香自体はほんとにかわいいけど)ちょっとミサには合わないんじゃないかなあと感じるけど…
リュークやレムなんかのCGもめちゃいい。

ここで勧めるのも変な話だけど、番外編漫画の「aキラ編」もめっちゃ面白いっす
クリーピー/偽りの隣人

ある一家の隣に引っ越してきた隣人は、善良だがどこか奇妙な雰囲気を持っていた。
犯罪心理学者である夫が気付いた頃には既に遅く、彼の何気ない会話に翻弄され、一家の歯車は狂い始めていた。

#crime #thriller #suspense
なんで…?ってなる作品。
前半はマジで面白い。前半は面白いだけに、後半のがっかり感が半端ない…。

香川照之の持つ「違和感」としか言いようのない不気味なオーラは本当に流石で、彼の演技力にはガチでめっちゃ震えた。
それだけに後半の失速と雑さに本当にがっかりさせられる。もう少し丁寧に、しっかりと積み上げていたなら、名作になっていたはずだろうに……

香川照之の演技だけは見てほしいかな。ほんとにすごい。
「なんか関わっちゃいけない人感」は確かに感じるのに、喋ってみると優しいから、わいの気にしすぎだったかも…て思っちゃう。

あともし観るなら絶対先に映画の公式トレーラー見ちゃダメ!!!!!!!めっちゃネタバレだから!!!!!!
あそこのシーントレーラーに使っちゃうのありえねえだろ!!!!!!!
怒り

犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所に、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こる物語。
千葉編・東京編・沖縄編の3つの物語を反復横跳びしながら映していく映画なんだけど、もう~~~~すごかった…。
劇場で観たんだけど、マジのでかい溜息しか出てこなかった。すごかった…
#drama #crime #suspense

犯人未逮捕の殺人事件、というのが軸にあって、この容疑者として疑われている千葉・東京・沖縄の3人の男たちを中心に描く。
疑われることの怒り。信じられないことの怒り。本当にいろんな人の様々な「怒り」が緻密な筆致で2時間強まるまる描かれていて、容赦なく流されてくるから溺れちゃいそうになる…。

犯人の動機も私はとても共感できた。彼が持っていた怒り、けど彼の犯行のせいでやっぱり周囲の人もまた新たな傷を負って、どうしようもない怒りにかられてしまう。悲しい連鎖。

とにかく怒涛の心理描写が襲い掛かる作品なので、体力気力を持って視聴するべき。しんどい時に観るとだいぶやられちゃうかも。
色々な問題提起だってされている。LGBT、沖縄問題、レイプ。後味も悪い…。
ちょっと「一本筋」が見失われてる感はある気がするんだけど、それでもこの映画の持つ「重量」は他の映画数本分あるように思えていて、そこがやっぱりすばらしいなと思う。
李相日監督、人間に詳しすぎる。
セブン

引退を控えたベテラン刑事は、新米刑事と共に殺人事件を捜査することに。
2つの現場には、同様に文字が残されていた。それを見た彼は、キリスト教における「七つの大罪」に絡めた犯行であり、この犯行はまだ続くのだと気づく。

「衝撃のラスト」がよく取り上げられる本作。
実際ラストはかなり衝撃で、驚愕の余韻が残る映画になっているのだけど、それだけじゃなく犯人の動機にもとても考えさせられる、名作クライム。
#crime #thriller #suspense

「セブン」というのは勿論「七つの大罪」を意識したネーミングになっているんだけど、それだけじゃなくて「7」という数字がかなり意識的に散りばめられてるんだよね。
定年退職まであと1週間。最後の犯行は午前7時。美しいぃ~

犯行の結末もとても練り上げられていて、この手の「犯人の手で踊らさせられる刑事映画」のある種の完成形でもあると思う。
単純に「七つの大罪になぞらえた犯行」というワードも中二心を誘う。ブラピもマジでカッコいい。
ミュージアム

雨の日だけ起きる猟奇殺人。己をアーティストと呼び犯行に興じる犯人を追う刑事。
真相に近づくごとに、やがて犯人の驚愕のターゲットが浮かび上がっていく。

#suspense #crime #violence
和製セブンとか劣化セブンとか言われている作品。実際まあそうだと思う…。
殺し方とか、事件のテーマは面白いと思うんだけど、進んでいくごとに綻びが見えていくし、登場人物がとにかく絶叫して衝撃を受けてればそれでいいってわけじゃないんだよ。
小栗旬と妻夫木聡をあまりに無駄遣いしすぎだし、オチはお前それ…今やってたら叩かれるだろって思うし……。

でも私はわりと好きで… ていうのは血がいっぱい出るし殺人がいっぱいあるから……(…)

ネタバレ

これ見た当時、「テーマ性に富んだ芸術家殺人鬼ってやっぱ中二病だから好きだわ~」て思って、同人誌に反映させた記憶ある
凶悪

スクープ誌の記者は、死刑囚からの手紙を受け取る。
内容は、彼がまだ立件されていない事件に関与していること、さらなる事件の首謀者「先生」の存在を明かすものだった。
記者は事件の調査にのめり込んでいく。

とても面白いクライム映画。
#crime #suspense #thriller
犯人役であるピエール瀧&リリーフランキーの所業はまさに「凶悪」。悪魔のような彼らの所業にはつい気持ち悪くなってしまう。
実話がもとになっている作品らしく、実際にこんな人間が世の中に存在するのかと思うと頭が痛くなっちゃう。
裏社会の様子や介護問題にも触れていて、淡々とした陰鬱な映像の中に人間の悪意が底知れぬほど渦巻いている。

ラストカットがめっちゃいいね。
このような実話をもとにしたクライムを喜んで視聴する我々もまた「凶悪」なのではないか?と考えられる、悪い意味で胸をうつラスト。
とにかく重く、希望やカタルシスもない、ただ静かに人の悪ばかりを描く映画なので、鬱映画の中でもけっこう観る人を選ぶと思う。
冷たい熱帯魚

仕事でも家庭でもうまくいっていないうだつの上がらない主人公。
ひょんなことで大型熱帯魚店を営む経営者のビジネスに協力することになる彼だったが、それはあまりに猟奇的な絶望への引き金だった。

はじめて見た園子音作品。良かった…。
私は本当にこの作品が大好きで、人にめっちゃ勧めたのだけど「グロと殺人以外何もねえじゃねえか!」て返されたいわくつきでもある。実際そう…

この、熱帯魚店経営者である村田という男がマジの頭のおかしい殺人鬼で、彼にかかわってしまった社本が殺人に関与したり、死体をバラしたりと狂った事態に発展してってしまうのだけど、でも実際ほんとにそれだけで、「グロい!エロい!うれしい!」と喜べる異常者だったら多分この映画は楽しい作品なんだろうけど(※私)、そうじゃなかったらもうなんもないと思う。カタルシスもない、共感性もない、メッセージ性もない。

しいて言えば主人公がちょっと覚醒するくだりはカタルシスを帯びてるかもしれないけど。でも、がけっぷちに追い詰められて「しゃらくせぇ~教訓」を振りまいてるにすぎない姿からメッセージ性を感じて心に残せってほうが無理があるし。

でも「それだけ」だからこそ名作なんだよね。
グロい、エロい、見せかけの教訓めいた説教事だけを、血と臓物とともにキャストの怪演によって押し付けられる…!!!!!
逆に360度回って清々しい!これが鬱映画好きに刺さらないわけがあるか!!!!!!!!

一時期作業BGMにしてたくらい好きな映画。でんでんの叫び声!悲鳴!ブシャーッ!!!!!
#horror #crime #violence
悪の教典

非の打ちどころのない高校教師。しかし彼は生まれながらのサイコパスにして凶悪な殺人鬼であった。
問題だらけの学校で、彼は己の欲と目的を満たすためだけ、殺人を繰り返していく…

#violence #thriller #crime
「僕の考えた最強のイケメンサイコパス」映画。マジで本当にそれしかない。
この映画の楽しみ方は「顔があまりに良すぎる伊藤英明が、決め台詞言いながらクソガキを殺していくさまを、「エロ~~~~~~!!!!!!!」と言いながら鑑賞すること」です。
イケメンの殺人鬼という用語が大好きな、中二病が一生治らないキツいオタクはみんな悪の教典好きだと思う。
ほんとに伊藤英明かっこ良すぎる。
こういう映画をずっと観てたいよね。多分「一生」…かな
ダンサー・イン・ザ・ダーク

息子と二人、貧しいながらも幸せで慎ましい生活を送る主婦。
彼女には市民ミュージカルで歌い踊るささやかな趣味があったが、それも目の病気によって徐々に奪われつつあった。
彼女の静かで優しい暮らしは、目の病気の進行とともにゆっくりと絶望に突き進んでいく。

「マジの鬱映画」。鬱映画として真っ先に名前が挙がるダンサーインザダーク。実際超きついし、本当にいいことがないし、暗いし重い。
けど、不思議な魅力を持っているのはその陰鬱な世界観と、それを彩る歌姫であり主演のビョークの歌とダンスだと思う。闇のミュージカル作品。
#musical #crime #drama

私は「嫌な気持ち」になるのが大好きなのでこの映画はとても好みでした。最悪のセールスの仕方
ビョークの歌だけじゃなくて、絵作りもまたいいんだよね。色合いというか…。ずっと膜が張ってるみたいな、そこから一生出られないみたいな…

「本当にいいことがない映画」とはよく言うんだけど、私には主人公が「自ら絶望に向かって突き進んでる」、もっというと悲劇の上でブレイクダンスしてるようにしか見えなかったので、悲劇のヒロインを演じ切ることに徹した彼女のラストの結末というのはむしろ痛快でさえあった。
グリーンマイル

原作スティーブンキングの作品。
冤罪で死刑囚になってしまった、人を癒す不思議な力を持った男と、刑務官の交流を描く。

マジでしんどすぎて「もう見たくない」になった数少ない作品。
キツすぎて5分に1度停止して呼吸を整えたのはこの映画しかないかもしれん
「最悪の死刑囚」につい共感してしまったり、死刑囚も人間なんだな…て感じてしまうストーリー、そんな感情移入の先にある結末なんて決まってるよなあ!?
ショック耐性がなかった当時大学生の自分にはキツすぎた。いじめないでほしい…
いつかリベンジしたい
#crime #fantasy #drama
告白

とある中学校に勤務する女子教師の娘が殺された。犯人は彼女が担任するクラスの中にいる
教え子に容赦ない復讐劇を始める、狂っていく女の物語。

映画って最高!?になったきっかけかもしれない。
私は告白を見るために生まれてきたんだ…とさえ感じた…

マジでガチで面白い。痛快な復讐劇。
誰もに同情の余地があって、誰もに同情の余地がなくて、露悪的な演出があって、全然観客に寄り添ってくれない、黒い疾走感
初鑑賞からだいぶ経つけどいまだに思い出すたびに射精できる。全部悪趣味で、悲しくて、共感できて、急に突き放されて、絶望のズンドコで路頭に迷いながらシコる。この気持ちにずっとなりたかった。ありがとう…
松たか子の圧倒的演技力に震えろ!

一応ジャンルとしてはサスペンスに分類されるんだけど、謎解き要素はそんなに多くない。
むしろ子供たちの過去や主人公の背景を紐解いていく場面が多い。クライムスリラーが近めに感じる?
#suspense #crime #thriller #drama
SAW

目が覚めると朽ちたバスルームの中。対角線上に拘束された二人の男、中央には見知らぬ老夫の遺体
果たしてこのバスルームからの脱出は叶うのか?

あの名作「SAW」の第一作目。第一作目にして一番オモロイ。
#horror #violence #crime #suspense
「SAW」といえば「あのグロいデスゲームの映画」という印象が強いと思うけど、初代SAWはそんなにグロくないのでわりと安心して見られる(軽いだけで痛いシーンはちょっとあるのでそこは注意)

低予算映画としても有名な本作なんだけど、無駄がなくて先の気になる展開、「え!~?!?!?!?!?!?!?!?!」と犬神家になること請け合いのどんでん返しまで完備。ガチ名作。
あのエンディングと、同時に流れる「Hello,Zepp」を同時に食らったら、思春期のオタクは全員たまらず「ゲームをしよう」と持ち掛けてくるデスゲーム主催者にあこがれるに決まってる。私のことです。
「どんでん返し」という単語を流行らせた立役者的存在でもあるんじゃないかな。
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