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映画感想を載せる場所

2023年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

震える舌

破傷風に侵された少女と、それを看病する家族の闘病のようすを、ホラー風にまとめた異色作。
どんなホラーよりも手汗掻いた作品。
何が怖いって破傷風は現実に存在するのが怖いんだよね。こんな恐ろしい病気が現実にあって、自分たちの身にだって降りかかるかもしれない恐怖。
娘が文字通り死ぬほど苦しんでいるのに祈るしかできない絶望。どんどん憔悴していき、仲たがいまで発展してしまう家族の様子には本当に苦しくなった。
医者の偉大さにも感謝したくなるし、外から帰ってきたら絶対手洗おう…って思えます。
#horror #thriller

2022年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

シャッターアイランド

孤島シャッターアイランドには、精神を患った犯罪者を収容する病院がある。
とある女性患者が病院から姿を消してしまったという話を聞きつけ連邦保安官の主人公が捜査のために島を訪れるが…。

何も知らずに観たんだけど面白すぎてひっくり返った。名作やんけ!!!!!
#drama #suspense

謎の根幹がかなり肝要になってくる映画なので「何も知らずに視聴する」がベストなんだけど、ある程度知っちゃっててもわりと楽しいかも。っていうのは、わりと「主人公や島に隠された秘密」には、観ていくうちに自然と辿り着ける構想になっているから。
ここの「衝撃の秘密」も勿論面白いんだけど、この映画を名作たらしめているのは本当にラストの3分くらいで最後に主人公が残す驚愕のセリフにあるかなと思ってる。

これはあとで知った話だけど、「シャッターアイランド」という単語自体がアナグラムになっていて、作品の秘密を示唆しているらしい。作りが細かい!
この作品の中で扱われている最大級のテーマ、おぞましい技術は、実際にあったんだなあ…と、人間の業にまで唸らせられてしまった。

2022年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

空白

万引き未遂を起こした、ある中学生の少女が交通事故で亡くなった。
彼女の身の潔白を証明するために暴走していく父と、彼に巻き込まれていくスーパーの店主ら、遺された人間の悲哀が展開されていく。

#suspense #drama
超・信用しているヒメアノ~ルの監督さん!!めっちゃ面白かった…!!!!!

どんよりした鬱映画という体ではじまる本作。実際に中盤まではずっとそうなんだけれど、なぜか思った以上に爽やかな読後感…。ほんとにほんとによかった…。
最初はモンスターペアレントである主人公の父に「ヤバいおっさん」以上の感情を抱けないのだけど、彼も遺されてしまった悲しみを怒りで癒やすしかできない遺族であるということが、終盤に加速していくに向かって伝わってくる。
最終的には、こんなに厳しくて怖くて他責思考の父親が本当に愛おしくなって、これから先の未来の幸せを願いたくなってしまう。

女子中学生の死によって人生をめちゃくちゃにされてしまったスーパーの店主にも事なかれ主義で済ますような悪いところがあって、だけど彼がテキトーに運営してたスーパーが遺してくれた思い出に救われた人もいて、そんな人にやっぱり店主も救われる。
登場人物のみんなに加害者と被害者の側面があって、万華鏡みたいに彼らへの感情が変わっていく。そして最後にはみんなが愛おしくなる……
マジでめっちゃ辛くて悲しい映画だけど、この辛さを乗り越えた先には感動が待ってる。
その感動は決して「悲劇が喜劇に転化する感動」ではなくて、辛いもののすべてが掬われるわけじゃないんだけど、でもなんか悲しい記憶に折り合いを作るために頑張ろうって思える作品。
吉田恵輔監督作品の中で1番好きだ~~~
万引き家族

とても貧乏で、万引きをしないと生きていけないような家族。しかし彼らは幸せだった。
ある日、父は近所で1人の幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて家に連れ帰ることに。
そうして日々を過ごすうち、歪な形でつなぎ留められていた家族の形は、やがて瓦解していく。

#drama #crime
友達に「私はもう見たくないけど、ネズはきっと好きだと思う」とオススメされた鬱映画。めっちゃ良かった………好きだ……(鬱映画しか愛せない悲しいウォリアー)

まず「万引きしないと生きていけない」てところにすでに悲哀が詰まってるんだけど、この映画はそれ以外にも「社会の底辺」を至る所で描いているからこそ、一見コメディ的で温かに見える家族の在り方に対する絶望とやるせなさが半端ない。
実は家族は底辺の寄り集まりではなく血の繋がりがない、というところも絶望ポイントで、血は繋がっていなくても家族であることにはかわりないという絆と、確かで小さな愛だって同時に描いているのだけど、けどそんなもんじゃこの世界はどうしようもない。畳む
家族愛や絆じゃこの底辺の世界は変えられないし、なんにもならない。そういう「静かで救われない絶望」がこの映画にはもうむちゃくちゃこめられてて、本当に息が詰まります。
ラストのリリーフランキーで悲しくて胸が張り裂けそうになって鬱勃起したので、よかったです。
生きている

ゾンビパンデミックが起こってしまった韓国・ソウル。
ゲームオタクの主人公はマンションの部屋に閉じこもり、わずかな情報を使って生き残りサバイバルをはじめる。

#horror #action #survival
それなりにおもしろかった。
「マンションで籠城するゾンビ映画」がテーマになってて、SNSや現代テクノロジーを使ってなんやかんやする展開がこの映画のウリ。
ゾンビ映画としてはだいぶこじんまりしてるけど、そのぶん現実的に仕上がってると思った。
暇な日にサラッと観るにはいいかんじのゾンビ映画。

籠城ものの割に主人公とヒロインが最後までずっと綺麗なので、せめて無精髭生やしたりすこしビジュアルの荒れで日数の経過を表現してほしかった…笑

2022年7月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

プロメア

突然誕生した、炎を操る変異人種。彼らの出現によって全世界の半分は焼失した。
30年後、一部の攻撃的な変異人種は放火テロを繰り返していた。そんな彼らが引き起こす火災を鎮めるべく、対変異人種用の救命消防隊が結成される。
ある日新人隊員ガロは火災現場へと駆けつけ、そこで変異人種組織のリーダーと出会う。

「グレンラガン」「キルラキル」の今石監督作品。
#anime #action #SF

映像の質は文句なしに最高!
ノリにもグレンラガン・キルラキルの血脈がどこまでも感じられる、燃え滾るような熱い(暑苦しい)作品。気合だ!!!!!
設定や世界観もとても面白いし、ガロとリオのバディが軸になったストーリーはカタルシス一杯で、終盤まではかなりのめり込みながら観た。

ただ終盤の展開にちょっとノれなかったかな。あまりにも気合でなんとかしすぎというか…笑
「気合で解決」はプロメア…というか今石監督作品の味なので、別に改善せずにこのまま突っ走ってほしい箇所ではあるんだけど、作品内に点在するアラを「こまけえことはいいんだよ!」で強引に一蹴して終わってしまった感が正直あった。
グレンラガンの時は全然そこは気にならなかったんだけどね。あっちの方がそのあたりはうまく回収してる印象があったかも。
まああっちは2クールアニメだけどこっちは2時間しかないもんね。

クレイエロすぎだった。
呪詛

かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けた主人公。
そして6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、彼女は手段をとらぬ行動に出ていくことになる。

台湾製のホラー映画。ネトフリ限定配信となっています。

終始ハンドカメラを使ったモキュメンタリー構成になっているのだけど、これが観客まで巻き込んでくる構成と見事にリンクしていてすごい…!!ほんとにめっちゃ怖かったし震えあがった…。
台湾製だからビジュアルがアジアンテイストで、日本人の持つ原始的恐怖にも共鳴すると思う。
ずっと息つく暇がない怖さだし、嫌悪感と悍ましさ・ある種の畏怖を想起させる美術は素晴らしい。
「怖い」ホラーはたくさんあるけど「悍ましい、触れたくない、知りたくなかった」って思わせるものは久々に出会ったので、大興奮の一作だった。
#horror

2022年5月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

整形水

外見にコンプレックスがあった女は、「整形水」という不思議な液体を入手する。
それは自由に容姿を変えることができる奇跡の水だった。
そして女は、誰もが驚くような美女に変貌する。

美に執着して狂っていく女を描いた作品。
#anime #horror #suspense
ビジュアルがいいなーと思って観始めたんだけど、正直そこまでだったかな…。

昔なつかしの「週刊ストーリーランド」で放映される一コーナーを頑張って1時間半に伸ばしたみたいな映画。
あらすじから「女の歪み」を期待したのだけど、予想外の方向性に話が転がっていった。これを評価するかどうかは個人の趣向によると思うが、私は「そ、そっちか~」になってしまった…。
もっとルッキズム問題を膨らませて話を展開していけば評価も変わったろうに、単なるホラーで終わってしまったところも残念ポイントだった。

2022年4月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

1995年に放映された新世紀エヴァンゲリオン
そのリビルトである「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の、待望の完結作。

当たり前に私も「エヴァ」愛好家のひとりです。メンヘラのオタクはエヴァ通るべきだよなあ!?
そのリブート作品であるシンエヴァ!もちろん完走しましたよ!
#anime #action #SF

結論から言うと………寂しかったな……

私はAIRがめちゃくちゃ好きなオタクであったので、あの頃の尖ったエヴァからはあまりにも想像しがたい、優しく、未来のある結末には一抹の寂しさを感じざるを得なかった。
みんなこう思ったよな?「庵野、今は幸せなんだな」…って…

面白かったし、あの結末も私は結構納得してるというか…みんながあの時のような不幸を繰り返さないためには、この結末しかなかったかなって感じている側の人間なんだけど。
でもやっぱAIR…AIRが好きなんだよなぁ~~~~~~~!!!!!!

でも…でもわかるよ。でもシンエヴァ、いいよね…。
本当ならみんなが見たかったはずの展開。ゲンドウVSシンジ!!!
ゲンドウがやっとシンジと向き合って、彼を愛していたのも確かだって伝えられたのが本当にうれしかったし、シンエヴァ観てよかったなって感じた。
でも…

でも寂しかったよ! 俺を置いていくなっ…!庵野っ……!

2022年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ラ・ラ・ランド

女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る主人公。
一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを演奏したいという夢を抱く男。
ひょんなことで出会った2人は恋に落ち、そして互いの抱く夢を追いかける

めちゃめちゃ評価されてる名作ミュージカル。超良かった…。
#musical #romance #drama
まずミュージカルパートの質があまりに高すぎる。ハイセンスなビジュアル、心が浮き立つ音楽の数々!
どのミュージカルシーンも必見なんだけど、中盤にある、カットなしの長回しで撮られたタップダンスシーンは見事のひとこと。

ストーリーもすごくいい。
一見ラブロマンス作品なんだけど、この映画のテーマは夢を追う人の物語
葛藤、諦め、切なさが美しいメロディとダンスの中にたっぷり盛り込まれている。
夢のために捨ててはいけないもの、捨てなければいけないもの
最終的にふたりは、恋と夢、どちらを取るかの決断を迫られる。

このほろ苦いラストも輝きをはなっている。
きっと「夢を追いかけたことのある人」になら、ラスト10分の「if」は響くと思う。
そしてもう1度この映画を鑑賞した時、冒頭の渋滞した高速道路で繰り広げられる歌の歌詞に共感するに違いない!
本当に観てよかった………。

2021年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

A.I.

人間の仕事をロボットがこなす時代に生まれた、愛の感情を組み込まれた少年型ロボット。
人間の夫婦のもとで暮らしていた彼だったが、あるきっかけで捨てられてしまう
愛情の行き場を失った少年は、失意のうちに旅に出る。

なんか昔好きだったな…という記憶とともに鑑賞したんだけど、やっぱよかった。
これも救われなくて悲しくて、ある種の鬱映画ではあるよね。
#SF #drama #fantasy

ピノキオなどの童話をイメージして作られた作品とか聞いたことがあるんだけど、確かに童話的。
でも溜息出ちゃうくらい悲劇。結局主人公のデイビッドは救われたのか。あれが本当に救いだったのか…
どんな人がひどい目に遭ってもシコれるけど、無垢なものがひたむきに頑張っても報われない姿はさすがに心に来る。

久々に鑑賞してみると、「スッゲー辛くてキツイシーン」がジゴロ・ジョーの存在によってちょいちょい味変されているのを感じてよかった。
魔法にかけられて

いじわるな女王に井戸に突き落とされてしまったプリンセス。
その井戸はなんと現代のニューヨークに繋がっており、彼女は妻のいない弁護士とその娘と奇妙な生活を営むことになる…!

普段絶対観ないジャンルの作品なんだけど勧められて視聴。
結論から言うと本当に観てよかった。ディズニーで1番好きかも…。

アニメパートと実写パートの融合の見事さはさることながら、「ディズニーがプリンセスものでやりがちなお約束」を自らギャグとしてパロるシーンも満載で笑え、ファンタジーと現代を皮肉りつつも同時に賛歌までしちゃうというマジの高等技術。
美術は隅々まで凝って美しくてハッピー。

何よりストーリーが良すぎる
夢見がちな少女(ファンタジーの住人)と、現実に疲れた弁護士(現実の住人)が互いを想うようになるにつれて、ふたりがファンタジーに、現実に向かって歩み寄っていく。
それが演技やストーリーだけじゃなくて音楽や美術面でも表現されてるのが本当に素晴らしくて、けれどふたりにはそれぞれファンタジー世界に残した王子様と、現実で再婚を検討していた恋人がいて……その切なさについ泣けてしまう。

アニメパートと実写パートがある映画というのは知ってたんだけど、ちゃんと「そう表現しなければならない」ことに意味が強くあって、現実に生きる人たちと、紡がれてきたファンタジーの伝統をどちらもとても大切にしている。
神映画でした。いろんな人に見てほしい…
#comedy #romance #musical #anime #fantasy

2021年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ターミナル

ニューヨークの国際空港。母国クラコウジアからやってきた男はニューヨークに降り立つ直前に足止めされてしまう。なんとクラコウジア政府がクーデターのために事実上消滅してしまったというのだ。
入国ビザは取り消し、戻ることも進むこともできない。
男は国際空港で寝泊まりしながらも、持ち前の人徳で空港の人々と交流を持つようになっていく。

め~~ちゃ好きな作品。ラストはちょっとの苦みがあるけど、総合してハッピーなロマンスコメディ。
#romance #comedy #drama

クラコウジアの通貨も使えなくなっちゃうもんで、四苦八苦しながら工夫して空港内でなんとか食を得ようとするんだけど、その工夫がめっちゃ楽しい。
ベッドも空港にあるわけなんかなくて、待合室の長椅子をくっつけて勝手にベッドにして寝るんだけど、そういう生活になんかちょっと奇妙な憧れを抱いちゃう。
持ち前の明るさと優しさで主人公はどんどん従業員の人と仲良くなっていって、やがて恋をするのだけど、彼女を振り向かせるために従業員と協力して、ありあわせのシチュエーションを作って…って、そういう「あるものをなんとかそれっぽく繋ぎ合わせて工夫して良いものにしていく」姿が、素朴だけどなんかイイなって感じるんだよね。

空港の人たちにもどんどん愛着がわいて、ただの空港がなんかステキな場所に思えちゃう。
すべてが上手くはいかないこともあるんだけど、でもこんな愛嬌のある主人公ならきっとこれからも素敵な人生を送れちゃうんだろうなって思える、ハートフルで優しい映画。

清掃員たちが一流のコンシェルジュに扮してヒロインをおもてなしするシーンがあるんだけど、あそこがもうめ~~~~~~ちゃ子供の頃から好き…。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする

美大生である主人公は、大学へ行く電車の中でヒロインに一目惚れ。
勇気を出して声をかけるが、彼女は「また会える?」という言葉に突然泣き出してしまう
やがて2人は付き合い始いはじめるが、彼女には大きな秘密があった。

王道の恋愛映画。
恋愛映画なんだけど、この映画はめちゃくちゃ設定が面白くて、ちょっとSFに近い側面を持っている。
#romance #SF

その設定を語ってしまうと全部ネタバレになっちゃうので伏せるんだけど、
ヒロインと主人公の時間軸が逆に進んでいるんだよね。
主人公は昨日から明日に時間が進んでいる世界の人間だけど、ヒロインは明日から昨日に時間が進んでいる世界の人間。
だから、主人公にとってはヒロインとの日々は「出会い、恋をして付き合って、関係を深めていく日々なのだけど、ヒロインにとっては逆で「深い関係からどんどん距離が遠のいていき、やがて「付き合っていなかった頃の自分たち」に戻り、そして別れの時が来てしまう。畳む


この設定がすごく面白い。あと特性上ぜったい2回視聴したくなっちゃう作品。とても切ない。
とりあえず何も知らずに観てみてほしい。そして観終わったらもう1回観てほしい!

back numberの名曲「ハッピーエンド」はこの映画の主題歌でもある!
一生聴き続けてる
パラサイト 半地下の家族

韓国。キム一家が暮らしているのは半地下の貧乏アパート。
糊口をしのぐ生活を送る底辺家族の息子はひょんなことから上流一家・パク家の家庭教師として忍び込む機会を得る。
味を占めた彼らは悪知恵を働かせて次々に雇用人としてパク家に”パラサイト(寄生)”していく…!

本当の傑作。マジで見たほうがいい。
ジャンルとしてはブラックコメディ。けどスリラー要素満載、かつ社会派の側面も併せ持つ作品でもある。
#comedy #thriller #drama

韓国は実はかなり傑作の多い国で、今キテる国として評判だったりもする。
パラサイトはまさにその筆頭!
コメディチックな前半部から急転直下、スリラー映画に変貌する予想もつかない展開!それがシームレスに続き、「パラサイト」にしかない独特のジャンルを形成しています。マジで面白い。
あまりに高すぎるエンタメ性と同時に、韓国における格差にまで切り込んじゃう。そらカンヌ獲りますわな。

パラサイトは「本当に面白い映画」なので、ぜひ2回は視聴してほしい。
ていうのも画づくりでも妥協してないことが2回目だとよくわかるんすよね。
たとえば「貧乏一家のキム」と「上流一家のパク」との間には絶対に隔たりができるようにカメラワークされていたりする。ガラスの壁とか柱によってね。
「パク家は下から上」「キム家は上から下」に映すように撮られていたりして、これも明確に「格差表現」として作用してたりする。マジでエグい。

もちろん「貧困層」は、それそのものはキツい存在ではあるんだけど、貧困社会の中で生きるキム家をあくまで笑える存在として描いている。けれど後半では「努力などではどうしようもない、生まれついての隔たり」をありありと見せつける。
最初がコメディなのでぬるっと乗せられちゃうんだよね。けどその乗ったジェットコースターって「衝撃的なスリラー的結末」に帰結してるわけで。

本当に観てほしい。観てー!!!観てみてみてみてみてみてみー!!!!!

2021年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

リング

それを見ると、1週間後に死ぬ
巷で相次ぐ突然死に「呪いのビデオ」が関わっているとの噂を信じきれない女性テレビディレクター。
だが姪の死をきっかけに、彼女はビデオに隠された謎を追い始める。

名前は誰でも知ってると思われる超有名ホラー。実は見た事なかったので鑑賞。
#horror #suspense

すごくびっくりしたのが、かの有名な「井戸から貞子が出てくるシーン」がマジのマジのラストだったところ。そんな終盤だったんだ!?
そこにいたるまでのストーリーは心霊ホラーというよりむしろ「ビデオの謎に迫る」という調査部分にフォーカスしたミステリー調になっていて、これもまたすごく驚いた。
想像してたよりずっと硬派で堅実で、練り上げられた緻密なシナリオの上に成り立つ「呪いの恐怖」。
だからこそ井戸から出てくる貞子はホラー界の伝説になったんだということが、鑑賞することでよくわかった。
リングを観ずに井戸から出てくる貞子を語っちゃいけないですね。ホラー好きなら絶対観なきゃだめだ。
本当に良作だった。
プラットフォーム

目覚めると、巨大な穴が空いた部屋の中にいた。
そこは塔になっていて、上の階層から順に食事が“プラットフォーム”と呼ばれる台座に乗って運ばれてくる。食事は上からの残飯を摂るしかない。
奇妙で出口のない塔を舞台に繰り広げられる、ワンシチュエーションホラー。

不思議な設定に惹かれて鑑賞。
#horror #SF #survival
面白い部分も多々あったんだけど、もっとやれたのではないか?という印象が拭いきれなかった映画。

謎だらけの「プラットフォーム」はミステリアスな魅力に満ちていて、そこに乗った残飯のあまりの不味そうさ・気持ち悪さも百点満点。
ただ緩急に富んでいる映画ではなくて、最後まで淡々と描かれ、そして多くの謎もさして解明されることなく終わってしまう。

どうやらこの作品はキリスト教をモチーフにしてるらしくて、神話と環境問題を暗喩した作品のようなんだけど、それを後で調べて知ったところで「へーそうなんや」以上の感想が見込めないっていうのがちょっとな…。
映画自体が設定の魅力を最大限活かしきれないまま終わっちゃってる印象なので、そこに隠された意味を知って再鑑賞してもそこまで「こういうことだったのか!」っていう気持ちよさが得られないんだよね。
ただこれは私が日本人だからかもしれない。キリスト教圏の人からしたらもっとこの映画は深い作品に映るんだろうか…?
すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

ある日すみっコたちは、お気に入りの喫茶店の地下室で、古くなった不思議な絵本をみつける。
絵本に吸い込まれてしまうすみっコたち。 絵本の世界で出会ったのは正体不明のひとりぼっちのひよこ
新しい仲間のために、すみっコたちはひとはだ脱ぐことにする。

一時期大げさなオタク表現で話題になってたすみっコぐらし映画1作目。
#anime #fantasy #kids
圧倒的な優しさの中にある多少のほろ苦さ、すみっコたちがひよこに与えた長い旅路の意味。
たった65分の道程の中に「存在の許容」がたくさん詰まっていて、めちゃくちゃ泣いてしまった…。俺も、すみっコなんだ…

この映画はひよこだけじゃなくて観ている観客のことも、生きとし生ける全ての人を優しく許容している
たとえ影日向でも、太陽の中心にいなくても、ありのままそこにいるだけでいい、そういうメッセージ性が子供向けのガワの中にみっちり込められている。
65分しかないので、誰かに優しくなりたい時にぜひ。

2021年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ペット 檻の中の乙女

動物保護センターに勤める男。ある日同級生の女性を見かけて気にするように。
しかし相手にされず、彼は彼女をつけ回し、ついには誘拐・監禁してしまう。
だが囚われた女性の方も黙ってはおらず、思わぬ反撃に出ていく…!

#horror #suspense #thriller
エロい同人誌だった。(は?)
一見ヤバい男に翻弄される女の物語かと思ったら女の方がむしろヤバかったみたいな映画。

最初は女視点で鑑賞していくことになるけど、やがて男に同情してしまう。
まさかの展開に裏切られる監禁スリラーで、結構面白かったです。
新感染 ファイナル・エクスプレス

韓国の各地でゾンビパンデミックが発生。そんな中、ソウルからプサンへ向かう高速鉄道の車内でもパンデミックが勃発。
ゾンビと化した乗客。時速300キロ以上で移動する「密室」が、乗客たちの生き残りをかけた戦場と化す。

バカみたいな邦題から繰り出されるマジモンの傑作
私は名作とされてるゾンビ映画のすべてを観たわけではないんだけど、でもこの「新感染」はその最高峰に位置してる作品なのではないかと思ってる。

何も、衝撃的な展開や他にはないものがあるわけじゃないんだけど、すべてが及第点以上っていうのがこの映画の秀才なところ。
派手に散らかるゾンビ!カッコいい男たち!!守られる女!!余計なことしかしない迷惑なオジさん!!!
「ゾンビ映画」に求める全てが新感染にはある。マジで超面白い。大好き

「父子」に焦点を当てたストーリーも良い。王道ド真ん中のことしかやってないんだけど泣ける。王道ってだからいいんだよなって思わせられる。
ラスト、生き残った乗客が自分たちは感染していないということを証明しなければならない場面があるんだけど、その方法も……。もう……ハァ~~~~~~~~~~~~~~~~~……………

私ってこれから先、新感染より面白いゾンビ映画に出会えるのかな…………。
#action #survival #horror

2021年5月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ノートルダムの鐘

15世紀パリ。ノートルダム大聖堂の鐘楼には心優しくも醜いカジモドという鐘つき男が住んでいた。
年に1度のお祭りに惹かれ外界に姿を現したカジモドは、美しいジプシー・エスメラルダと出会う。

ディズニーの名作の一柱。「ディズニールネサンス」と呼ばれる、いわゆる黄金期のディズニーの作品の中ではちょっと影に隠れがちな映画になると思うんだけど、とても面白い。
子供の頃見たことがあったんだけど、ちゃんと覚えてなかったので、アマプラでレンタルして鑑賞。
#anime #drama #musical

フロローってこんなにキモエロかったの?!!?
一部で狂信的な支持を得ているフロローだけど、確かにこういうタイプのヴィランってディズニーにはめちゃくちゃレアな存在だよな…。
エロかったな…。何もフロローだけじゃなくて、なんかノートルダム全体が… エロかったな…。

恋を成就させないっていうのもレアなラストだよね。
当時別件のBLにハマっていて、そのBLCPとエスメラルダ&フロローの感情のやりとりがあまりにも似ていたので、「俺たちのBLCPじゃん!!!!」てフォロワーと一緒に騒ぎながら鑑賞した覚えがあります。

2021年3月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

CUBE

目が覚めると謎の立方体に捕らえられていた数人の男女。
接点の無い彼らは、誰が何の目的で閉じ込めたのかも分からないまま、死のトラップが張り巡らされたこの立方体からの脱出を試みる。

SAWなども影響を受けたと言われている良映画。
#suspense #thriller #horror
後になって日本版でリメイクされたりもしてるけど、オリジナルの方が圧倒的に面白い。

終始密室の中で展開されるサスペンス、次々に現れる殺人トラップを掻い潜るために知恵を凝らす登場人物たち。
この手の映画の先駆けといわれているようなんだけど、実際なかなか面白かったな。

正直後発の「この手の映画」をもう何本も観てしまってるから、このCUBEに対する目新しさを感じることはなく、物足りなさを覚えてしまった面もあったんだけど、スキがなく完成されてるのは事実であり、後世に影響を与えまくってるのは実際スゴイ。

おそらくかなりの低予算だと思うんだけど、それを感じさせない工夫が沢山で、考えさせられる後味も抜群にきいてる。
短いので、多少のグロが大丈夫ならぜひ観てほしい。
ヒメアノ~ル

清掃会社で働く青年は退屈で孤独な毎日を送っていた。
ある日、同僚から女性への取り次ぎを頼まれた彼は、彼女が働いている職場へと向かう。しかし、彼はそこで高校時代に過酷ないじめを受けていた同級生と再会する。

キュートでシュールなラブコメポップと快楽殺人鬼の猟奇スリラーを反復横跳びする変わった映画
#romance #thriller #comedy #suspense
私はこの作品で吉田恵輔という監督さんを知ったのだけど、このヒメアノ~ルがあまりに性癖に刺さりすぎて、以来一生ついていっています。

このヒメアノ~ル、タイトルコールが中盤部分にあるんだけど、まさにそれが「ラブコメポップ」と「サイコスリラー」の繋ぎ部分であることを意識した作りになっていて、ここのタイトルの演出の2ジャンルの繋ぎ方の妙はその筋のオタクの間では語り草になっている。…と思う。
タイトルコールなのにもかかわらずヒメアノ~ルを象徴するシーン。
勿論そこ以外にも見どころ一杯!!!!

セールスポイントのひとつに殺人鬼役をV6の森田剛が演じているというのがあるんだけど、彼マジで演技うまいっすね…。
全然役柄にひけを取ってないし、いつ暴発するかわからない危険性を見事に演じ切っている。
「殺人鬼ってマジでうまく日常に溶け込んでて、我々もいつ殺されるかわからないんや…」て感じてしまう。

ラブコメパートの癒し枠であるムロツヨシもめちゃいい。彼はラブコメパートの砦をつかさどる存在であるのだけど、そんな彼も加速していくスリラーパートに主人公ごと呑まれていってしまう。
ムロツヨシは吉田監督の後作品である「神は見返りを求める」にも主演で出てるからそっちもぜひ。

私はこの映画版ヒメアノ~ルがあまりに好きすぎて原作も買いました。あの「稲中」の作者さんなんだよね。
正直殺人鬼である森田くんの動機設定からして映画版と漫画版では違いすぎて驚いた。
動機設定は当たり前に漫画版の方が良かったんだけれど、映画版の「エンタメに落とし込むため」に振り切られた設定改変もかなり良かったなあ。どっちも名作
葛城事件

無差別殺傷事件を引き起こした犯人の父親を主人公に、腐心して築き上げた理想の家庭が、ふとしたことから歯車が狂いはじめ、壮絶な崩壊の道を辿っていくさまを鮮烈に描き出した衝撃の家族ドラマ。
概略を人に説明してお勧めすると絶対観てもらえない悲しい好き・映画。まあいいことないからな、この映画に…。
#crime #drama

主人公は通り魔殺人を起こした犯人の父親で、彼は彼なりに真面目に人生に取り組んできた人物なんだけど、これがかなりの昭和おやじで独りよがりなヤツ。
「父親とはこうあるべきだ」という偏った価値観の持ち主で、ナチュラルに男尊女卑をし、一家の大黒柱である自分が家庭内ヒエラルキーのトップに位置すると信じてやまない男。
彼はただ自分の中にある「父親像」に従って生きてきただけなんだけど、それがどれだけほかの家族を苦しめてきたかわかってない。だからこそ彼の息子は強行に走ってしまった。
そんな彼の「過ち」を、ただただ淡々と、盛り上がりもなく描いていく、一生砂利噛み続けるみたいな映画

これが好きで観てほしい、と人に言うと絶対観てもらえないし、ばかりかネズって…みたいな顔をされるので悲しい。いい映画だよ。いい?いいか…?本当に?

なんかこの映画をほっとけない気持ちで見ちゃう一番の要因は、似てるんだよね。この映画の主人公の親父がわたしの父親に。マジで解像度高い。
私の父は老後になってかなり丸くなって、今はかなり良好で改善された関係を築いてるんだけど、ほんとに昔はこんな人だった…。
しみじみ観てしまうし、この嫌すぎる父親にちょっと寄り添いたくなっちゃう…ていう、自分語りも添えつつ。

2021年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー

ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をベースにしたフル3DCGストーリー。
悪い意味で有名な作品。実際………すごかったな……。
#anime #kids #fantasy

ラスト直前までは真面目にドラクエ5を映画化しています。
CGのクオリティもめちゃめちゃ高いし、さすがに長いストーリーをちょっと端折ってTASにしてる感はあるんだけど、普通に楽しんでた。
私はドラクエ5を知らなかったので、親子3代にわたる壮大で魅力的なストーリーはとても興味深く感じたし、ファンが多いのもわかるなあと思いながら鑑賞…してた。
最後の数分までは…。

なんで…なんであんなことしちゃったんだろう!?どうして!?!?!?
ただ素直に映画化するだけでよかったのになんであんな改変入れた!?!?!?!?

その改変っていうのが、ネタバレになるから一応記載は避けるんだけど、単なる改変じゃなくてドラクエファンを否定しているともとれる最悪の改変なのがまずかった。
ドラクエファンがあれを喜ぶと思ってやったんだとしたら、申し訳ないけど監督は若干サイコだと言わざるを得ない…………かな……。
私は同監督の「ジュブナイル」が大好きなだけに、全力否定したくはないんだけど…。

「それ」を描きたいと思った気持ちと気概は評価したいんだけどね。でもドラクエで、というか原作つき作品でやるべきじゃなかったよ…。

2020年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ミッドサマー

心に闇を抱えた女子学生。心配した恋人は彼女をスウェーデン旅行に誘う。
彼らが訪れたのは、小村で90年に1度開かれるという特別な夏至祭。
村人たちに笑顔で迎えられた一行は、9日間にわたって行われるおぞましい祝祭を体験することになる。

アリアスターの名を世にたらしめた怪作。
#horror #thriller
この映画をホラーだと思って撮ってないらしいよ。おそろしいね。

いわゆる因習村作品で、村のカルト思想に毒された主人公が狂っていってしまうのだけど、主人公が呑まれてしまった「狂気」は元来主人公が抱え続けている闇を奇遇にも癒やしてしまう。
だからホラーじゃない、っていうのはわからんでもないんだけど、でもやっぱアリアスターって頭おかしいだろ。
この作品を観てから、アリアスターが過去に撮ったと言われる短編映画もいくつか鑑賞した(The Strange Thing About Johnsons、Munchausen)のだけど、全部狂ってた。この人が一番怖い。

ただ、美しさと不気味さが見事に共存した世界観や美術は一見の価値あり。この作品が持つ独特の気持ち悪い魅力は実際一回は体感してみてほしい。
体感した結果「もう一生観たくない」になる人も相当数いると思うけど…………。

気持ち悪かったな。アリアスター監督は男性なんだけど、これほど女性的な気持ち悪さを的確にとらえて映像化できるんだ…っていう嫌な感嘆もあった。本当に不快。でも好き。

2020年5月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

名探偵ピカチュウ

主人公は不仲の父が亡くなったという知らせを受け、ポケモンと人間が共存する街・ライムシティを訪れる。
その探偵事務所にいたのはなぜか渋い声のピカチュウだった。

ポケモンの実写化映画!めっちゃよかった~~!!!!
静止画だとポケモンを実写に落とし込むことに対する不気味なビジュアルが若干取沙汰されがちなんだけど、動くとみんなめっちゃかわいい…!!!
ピカチュウはほんとにありえんくらい愛くるしい。この映画観たあとはピカチュウがオッサンの声じゃなきゃ嫌になるようになる。

話も普通に面白かった。単にポケモンの実写化なだけじゃなくてサスペンス要素も若干あるんだよね。
街で過ごしているポケモンたちの、よく描かれた生態表現には愛しか感じないし、すっごくいい映画!!
#comedy #kids

2020年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ジェーン・ドゥの解剖

ベテラン検死官の主人公。
ある日警察から緊急の依頼が入る。それは、謎の惨殺事件の現場から全裸で見つかった身元不明の美女“ジェーン・ドウ”の死体の検死解剖だった。
通常の検死だと思われたが、メスを入れ解剖を進めるにつれ、遺体の異常な状態が判明していく。

面白かった。洋画なんだけど、邦画的なじっとり感のあるホラーで新鮮に感じた。
#horror #suspense
この遺体の正体というのはまあまあ海外的で、日本人には正直恐怖のなじみがないものになっちゃうかもしれないんだけど、個人的には全体の雰囲気が邦画的であるおかげで、この真相についてもある程度共感を持って観ることができたかな。

この「ジェーンドゥの遺体」がマジで不気味でいい。
シチュエーションもいいよね。夜中に遺体解剖しなきゃならないという…。私だったらそれだけでおしっこちびっちゃうよ…。
着信アリ

ある女性の携帯電話から、突然奇妙な着信音が響く。
残された着信時刻は未来、発信番号は本人の番号、留守番電話サービスに録音されていたのはおぞましい悲鳴。そして着信時刻が来ると、その女性は死んでしまう
死の予告電話」は伝播していく。

「ガラケー」最盛期に作られた作品で、当時学校とかでもめっちゃ流行っていた記憶がある。
#horror
私は当時まだ小学生でガラケーを持っていなかったので、ガラケー持ってる勇者のクラスメイトが着メロをこれに設定していて羨ましがっていた思い出。

大人になってから鑑賞したんだけど、期待してたよりは凡庸で特徴のないホラー映画って印象だったかな…。
やっぱりこの映画のセールスが上手かったのは「当時流行ってたものをうまく取り込んだ作品」であったところだったのかなって思う。伝播する着メロというチェンメみたいな設定も、若者の当時の流行をすごく反映してたんだろうね。

2019年5月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

アメリカの田舎町。連続児童失踪事件で弟が犠牲になり、悲嘆に暮れる内気な少年の前に「それ」が表れる。
彼は同じく「それ」に怯える子供たちと共に立ち向かうことを決意する。

超有名キャラ「ペニーワイズ」が登場する作品であるIT。
ホラー映画として鑑賞し始めたんだけど、まさかのジュブナイルものであった…!面白かったなー!!
#horror #kids

序盤こそペニーワイズの恐ろしさを描いているんだけど、すぐに視点は「ルーザーズクラブ」と呼ばれる、いじめられっ子の子供たちの集まりに移っていく。
彼らはペニーワイズの登場をきっかけとして結成され、そしてそれに立ち向かっていくことになるのだけど、このルーザーズクラブの「恐怖を克服して打ち勝ち、成長する」というところが実はITのキモになっている。少年少女の成長物語なんだよね。
これは予想だにしていなかった切り口ではあったんだけど、このジュブナイル的な展開がまたよくできてるんだ!ルーザーズクラブカワイイ!!
ITはきっと位置づけとしても「子供向けホラー映画」なんだろうね。めっちゃよかったです。
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